ビクター、“瞬間を切り撮る”新機軸カメラ「GC-PX1」

-1080/60pで撮影後に切り出し。秒間60コマ静止画も


HDハイブリッドカメラ「GC-PX1」

 日本ビクターは、1,920×1,080ドット/60pの動画撮影や、高速静止画連写、ハイスピード撮影などが可能で、「瞬間を切り“撮る”」ための性能を備えたHDハイブリッドカメラ「GC-PX1」を2月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円前後。32GBのメモリを内蔵し、SD/SDHC/SDXC対応のカードスロットも備える。

 次世代HDカメラ用技術として開発されたプロセッサ(LSI)、「FALCONBRID」(ファルコンブリッド)を搭載した新コンセプトのカメラ。「“瞬間”を逃さず撮影する」事をコンセプトにしており、「決定的瞬間を切り“撮る”」機能や、「瞬間をまるごと記録」する機能を搭載している。

 動画/静止画の両方に対応した製品だが、デザインはスチルカメラに近い。これは「時間の流れをある区間、まるごと撮影し、そこから切り出すような使い方をする場合は、機能性のある形として、スチルカメラのスタイルが理にかなっていたため」だという。


外観的にはデジタルカメラのフォルムに近いホールドしたところ側面。電源ボタンやフォーカス、モードダイヤルなどを備えるほか、下部にHDMIミニ出力やUSB端子を備えている

 映像面では1,920×1,080ドット/60pの、プログレッシブ方式での撮影が可能。ビットレートも36Mbpsと高く、高画質な動画が撮影できるほか、プログレッシブ方式であるため、インターレースと比べて撮影後に静止画(1,920×1,080ドット)を切り出した際の、画像のクオリティが高い。そのため、逃したくない瞬間を含めた時間のある区間を“まるごと撮影”し、決定的瞬間の静止画を高画質で得るといった使い方も提案されている。

従来機種の1080i撮影動画から1枚の静止画を切り出し、テレビに表示したところ1080pの動画から切り出したもの。ビットレートの違いもあるが、羽の部分などのディテールを比べると画質の違いがわかる

 フォーマットはH.264/MPEG-4 AVCのMP4で、60p/36Mbpsという仕様のため、AVCHDの仕様からは外れる独自仕様となる。カメラにHDMIミニ出力を備えており、対応するテレビに1080/60pでの出力が可能。なお、カメラ本体でトリミング編集が可能で、付属PC用ソフトにも編集機能が用意されているが、編集後の動画をカメラに戻しての再生はサポートしていない。

 ビットレートはフルHDの場合36Mbpsと24Mbpsが選択可能。720/60pの12Mbpsモードも用意するほか、iFrameモード(24Mbps)も用意する。また、フルHD/60pでの動画撮影中に576万画素(3,200×1,800ドット)の静止画同時撮影も可能。

 300fpsのハイスピード撮影にも対応。「FALCONBRID」の性能を活かし、同モードで2時間の連続撮影が可能。スポーツなどの、一瞬の決定的瞬間も逃さず撮影できるという。なお、300fps時の撮影方式は640×360ドット/60pで、音声は記録されない。


最速60コマ/秒の連写で決定的瞬間を撮影

 静止画撮影では570万画素の場合、最速で60コマ/秒の連写が、最大144枚撮影可能。撮影時間にすると、2.4秒間連写ができる。1,000万画素の場合は秒間30コマで、3.4秒間連写可能。32GBの大容量内蔵メモリを活かし、1,000万画素の静止画を8,600枚保存できるのも特徴。

 微速度撮影の「タイムラプス撮影」も可能で、雲の動きや花の開花など、ゆっくりと変化していく撮影対象を、時間を圧縮したような短時間で再生する動画が撮影できる。この場合の撮影動画も1,920×1,080/60pでの記録となる。

 撮像素子は1/2.3型の1,062万画素で、裏面照射型のB.S.I. CMOSセンサーを採用。静止画撮影ではISO 6400まで設定できる。レンズはコニカミノルタ製HDレンズで光学10倍ズーム。3枚の非球面レンズを採用した8群11枚。絞り羽根は2枚。焦点距離は35mm換算で動画時が47.9~479mm(1080/60p)、静止画時は38.5~385mm。F値はF 2.8~4.5。アクティブモード搭載の光学式手ブレ補正システムも備えている。

上から見たところレンズはコニカミノルタ製HDレンズで光学10倍ズーム裏面。三脚穴も備えている
SD/SDHC/SDXC対応のカードスロットを装備背面のズームレバーや録画ボタン

 液晶モニタは3型で、23万画素。チルト機構を備え、跳ね上げるように開く事が可能だが、回転はしない。メモリーカードはSD/SDHC/SDXC対応で、Eye-Fiにも対応。PCとはUSB 2.0で接続。HDMI出力も備えている。音声はAACのステレオで録音。K2テクノロジーも採用している。

 バッテリはリチウムイオンで「BN-VF815」が付属。実撮影時間は約1時間10分で、連続撮影時間は2時間20分。外形寸法は、131×122×67mm(幅×奥行き×高さ)、重量は430g。バッテリを含む撮影時重量は約515g。

液晶モニタは3型で、23万画素跳ね上げるように開くことができる
完全に上に跳ね上げたところ正面からも液晶が確認できる
付属ソフトはLoiloScope FX

 付属ソフトはLoiloScope FX。動画編集や特殊効果の付与ができるほか、iTunesへの書き出し、iPad用への変換、DVD作成ソフトへの書き出しが可能。YouTubeへの5ステップアップロードや、Facebookへのアップロードにも対応する。

 なお、2月9日~12日(9日の午前中はプレス向け公開)に、パシフィコ横浜で開催されるカメラ関連イベント「CP+」で、製品を展示予定。「GC-PX1」だけでなく、3D撮影に対応した「Everio GS-TD1」など、新製品も用意される。



(2011年 2月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]