2010年の家電市場は1兆円増の9兆5,000億円規模に

　ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は16日、薄型テレビやBDレコーダなどを含む、2010年の家電/IT小売市場の販売動向調査結果を発表した。

　2010年の家電小売市場規模は、エコポイント制度変更前の駆け込み需要や猛暑によるエアコン販売の拡大などにより、前年から約1兆円拡大し、9兆5,000億円程度になった。販売チャネル別では、家電量販店が前年比15%増となったほか、インターネット通販も同26%増。特にエコポイント半減直前の駆け込み需要の影響は大きく、家電量販店の11月売上高は前年同期比87%となった。分野別では、薄型テレビなどを含むビジュアル分類の割合が急増。家電量販店における下半期の構成比は4割弱を占めている。

　薄型テレビについては、エコポイント制度を追い風に数量前年比91%増の2,644万台と大幅増。前年比で約2倍で、国内テレビ市場は過去最大規模となった。特に12月のエコポイント半減を目前にした10月は前年比216%増、11月は同411%増と過去に例のない伸びを記録した。画面サイズの動向では、寝室などの2台目、3台目需要が増えており、32型や19～22型などの中小型画面が伸長している。

　DVD/Blu-ray(レコーダ/プレーヤー)も、テレビの販売増やデジタル放送移行などにより、販売が伸長。前年比16%増の901万台となった。レコーダにおけるBDの割合は8割弱で、数量は457万台。DVDとの価格差縮小やモデル増などでBDの普及が加速した。プレーヤー市場においても、BDへの移行が進展し、数量前年比101%増となった。BDレコーダにおける3D搭載機の数量構成比は、通年で16.9%、12月は55.7%に達した。

　携帯電話は、スマートフォンが市場を下支えし、3年振りにプラス成長。数量前年比0.6%増の3,440万台となった。スマートフォンは数量前年比149%増で、数量構成比は前年の8%から20%まで増加した。Android搭載モデルは、スマートフォン市場における構成比で2009年の2%から26%まで拡大。12月単月では62%に達している。通常の携帯電話は数量前年比12%減。冷蔵庫は前年比15%増の527万台、洗濯機は同9%増の493万台で、エコポイント制度などが寄与し、前年を上回っている。

　パソコンは、数量前年比6%増の1,450万台。リテール市場は、前年比3%増の633万台で、ネットブックが半減し、ディスプレイ一体型やスタンダードなノートPCが増えたことから、金額前年比も3%増になった。PCディスプレイは、前年比3%増の395万台。リテール市場は数量前年比8%減の97万台で、21型と23型が約半数を占めた。

　デジタルカメラは、数量前年比11%増の1,067万台。レンズ交換式カメラは前年比23%増と好調で、なかでもミラーレスカメラは同171%増となった。レンズ交換式カメラにおける、ミラーレスの数量構成比は24%。コンパクトカメラは数量が前年比10%増となったが、価格下落により金額では前年比11%減となった。平均価格は前年比20%減の19,800円。