ソニー、ウォークマンを一新。A/S/Eシリーズを披露
-スマートフォンに無い「専用プレーヤー」の利点を訴求
ソニーは、ウォークマンのA/S/Eシリーズを一新。15日に都内で新商品体験イベントを開催し、報道時に新製品を披露。製品戦略などについて説明が行なわれた。
発表された新ラインナップは下表の通り。各製品の詳細については個別の記事で紹介している。
発表された新ウォークマン | 手前からAシリーズ、Sシリーズ、Eシリーズ | ソニースタイルオリジナルモデル |
シリーズ | 型番 | メモリ容量 | 主な特徴 | カラー | 発売日 | 店頭予想価格 |
Aシリーズ (NW-A850) | NW-A855 | 16GB | S-Master デジタルNC ちょい聴きmora 2.8型有機EL 歌詞ピタ カラオケ | ブラック ロゼピンク ホワイト | 11月13日 | 24,000円前後 |
NW-A856 | 32GB | 30,000円前後 | ||||
NW-A857 | 64GB | ブラック ホワイト | 40,000円前後 | |||
Sシリーズ (NW-S750/NW-S750K) | NW-S754 | 8GB | デジタルNC ちょい聴きmora 2型液晶 歌詞ピタ カラオケ | ブラック ビビッドピンク バイオレット ゴールド ブルー ライトピンク グリーン ホワイト | 10月9日 | 14,000円前後 |
NW-S755 | 16GB | 17,000円前後 | ||||
NW-S756 | 32GB | 20,000円前後 | ||||
NW-S754K (スピーカー付き) | 8GB | 17,000円前後 | ||||
NW-S755K (スピーカー付き) | 16GB | 20,000円前後 | ||||
Eシリーズ (NW-E050/NW-E050K) | NW-E052 | 2GB | ちょい聴きmora 1.4型液晶 歌詞ピタ | ブラック シルバー ピンク ブルー | 10月9日 | 8,000円前後 |
NW-E053 | 4GB | 10,000円前後 | ||||
NW-E052K (スピーカー付き) | 2GB | 10,000円前後 | ||||
NW-E053K (スピーカー付き) | 4GB | 12,000円前後 |
型番 | 主な特徴 | 発売日 | 店頭予想価格 |
CMT-L7D | 9型液晶搭載 DVD再生 | 10月9日 | 50,000円前後 |
RDP-NWD300 | iFS技術で高音質化 | 10,000円前後 | |
RDP-NWSK8 | フロントカバーシート着せ替え | 20,000円前後 | |
RDP-NWR100 | 防水 | 6,000円前後 |
■ ソニースタイルで刻印サービスやイヤフォン交換サービスも
刻印サービスの例 (C)Disney (C)Disney.Based on the "Winne the Pooh" works,by A.A.Miline and E.H.Shepard |
直販サイトのソニースタイルでは、既報の通りSシリーズ/Eシリーズのオリジナルモデルも発表された。さらに、Sシリーズを対象として、本体背面へのディズニーキャラクターのデザイン刻印サービスを無料で受けることも可能。
刻印できるキャラクターは「くまのプーさん」、「ミッキー&ミニー」、「スティッチ」の3種類。全9色のSシリーズから好きな色とキャラクターを選んでサービスが受けられる。また、刻印されたキャラクターのオリジナル壁紙もプリインストールされた状態で購入できる。
そのほか、上記キャラクターがデザインされたクリアケース「RT-DSS750/PO」(プーさん)、「RT-DSS750/MM」(ミッキー&ミニー)、「RT-DSS750/ST」(スティッチ)も別売で用意。発売は9月下旬で、直販価格はそれぞれ1,680円。
Eシリーズ(ソニースタイルオリジナルモデル含む)には、各モデルの直販価格に980円を追加することで、付属イヤフォンを女性向けの「Jienne」(ジェンヌ/MDR-EX80LP/通常直販価格2,980円)に替えることが可能。また、Sシリーズは、直販価格に3,480円を追加することで、付属イヤフォンをネックストラップ型の「MDR-NWN33S」(通常直販価格6,480円)に変更できる。
フロントパネル部分のシートが着せ替え可能なドックスピーカーの「RDP-NWSK8」では、付属のグラフィックシートにミッキー&ミニーなどのキャラクターがデザインされた3モデルを9月下旬に発売する。
用意されるのは「RDP-NWSK8/PO」(プーさん)、「RDP-NWSK8/MM」(ミッキー&ミニー)、「RDP-NWSK8/ST」(スティッチ)の3モデルで、直販価格はそれぞれ19,800円。交換用シートはリバーシブルとなっている。
これらのサービスや限定モデルは、直販サイトのソニースタイルのほか、直営店のソニーストア銀座/名古屋/大阪、全国のe-sony shopで利用/購入できる。
■ 「音楽専用プレーヤー」ならではの楽しみを提供
ソニーマーケティングの中牟田寿嗣氏 |
15日に行なわれた説明会で、ソニーマーケティングのパーソナルAVマーケティング部 中牟田寿嗣部長は、これまでのウォークマンについて「1年前に行なった体験イベントでアピールした“機能そのものだけでなく、新しい音楽体験の提供”が評価された」と自信を見せる。
ソニーが“新しい音楽体験”として強調しているのは主に「歌詞ピタ」(歌詞表示機能)と、「高品質」(クリアオーディオテクノロジーなど)の2つ。中牟田氏は「歌詞表示機能は、10代の32.4%が購入重視ポイントとして挙げている。これからも若年層に新しい提案を行ないたい」とした。また、購入重視ポイントを、(他社も含めた)ポータブルオーディオプレーヤー全体と、ウォークマンで比較したデータをもとに、「ウォークマン購入時には音質やノイズキャンセリング機能が重視された」とした。
一方、「スマートフォンで音楽を聴く」というユーザーの動向についても注目しており、「スマートフォンユーザーの61%がスマートフォンで音楽を聴いている」という同社の調査を紹介。そのなかで、スマートフォンで音楽を聴く場合の不満点として上位に挙げられた「スタミナ」(バッテリ)と、「音質」、「操作性」について、音楽専用プレーヤーとしての優位性を強調した。
中牟田氏は、新しいウォークマンの強化ポイントを5つ挙げており、「高音質」についてはデジタルノイズキャンセル(NC)機能搭載モデルの拡大、「スタミナ」は最長50時間の連続再生、「操作性」は“3サークルデザイン”の全シリーズでの採用、「新しい音楽体験」は歌詞/カラオケ/ちょい聴きmora、「ドック/機器連携」では全機種WM-PORT搭載をアピールした。
ウォークマンSシリーズのユーザーが回答した購入重視ポイント。ピンクが若年層、ブルーが全世代の回答 | ウォークマンユーザーと、ポータブルオーディオプレーヤーのそれぞれの購入重視ポイント | ウォークマンが目指す「新しい音楽体験」 |
同社調査では、スマートフォンユーザーの61%がスマートフォンで音楽を聴いているという | スマートフォンで音楽を聴くことに対する不満点 | 新ウォークマンの5つの強化ポイント |
菅谷直樹氏 |
シリーズごとの訴求ポイントについては、パーソナルAVマーケティング部 パーソナルデバイスMK課の菅谷直樹氏が説明。初めて全モデルにデジタルNCを搭載したSシリーズについては、高音質と歌詞表示機能の強化(カラオケの採用)などを挙げ、新規ユーザーや若年層、20代の買い替え層をターゲットとしている。
また、前モデルの「A840」のユーザーの97%が「音質に満足している」(非常に満足64%/まあ満足33%)という結果になったAシリーズは、Sシリーズとの大きな違いである、デジタルアンプ「S-Master」や、64GBモデルの採用、2.8型有機ELで「高音質/高画質」を訴求。Sシリーズからのステップアップや、他のプレーヤーからの買い替え層を取り込むという。
Eシリーズは、エントリーモデルながら、本体を従来のスティック型からプレート型に変更し、液晶を大型化。ダイレクト録音機能も搭載したことでPCレスの利用を提案し「初めてデジタルオーディオプレーヤーに触れる層を獲得したい」とした。
なお、今回のラインナップでは、Aシリーズを最上位と位置付けており、それまで“最高峰シリーズ”としていた「Xシリーズ」の発表は無かった。Xシリーズの次期モデルについて同社は未定としている。
Sシリーズ | Aシリーズ | Eシリーズ |
「iFSテクノロジー」搭載のRDP-NWD300 |
そのほか、同日に発表されたウォークマン用ドックコンポ/スピーカーについても説明。ウォークマンに初めてスピーカー付属モデルを発売してから約2年が経ったことから「付属スピーカーで聴くユーザーが、ドックスピーカーに興味を持つタイミングになっているのでは」とし、こうしたユーザーへのステップアップを提案する。
注目モデルとして「電流駆動のiFSテクノロジーを採用したRDP-NWD300の音を体感してほしい」としたほか、女性からの要望が高かったという浴室利用が可能な防水モデルRDP-NWR100を紹介。「用途別、ライフスタイル別の提案ができるようになった。今後も潜在需要を掘り起こしたい」と意欲を見せた。
9型液晶搭載のCMT-L7D | フロントパネル部分のシートが着せ替えRDP-NWSK8 | WM-PORT搭載の他社製スピーカーも展示されていた。同じく15日に発表されたハーマンの「JBL ON STATION MICRO II WM」(写真左下)や、ロックリッジサウンドの「SG-W10」(写真中央上)など |
(2010年 9月 15日)
[AV Watch編集部 中林暁]