パイオニア、BDの音声も低ジッタ伝送するAVアンプ
-33万のLX82、24万のLX72。iPhoneデジタル再生対応
パイオニア株式会社は、Blu-rayやDVDなどのサラウンド音声をHDMIで高音質に伝送できるAVアンプ「SC-LX82」と、「SC-LX72」の2モデルを10月上旬に発売する。価格はLX82が335,000円、LX72が245,000円。
対応プレーヤーとのHDMI接続時に、HDMI伝送のジッタを最小化する、独自の「PQLS(Precision Quartz Lock System)」に対応。従来モデルの「SC-LX81/71」では、CD音声(リニアPCM 2ch)伝送のみ対応していたが、新たにマルチチャンネル音声でも使用可能になった。
これにより、BD/DVDビデオのサラウンド音声に対しても、音質劣化を最小化させた伝送が可能になるという。プレーヤー側でマルチチャンネルPQLS出力に対応するのは、7月から発売されている「BDP-LX52」(88,000円)。なお、プレーヤー側でリニアPCMにデコードしてから伝送する必要があるため、PQLS使用時はAVアンプのデコーダは使用しない。
さらに、高精度かつ位相雑音が少ない水晶発振器・ハイアキュラシーマスタークロックと、DACの前段部に独自のフィードバック回路をIC内部に構成した高精度PLLジッターリダクション回路も搭載。時間軸のブレを最小限に抑えることで、HDMIだけでなく、全てのデジタル入力信号に対し、ジッタと位相ノイズの低減を図っている。
また、上位モデルの「LX82」では、SRC(サンプリングレートコンバーター)もDACの間近に配置。オーディオの信号をリクロックする過程でジッタを一層低減し、より高音質な再生を実現するという。
定格出力は「LX82」が110W×7ch(8Ω)、「LX72」が100W×7ch(8Ω)。最大出力は220W×7ch(6Ω)。HDMI(ver.1.3a)は5系統入力、2系統出力を装備。KURO LINKにも対応する。両モデルとも、ドルビー TrueHDやDTS-HD Master Audioなど、最新サラウンドフォーマットのデコードに対応。
従来モデルと同様に、パイオニアとICEpowerが共同開発したアナログクラスDアンプの「ダイレクトエナジーHDアンプ」を搭載。ICEpower独自の多重帰還技術とパイオニアのサウンドチューニング技術を組み合わせている。さらに、ロンドンAir Studiosのエンジニアと共同で音質チューニングを実施。THX Ultra2 Plus認証も取得している。
iPod内の音楽ファイルをデジタルで取り出し、AVアンプ側のDACで処理し、高音質再生する機能も搭載。新たにiPhone内の音楽ファイルも再生できるようになった。さらに、iPod/iPhone内の動画コンテンツ再生もサポートした。コンテンツのブラウズはGUIで行なう。マスストレージクラス対応のポータブルプレーヤーや、USBメモリなどに保存したWMA、MP3、WAVやJPEG画像も表示できる。
DLNAクライアント機能を内包した「Home Media Gallery」も用意。LAN内のDLNAサーバーに蓄積されたWMA、MP3、AAC、WAV、FLACが再生可能。インターネットラジオも受信できるほか、Neural THXが管理するネットラジオ「Neural Music Direct」に接続すると、アンプの「Neural THX サラウンドモード」が自動で選択され、放送をマルチチャンネルサラウンドで再生できる。
スピーカーの位相特性を自動補正する「フルバンド・フェイズコントロール」技術も搭載。マルチウェイシステムでは、信号をネットワークで分配する際に各ユニットで時間的なズレが生じる。それをアンプ側で測定し補正するもので、全てのスピーカー間の群遅延特性差を同時に補正できるとういう。
付属マイクを用いて自動音場補正を行なう「Advanced MCACC」にも対応。“周波数”と“音圧レベル”という2次元補正に“時間軸”の要素を加えることで、残響音の影響を受けない直接音を中心とした音場補正を実施している。
さらに、「LX82」では「SC-LX90」で開発された「プレシジョン・ディスタンス」機能も備え、画面のスコア表示を参考に、ミリ単位の精度でスピーカー位置を調整できる。
モデル名 | SC-LX82 | SC-LX72 |
定格出力 | 110×7ch(8Ω) | 100×7ch(8Ω) |
最大出力 | 220W×7ch(6Ω) | |
周波数特性 | 5Hz~100kHz | |
ライン入力S/N比 | 103dB | |
HDMI | 出力×2 入力×5 | |
音声入力 | アナログステレオ(RCA)×8 アナログ7.1ch(RCA)×1 Phono(MM)×1 同軸デジタル×3 光デジタル×4 | アナログステレオ(RCA)×8 アナログ7.1ch(RCA)×1 Phono(MM)×1 同軸デジタル×2 光デジタル×4 |
映像入力 | D4×2 コンポーネント×3 S映像×5 コンポジット×5 | |
音声出力 | アナログステレオ(RCA)×4 アナログ7.1chプリアウト(RCA)×1 光デジタル×2 | |
映像出力 | D4×1 コンポーネント×2 S映像×3 コンポジット×4 | D4×1 コンポーネント×1 S映像×3 コンポジット×4 |
その他の端子 | iPod/USB(TyprA)×1 Ethernet 12Vトリガー RS232C IR入出力 | |
消費電力 | 330W (待機時消費電力0.4W) | |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 420×460×200mm | |
重量 | 18.5kg |
(2009年 9月 10日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]