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ティアック、デジタル一眼動画撮影用の4ch PCMレコーダ

ミキサー搭載のTASCAM「DR-60D」。実売5万円

DR-60D

 ティアックは、TASCAMブランドの新製品として、デジタル一眼レフカメラの動画撮影時に利用する4トラックのリニアPCMレコーダ/ミキサー「DR-60D」を4月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。

 デジタル一眼レフカメラなどで動画撮影をする際に、より高音質な録音を可能にするリニアPCMレコーダ。「プロモーションビデオやドラマ収録などのDSLR撮影において、高音質と高い利便性を提供する」としている。カメラと三脚の間にネジで固定して利用。マイクは内蔵せず、マイク入力端子はXLR/TRS(入力1/2)とステレオミニ(入力3/4)を装備。4入力/2出力のミキサーを内蔵し、ミキサーのみの使用も可能となっている。

 デジタルカメラ撮影に特化した機能を装備。動画ファイルとの位置合わせを行なうためのスレートトーンジェネレーターは、ボタンを押しての発音だけでなく、オートトーン機能によって操作音を気にせず記録することもできる。DR-60Dとカメラでの同時記録を可能にするCAMERA OUT端子や、カメラの音声をDR-60D経由でモニターできるCAMERA IN端子も備える。

 プリアンプには等価入力雑音-120dBuのHDDA(High Definition Discrete Architecture)回路を搭載。4系統のマイク入力は、それぞれ独立した録音レベル調整が行なえる。XLR/TRS入力は+4dBuラインレベル/ファントム電源(24/48V)に対応。ステレオミニ入力はプラグインパワーマイクや高出力マイクにも対応する。

 録音モードはMONO、STEREO、DUAL MONO、DUAL STEREO、4CHの5種類。フォーマットはWAV/BWFで、16/24bit、44.1/48/96kHzで記録できる。記録メディアは別売SD/SDHCカード(最大32GB)を使用する。

 異なるレベルで2系統の同時録音を行なえるデュアルレック機能や、音声のレベルを感知して自動で録音開始/終了するオートレック機能、録音開始操作前の音を録音できるプリレック機能、セルフタイマーレコーディング機能も備える。あらかじめ設定した最大ファイルサイズに達すると、新たなファイルを作成して継続録音が可能。録音中に、任意の位置でファイルを更新できるトラックインクリメント機能も利用できる。

 ミキサー機能により、パン/レベル調整が可能。4chをミックスして出力できる。また、3段階のローカットフィルタ(40/80/120Hz)も備える。過大入力を自動で調整するリミッターも備え、入力1/2ではステレオリンクも可能。マイク間の距離補正ができるディレイ機能(±150ms)も備える。

 ライン出力とヘッドフォン端子は独立して配置。ヘッドフォン出力は最大50mW×2ch。バックライト付き/128×64ドットの液晶モニタを備える。パソコンとの接続はUSB 2.0で行なう。対応OSはWindows XP/Vista/7/8とMac OS X 10.2以降。

側面
底面
背面

 電源は単3電池4本または別売バッテリパック「BP-6AA」(5,250円)、別売ACアダプタ(3,150円)、USBバスパワーに対応。バッテリ使用時の連続動作時間は、アルカリ電池(EVOLTA)の場合は約2時間30分(ファントム電源未使用時は約4時間30分)、ニッケル水素充電池(eneloop pro)では約3時間45分(同約6時間)。電池とバッテリパックを同時利用することも可能で、eneloop proとバッテリパックの併用時は約9時間30分(同約14時間30分)使用できる。

 筐体素材はプラスチックで、重量は510g。リブ構造を採用することで強度を高めている。本体の横幅は、一般的な一眼レフデジタルカメラと同等とする133mm。カメラや雲台に装着したまま電池交換が可能。操作面の保護とショルダーベルト取り付け機能を兼ねたハンドルを前面左右に装備する。外形寸法は133×78×93.2mm(幅×奥行き×高さ)。

(中林暁)