レクスト、ブラックウォールナット無垢材のスピーカー

-DDリニアユニット搭載の2ウェイブックシェルフ型


RQ-F7

 レクストは、ブックシェルフ型スピーカー「RQ-F7」を11月より発売。10月29日より予約受付を開始した。直販価格はペアで409,500円。

 エンクロージャにハードメイプルとブラックウォールナットの天然無垢材を使用した、2ウェイのブックシェルフ型スピーカー。ウーファユニットには、独自のチューニングを施したアルパイン製の「DDリニア」(170㎜径)を採用。音量を上げても駆動力が落ちず、信号に高速かつ正確に反応することを特徴としている。振動板は3層/有機天然ワニス仕上げで、ダブルギャザードエッジ、銅メッキ真鍮削り出しのウェーブガイド/マグネットカバーなどを採用する。

 ツイータは、リング状の振動板と、2基の異径ボイスコイルを搭載する30mm径のデュアル・エミッションツイータ。入力時の立ち上がりの早さや、余分な響きが残らない優れた過度特性を実現。球面波で音のエネルギーをより広く、遠くへ届けるという。また、ウェーブガイドやマグネットカバーなどの構造体には真鍮材を切削して搭載。銅メッキで音質をチューニングしている。

 ネットワーク部はコイルを使用しない独自構造。ウーファにはコイル/コンデンサなどのフィルタを入れず、振動特性のコントロールによりクロスオーバー付近の特性を微調整。また、ツイータは、コンデンサだけでローカットした後に振動特性をチューニング。コンデンサとアッテネータのみのシンプルなネットワーク構成により、クロスオーバー付近の音質が自然で、ストレートな再生が行なえるとしている。

 フロントバッフルには、ギターやベースのボディに使われるハードメイプル材を採用。左右のハードメイプルは、同じ一枚板から切り出すことで、振動モードをマッチングさせている。ハードメイプルのバッフルに固定されているのはウーファユニットのみで、ツイータはブラックウォールナットの第2バッフルに固定。ウーファとツイータの振動干渉を防いでいる。また、第2バッフルにはウーファの動作気流を妨げないよう配慮した開口加工を施している。

 メインのエンクロージャーには、15mm厚一枚板のブラックウォールナット無垢材を使用。約60㎜の両耳付きブラックウォールナットを三等分にスライスし、15mm厚一枚板が製材される。側板は内部構造材を兼ねているため、最大30mmの厚板を使用する。

 エンクロージャ背面には、スリット型のダクトを設け、後方に流れる背圧を放出。段差のある側板内部構造と、ウール85%の吸音材、空気抵抗の大きいスリットの効果により「一般的なバスレフのようなダクト共鳴による増強に頼らず、鮮明な低音が得られる」としており、「強い音のときはエアスリットが大きな抵抗となり密閉型に近づき、弱い音のときはエアスリットは空気を逃がすダクトへと変化。音楽に合わせて呼吸するエンクロージャ」だという。

 再生周波数帯域は45Hz~60kHz、出力音圧レベルは86dB、クロスオーバー周波数は8.7kHz。インピーダンスは6Ω。外形寸法は230×200×356mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6.2kg。

 なお、11月7日には名古屋の同社試聴室において発売記念の試聴イベントを実施。入場は自由だが、21名までの予約優先席を用意している。詳細は同社イベントページで案内している。



(2010年 10月 29日)

[AV Watch編集部 中林暁]