フォステクス、純マグネシウム採用スピーカー2機種
-「GX102MA/103MA」。ウーファ駆動力も向上
ブックシェルフタイプ「GX102MA」のワインレッド |
フォステクス カンパニーは、ツイータに純マグネシウム振動板とネオジムマグネットを使った、新スピーカーとして、ブックシェルフタイプの「GX102MA」と、トールボーイタイプの「GX103MA」を7月末に発売する。1本あたりの価格は、「GX102MA」が99,750円、「GX103MA」が194,250円。
それぞれ、GX102/GX103のモデルチェンジ。カラーはどちらもワインレッド、ダークブラウンを用意する。「GX102MA」は、ツイータ1基とウーファ2基の2ウェイ3スピーカーで、バーチカルツインタイプ。「GX103MA」は、ツイータ1基とウーファ2基、ボトムウーファ1基の3ウェイ4スピーカー。
トールボーイタイプ「GX103MA」のワインレッド |
ツィータは2機種共通で、口径は20mm。従来のマグネシウム合金振動板から、純マグネシウム振動板に変更。G2000やGX100MAでも採用している純マグネシウム(純度99.9%)は、比重が軽く内部損失が大きい、振動板に適した素材。さらに、分割振動を分散するリッジドーム形状で振動板にしている。磁気回路は、従来から採用しているリング型ネオジウムマグネット(2枚使用)。この新ツイータにより、「女性ボーカルのしっとりとした歌声や、明瞭で豊富な倍音のバイオリンの響きが楽しめる」という。
ウーファは10cm径で、振動板はアルミニウム合金のHRコーンを採用。HR形状にすることで、分割振動を分散し、鳴きを低減。金属振動板の高剛性、高伝搬速度などが活かせるという。GX100MAのウーファと比べ、駆動力を40%以上向上させている。
筐体は、手塗りの工程を経て作られるピアノ光沢塗装仕上げ。使われている音響専用CE合板(楠・ユーカリ)は、G2000で開発した強度と密度の異なる2種類の材料を貼り合せたもので、響きの良さが特徴。バッフルと天地左右はCE合板、裏板はMDF。グリルネットは磁力吸着式。さらに、ツィータの振動板を守る防護用プロテクタも磁気回路の磁力で吸着させるタイプになっている。
「GX103MA」のダークブラウン | 「GX103MA」にグリルネットを付けたところ |
「GX102MA」のダークブラウン | 「GX102MA」にグリルネットを付けたところ |
2機種とも、ウーファの背面にあたる部分に、ツインセルダクトを設けている。GX103MAではスタガードバスレフ方式と組み合わせ、量感や躍動感を向上させたという。
GX103MAの筐体は、ボトムウーファ専用ユニット/専用ボックスを設けることで、豊かな低音と中低音の再生を可能にしている。また、GX102MAは、「再生限界周波数を下げる事よりも、ボーカルや楽器の基音帯域の充実を目指した」という音作りになっているという。なお、GX102AMAは、G2000などと組み合わせ、センタースピーカーとしても使用できる。
両モデルとも、Gシリーズと同様にMIDコントローラーを搭載。1.6kHz~6kHzを+1dB~-2dBの範囲で微調整できる機能で、コントローラーを流れる信号はツィータには流れない回路構成になっており、音質劣化もほとんどないという。
2基のウーファそれぞれに独立したコンデンサ/コイルを使い、濁りの原因となるネットワーク素子を介しての電気的相互干渉を排除。内部配線には銅・銀合金同芯撚り線(GX100MA/GX102MA)、又はOFC同芯撚り線(GX103MA)を使用。接点は金メッキスリーブによるカシメ接続としている。スピーカーターミナルは銅削り出し金メッキ仕様。
その他の仕様は、以下の通り。
モデル名 | GX102MA | GX103MA |
仕様 | 2ウェイ3スピーカー ブックシェルフ (センター使用可能) | 3ウェイ4スピーカー トールボーイ |
ツイータ | 20mm径純マグネシウム リッジドーム形状×1 | |
ウーファ | 10cmアルミニウム合金 HR形状振動板ウーファ×2 | 10cmアルミニウム合金 HR形状振動板ウーファ×2 10cmアルミニウム合金 HR形状振動板ボトムウーファ×1 |
再生周波数帯域 | 55Hz~45kHz(-10dB) | 40Hz~45kHz(-10dB) |
クロスオーバー 周波数 | 1.8kHz | 1.8kHz/150Hz |
インピーダンス | 6Ω | |
最大許容入力 | 100W | |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) (グリル含む) | 161×268×413mm | 228×285×1,034mm |
重量 | 11kg | 24.2kg |
(2012年 6月 12日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]