TBSラジオ、配信向け音源に高音質化技術「netK2」採用

-「らじこん」や「BLITZ T2D」に


 TBSラジオ&コミュニケーションズは、JVCケンウッドとビクターエンターテインメントによる圧縮音源高音質技術を採用した「TBS RADIO HD ENCORDER」を開発、運用開始した。

 同エンコーダは、TBSラジオの有料音声配信サイト「らじこん」と、TBSテレビ、TBSラジオが運営するライブ音源の即日販売サービス「BLITZ T2D」で利用される。

netK2処理の概要。TBS RADIO HD ENCODERではプリ処理を実施

 「netK2」は、JVCケンウッドなどが開発した圧縮音源向けの高音質化技術。コンテンツ配信事業者側がオリジナル音源の圧縮時に高音質化処理を行なう「net K2 プリ処理」技術と、圧縮音楽の再生時にユーザーが所有する機器側で高音質化処理を行なう「net K2 ポスト処理」技術の2つがあるが、このうちプリ処理技術を「らじこん」に正式採用。圧縮時に失われてしまう音楽情報をあらかじめ生成しオリジナル音源に付加し、オリジナルに近い音質での配信を実現する。

 TBS RADIO HD ENCODERに、サンプリング周波数、ビットレート、フォーマットなどを設定したパラメータファイルとWAVファイルを投入することで、独自のアルゴリズムを使って、エンコード後の音質を想定したそれぞれのフォーマット用WAVファイルを作成。その後、WMAやMP3などのフォーマットにエンコードする。このnetK2プリ処理により、高域や可聴範囲外の音声など、圧縮で欠落する情報を付加した圧縮ファイルが作成できるという。

 すでにシステム開発途中からエンコードを行なっているため、500を超えるコンテンツで対応。今後も高音質化を推進していくという。



(2012年 7月 3日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]