ソニー、TVチューナ搭載の液晶一体型VAIO「Lシリーズ」
新VAIOは「タッチ対応」と、nasneなど「機器連携」強化
VAIO Lシリーズ |
ソニーは、VAIOの2012年秋モデルを発表。デスクトップPCでは、液晶一体型でテレビチューナ搭載の「Lシリーズ」を10月26日より順次発売する。
価格はオープンプライスで、店頭予想価格はグラスレス3D(裸眼3D)にも対応する最上位モデル「SVL24129CJB」が24万円前後、「SVL24128CJW・B」(ホワイト/ブラック)が21万円前後、「SVL24126CJWI・B」(ホワイト/ブラック)が17万円前後。
液晶テレビBRAVIAの高画質回路「X-Reality」を搭載するほか、パソコンを起動せずに単体のテレビとしても利用できる「スグつくTV」機能も搭載する。現行モデル「SVL24119」などはHDDが2TBだったが、新モデルの「SVL24129CJB」と「SVL24128CJW・B」は3TBに強化。また、これら2モデルは現行機種に比べCPUを強化した。OSはWindows 8(64bit)を採用した。
なお、VAIO秋モデルでは11.6型のモバイルノートPCで、タッチ操作の「タブレットモード」も可能な「Duo 11」や、“テーブルトップPC”の20型「Tap 20」もラインナップ。これらの機種については別記事で紹介している。そのほかにも、Ultrabookの「Tシリーズ」や、15.5型「Sシリーズ」、14型「Eシリーズ」をラインナップする。
VAIO共通のソフトウェアとして、SCEのネットワークレコーダ「nasne」(別売)とホームネットワーク経由で接続し、nasneの操作や録画した番組を視聴できる「VAIO TV with nasne」のアップデートを11月上旬に行なう予定であることなども明らかにした。
■ Wチューナと「スグつくTV」搭載のLシリーズ。Giga Pocketは機能がシンプルに
タッチ操作に対応 |
24型/1,920×1,080ドット液晶一体型のモデル。上位2機種はタッチパネル対応で、最上位のSVL24129のみグラスレス3Dに対応するほか、NVIDIA GT 640M GPUも搭載する。
いずれも地上/BS/110度ダブルチューナを搭載するほか、PCを起動せずに使える「スグつくTV」用の地デジチューナ(シングル)も採用する。
視聴/録画ソフトのGiga Pocket Digitalは、Windows 8のデスクトップアプリとして対応。機能のシンプル化を図っており、「おまかせ・まる録」は引き続き搭載するが、おすすめ番組の録画設定や、お好み学習エンジン「VoyAgent」などを省いた。また、Media Galleyの非搭載により、連携機能も備えていない。
付属リモコン。中央に「VAIOボタン」を備える |
CPUとメモリは上位2モデルが、Core i7 3630QM(2.40GHz)、8GB、下位モデルのSLV24126がCore i5 3210M(2.50GHz)、4GB。HDDは上位2モデルが3TB、下位1モデルが2TB。BDXL対応のスロットイン型Blu-rayドライブやIEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 4.0なども搭載する。HDMI出力は1系統。音質面では、S-Masterデジタルアンプや、クリアフェイズ、S-Forceフロントサラウンド3Dを搭載する。
付属リモコンは、Windows 8からMedia Centerが無くなることに合わせて、従来のマイクロソフトアイコンのボタンを、VAIOボタンに変更。これを押すと、キーボードのVAIOボタンを押した時と同じ動作になる。
■ VAIO TV with nasneや音楽/動画ソフトなどを強化
SCEのネットワーク対応レコーダ「nasne」と連携するソフト「VAIO TV with nasne」もダウンロード提供。これまではベータ版だったが、11月上旬にアップデート予定。新たにhome画面が利用できるなどの機能強化を行なう。アップデート内容の詳細は別記事で掲載している。
そのほかにも、Windows 8に合わせて、VAIO用ソフトを強化。ショートムービー作成の「VAIO Movie Creator」や、音楽プレーヤーの「ミュージックアプリケーション」、フォト/ビデオプレーヤーの「アルバムアプリケーション」、SNS用の「Socialife」をダウンロード提供する。
VAIO Movie Creatorは、タッチ操作でショートムービーを作成可能。従来のPlayMemories Home用のショートムービー作成も行なえる。12音解析機能に基づいたBGMの自動配置や、顔認識による画像配置なども可能。フルHDのAVCHD動画や、MPEG-4 MVCの3Dコンテンツもサポート。2D-3D変換にも対応する(立体視には別売の3Dパネルが必要)。再生ソフトの「ミュージックアプリケーション」と「アルバムアプリケーション」は、Xperia Tabletと共通の画面デザインや操作感を実現した。
■ 「タッチ対応」と「他機器連携」をVAIOの2本柱に
業務執行役員 SVP VAIO & Mobile事業本部の赤羽良介本部長 |
ソニーの業務執行役員 SVP VAIO & Mobile事業本部の赤羽良介本部長は、VAIO秋モデルの戦略として2つの柱を掲げた。
一つはタッチ対応モデルのラインナップ強化。今回発表された11.6型モバイルの「Duo 11」や20型「Tap 20」、前述の「Lシリーズ」に加え、A4ノートPCの「Eシリーズ」、Ultrabookの「Tシリーズ」を含む、5シリーズをタッチ対応としたことを紹介。Windows 8対応に合わせて、タッチ操作を活かした新コンセプトモデルとしてDuo 11やTap 20を投入する。
もう一つは他のソニー製機器やサービスとの連携機能で、具体例として、今後Duo 11やTap 20で実現予定とするXperiaとのNFC連携を紹介。NFC連携により、従来の煩雑な操作を必要とせず、簡単にXperiaの音楽の続きをVAIOで聴けることなどをアピールした。また、nasneと連携したテレビ視聴機能にも触れ、テレビチューナ非搭載モデルでも、ネットワーク経由で番組視聴が可能になることなどを紹介した。
「我々は、これらの新しい商品と共に、新しい体験をお届けしたい。感動を提供し、好奇心を刺激することがソニーの使命。VAIOは“よく学び、よく働き、よく遊べ”を実行する人のための最高のパートナーであり続けたいと願っている」とした。
ノートPC/タブレット市場の台数推移と今後の予測 | VAIO商品戦略の2つの柱 | 新シリーズだけでなく、従来シリーズもタッチ対応に |
NFC対応によりワンタッチでXperiaと連携可能になる点をアピール | nasneとの連携でチューナ非搭載モデルでもテレビ視聴が可能に |
(2012年 10月 1日)
[AV Watch編集部 中林暁]