地デジ駆け込みで、チューナが前年14倍超の売上

-BCN発表。TV/レコーダ伸張も、品薄が響く


薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同期比と平均単価
(出典:BCN)

 BCNは、7月24日を含む7月第3週(18~24日)の、テレビやデジタルチューナ、レコーダの販売動向を発表。前年同週比で、テレビが218.7%、チューナが717.4%、レコーダが285.6%と、売り上げを大きく伸ばした事がわかった。しかし、7月に入って品薄になった製品も多く、地デジ化特需最終盤のピークは7月初旬だったという。

 この市場分析は、家電量販店など全国23社のPOSデータを集計した、BCNのデータをもとに行なっている。

 それによれば、地デジ化特需の最終局面に突入したのは6月で、特に薄型テレビは6月第1週(6月6日~12日)で、前年同週比で256.6%と、前年の倍以上の売れ行きを達成。6月最終週(6月27日~7月3日)には同283.3%とピークになったという。しかし、7月に入ると徐々に品薄状態が広がり、売り上げが鈍化。地デジ化当日の24日を含む7月第3週(18~24日)では、同218.7%となった。

 一方、サブテレビや安価なテレビを求める動きを受け、急激に小型テレビの販売台数構成比が上昇。30型未満の製品が7月第3週で53.4%となり、2007年3月第4週以来225週ぶりに半数を超えた。

 地上デジタルチューナは7月第1週(4~10日)に、前年同週比1,430.1%と、14倍超の売り上げを記録。品薄状態となり、7月第3週の売り上げは同717.4%まで鈍化。さらに、低価格モデルが軒並み売り切れた結果、6月最終週には税抜き4,900円だった平均単価も、7月第3週には6,800円と約1.4倍に上昇した。

地デジチューナの販売台数・金額前年同月比と平均単価(出典:BCN)レコーダの販売台数・金額前年同期比と平均単価
(出典:BCN)

 レコーダは6月第1週から販売台数の前年同月比が安定的に200%を超え、ピークは7月第1週の同296.1%。地デジ化直前の7月第3週でも勢いは大きく鈍化せず、同285.6%と高い水準を維持している。

 こうした状況を踏まえ、BCNでは「アナログ停波という大きな節目は通過したものの、依然として地デジ対応していない世帯もあり、サブテレビのデジタル対応が済んでいないところも多い。8月中旬から9月あたりまでは、地デジへの移行に伴う需要は鈍化しながら継続する」と見ている。


(2011年 7月 25日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]