日立、物体に3D映像を重ねて表示する裸眼立体映像技術

-様々な角度から視聴可能。物体を動かすと映像も変化


実際の物体(左)と、物体に立体映像を重ねたもの(右)

 日立製作所は、24台のプロジェクタやレンズなどを使って実際の物体と立体映像を重ねて表示する立体映像表示技術を開発したと発表した。

 この技術は、実際の物体と立体映像を重ねて表示でき、広い視野で3D映像を観られるため、複数の人が3Dメガネ無しで様々な角度から同時に鑑賞できることが特徴。デジタルサイネージ(電子看板)やエンターテインメント用途のほか、製造業/医療における技能訓練といった幅広い分野に活用できるとしている。

開発された立体映像技術のシステム構成

 24台のプロジェクタと、組み合わせた複数枚のレンズによって自然な映像をディスプレイ上に表示する「フルパララックス3Dディスプレイ」技術を応用。2010年のCEATEC JAPANで同社が出展したものに比べ、奥行き解像度を1.6倍に向上。自然な立体表現が行なえるという。

 組み合わせた複数枚のレンズと半透明のハーフミラーを用いて、24台のプロジェクタによる映像情報を水平60度、垂直30度の広い視野で閲覧が可能な立体映像を実空間に表示。ハーフミラーを介して立体映像を表示させ、実際の物体の位置に合成する。

 物体を移動/回転すると、カメラセンサーで物体の位置と角度を認識して立体映像も物体に追従。物体を動かして斜めから見る、といった見方ができ、より実物に近い映像表現が可能になる。

 開発された技術は、10月4日から8日まで幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2011」に出展される。

物体の位置/角度に合わせて立体映像も変化


(2011年 9月 30日)

[AV Watch編集部 中林暁]