パイオニア、32bit拡張処理など音質強化したAVアンプ
-ネット対応強化の「SC-LX83」など。20万のLX73も
パイオニアは、32bit拡張処理などの最新高音質化技術を搭載した7.1ch AVアンプ「SC-LX83」など2モデルを10月下旬に発売する。価格は、出力が110W×7chの上位モデル「SC-LX83」が33万円、100W×7chのSC-LX73が20万円。
SC-LX83 | SC-LX73 |
アンプは、ICEpowerと共同開発したアナログクラスDアンプ「ダイレクトエナジーHDアンプ」の第4世代。全チャンネル同時駆動条件で高出力を実現すると共に、ICEpower独自の多重帰還技術とパイオニアのサウンドチューニング技術で高音質化。英国の録音スタジオ「Air Studios」における音質チューニングを行ない、LX83は「THX Ultra2 Plus」認証を、LX73は「THX Select2 Plus」認証を取得している。
上位モデルのSC-LX83は、業界初のビット拡張処理「Hi-Bit32/Hi-Sampling Audio Processing」による32bitプロセッシングに加え、ハイサンプリング処理による再生帯域拡張に対応。CDのほか、DVDやBDの24bitロスレスコンテンツをさらに拡張し、音質の向上や音像の明瞭化を実現。特にマルチチャンネル再生で大きな効果を発揮するという。
また、SC-LX83のみスピーカーの位相特性を自動補正する「フルバンド・フェイズコントロール」技術を搭載。ツィータやミッドレンジ、ウーファなどの各ユニット間で発生する時間的なズレを、アンプ側で測定/分析、補正することで、正確な音像定位が得られ、理想的な音場を実現できるとしている。
LX83は、対応プレーヤーとのHDMI接続時に、HDMI伝送のジッタを最小化する、独自の「PQLS(Precision Quartz Lock System)」にも対応。マルチチャンネル音声のビットストリーム伝送時にもPQLSに対応。
両モデルとも、3次元自動音場補正システム「Advanced MCACC」を搭載。高音質化機能としては、ジッタと位相ノイズを低減する「ジッター・リダクション・プラス」や、Bluetooth音声や圧縮音源のS/N悪化を改善する「サウンドレトリバーエアー」を搭載する。電源は、アナログ用とデジタル用を独立させた「インデペンデント・パワー・サプライ」システム。
仮想音場再現が可能な「バーチャルサラウンドバック」や、高さ方向に音場表現を広げる「バーチャルハイト」、フロントワイドを加えた「ワイドサラウンドモード(MOVIE/MUSIC)」など、最大でバーチャル11.1ch音場再現が可能という。ドルビープロロジックIIzも搭載している。
ビデオ機能は、フィルムの質感を再現する「P.C.24p」や、ハイビジョン映像のノイズを低減する「トリプルHDノイズリダクション」、9項目のビデオパラーメータ調整機能などを搭載。
SC-LX83はRFリモコンを同梱 |
SC-LX83は、ネットワーク機能「Home Media Gallery」を搭載。AVアンプから、DLNA 1.5に対応した機器内の音楽ファイルにアクセスして再生できる。インターネットラジオ「vTuner」にも対応。LX83は最大63局、LX73は最大24局をメモリ可能となっている。
また、iPhoneやiPod touchでAVアンプの各種機能を無線LAN経由でコントロールできるアプリ「iControlAV」にも対応。同アプリはApp Storeからダウンロード可能となっている。USB端子も装備しており、接続したiPhoneやiPod touchの音声をデジタル出力可能。専用ケーブルを利用することで、動画再生にも対応する。
SC-LX83のみRF(電波)方式のリモコンを同梱。障害物の影響を受けずに操作が可能なほか、リモコンのディスプレイにアンプのディスプレイと同じ情報を表示するため、手元でアンプの状態を確認しながら操作ができる。なお、LX73でも別売の電波式リモコン「CU-RF100-U」を購入すれば、同様の操作が可能となる。
モデル名 | SC-LX83 | SC-LX73 |
定格出力 | 110×7ch(8Ω) | 100×7ch(8Ω) |
最大出力 | 220W×7ch(6Ω) | |
周波数特性 | 5Hz~100kHz | |
ライン入力S/N比 | 103dB | |
HDMI | 出力×2、入力×6 | |
音声入力 | アナログステレオ(RCA)×6 アナログ7.1ch(RCA)×1、 Phono(MM)×1、 同軸デジタル×3、 光デジタル×3 | アナログステレオ(RCA)×6、 アナログ7.1ch(RCA)×1、 Phono(MM)×1、 同軸デジタル×2、 光デジタル×3 |
映像入力 | コンポーネント×3、コンポジット×4 | |
音声出力 | アナログステレオ(RCA)×4、アナログ7.1chプリアウト(RCA)×1、光デジタル×2 | |
映像出力 | コンポーネント×2 コンポジット×4 | コンポーネント×1 コンポジット×4 |
その他の端子 | Ethernet、12Vトリガー、RS232C、IR入力×2、IR出力×1 | |
Hi-Bit 32 | ○ | - |
フルバンド・ フェイズコントロール | ○ | - |
Home Media Gallery | ○ | - |
RFリモコン | ○ | - |
消費電力 | 330W (待機時消費電力0.4W) | |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 420×460×200mm | |
重量 | 18.5kg |
(2010年 9月 7日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]