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【ヘッドフォン】「Fitear Parterre」や、ラディウスの高域補間対応ポタアンなど
(2013/5/11 22:18)
5月11日に東京・青山の「スタジアムプレイス青山」で開催された「春のヘッドフォン祭 2013」から、須山歯研、ラディウス、Ultimate Ears、ミックスウェーブなどのブースをレポートする。
須山歯研
FitEarブランドの新イヤフォンとして、カスタムイヤフォンのユニバーサルモデル(耳型を採らないモデル)第3弾「Fitear Parterre(パルテール)」を発表した。同日より会場内で販売も行ない、会場限定特価は79,800円だった。
バランスド・アーマチュア型のマルチドライバ搭載で、「担当する周波数レンジを完全に独立させるアコースティックフィルタ&ネットワークにより、澱みの無いピュアで伸びやかな音質を実現する」という。ケーブルは着脱式。
現時点では詳細な仕様を公表せず「スペックにとらわれず、まずはヘッドフォン祭の会場で聴いてみてほしい」としており、詳細は後日同社サイトで案内する予定。音の特徴については「ボーカルの息づかいやドラムヘッドの鳴り、ヴァイオリンやコントラバスの指づかいといったディテールの描写とともに演奏会場の空気感を再現する」としている。
ラディウス
秋のヘッドフォン祭 2013でも出展しており、価格/発売日ともに未定としていた、開発中のヘッドフォンアンプ2機種を展示。秋に展示していたものから、更に音質チューニングを行なっているという。価格は、据え置き型の「HP-SAF11K」が5万円前後、ポータブルの「HP-PAF11K」が14,800円前後を見込んでおり、ポータブルは9月の発売を予定している。
いずれも、新日本無線のオーディオプロセッサIC「NJM2707」を搭載し、圧縮音源で失われる高域の補間を行なえることが特徴となっている。据え置き型の「HP-SAF11K」は、オペアンプに「MUSES8920」を使用。LRの分離構造などで高音質化を図っている。
ポータブル「HP-PAF11K」のアンプICは「NJU72801」を使用。独自の電源技術により、低音再生を妨げるという出力コンデンサを排除したことも特徴。筐体上下をアルミで挟み込んでおり、シールドとして機能するほか、鏡面仕上げとして高級感も持たせている。バッテリを内蔵し、連続使用時間は約20時間。外形寸法は77×54×17mm(縦×横×厚さ)、重量は62g。ヘッドフォンの推奨インピーダンスは16~32Ω。
カナルワークス
ヘッドフォン祭開催日の11日より発売を開始した、カスタムBAイヤフォンの新機種「CW-L12」(2ウェイ2ドライバ)と、「CW-L51a」(3ウェイ6ドライバ)を出展。いずれも、小型になった新しいコネクタ/ケーブルを採用し、ケーブル交換にも対応する。
CW-L12(64,800円/耳型採取費用別)は、ネットワーク回路をドライバ一体型にすることでコンパクトにしたモデル。音の傾向は「キレのある低音と張りの有る高音でロックやポップをエキサイティングに楽しめる」としている。
CW-L51a(109,800円/耳型採取費用別)は、低域、中域、高域の各帯域それぞれに2基のBAユニットを搭載。既発売の「CW-L51」のマイナーチェンジモデルで、CW-L51のワイドレンジでパワフルなサウンドを維持しながら、マルチウェイのつながりをよりスムーズにしたという。
Ultimate Ears
3月より発売された、バランスド・アーマチューア(BA)ドライバ4基内蔵のカナル型(耳栓型)イヤフォン「UE 900」や、ヘッドフォン「UE 9000」を展示。いずれもオープンプライスで、実売価格は39,800円前後。
UE 900は、BAユニットを左右4基ずつ搭載し、ウーファ×2とミッドレンジ×1、ツイータ×1で、低、中、高周波数を独立して駆動。3ウェイのクロスオーバーも備える。
UE 9000は、Bluetooth対応のヘッドフォン。ケーブルは着脱式で、付属のマイクリモコン付きケーブルを用いて有線接続する事もできる。NC機能も備える。イヤーパッドは形状記憶型で、ハウジングを回転でき、快適な装着ができるという点も特徴。
ミックスウェーブ
米CEntranceの新製品として、同社初のポータブルUSB DAC/アンプである「HiFi-M8」を展示。2月のイベント「「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研)」にも出展されていたが、同会場での要望などを反映して、完成版に近づけたという。出力端子が異なる3モデルを用意し、6月より発売。価格はいずれも8~9万円前後。
24bit/192kHz対応のUSB DAC/アンプ。出力端子は、XLRアンバランスのモデルと、4ピンのバランス端子を備えたモデルをラインナップする。本体にバッテリも内蔵。連続約6時間の使用ができる。低域/高域ブーストなどのイコライジング機能も備える。
台湾Mhdt Laboratory製のUSB DDC「USBridge」は、DAC機能を追加して新モデルとして発売。6月末の発売予定で、価格は3万円前後。
また、純銅/銀メッキ導体を採用したALO AudioのUSBケーブルも同時期に発売予定。こちらは25,000円前後の見込み。会場ではこのケーブルを上記のUSBridgeに接続して、試聴デモを行なっていた。
そのほか、Beat Audio製の純銀導体イヤフォンケーブル「Oslo II」も出展。Shure SE 535用やゼンハイザーのIE 80用などを用意する。
トップウイング/zionote
トップウイング/zionoteのブースでは、発表前の新製品として韓国Smart Audio製のUSB DAC「SmartDAC/LE」を展示。USB入力と、RCAライン/光デジタル出力を備え、DDCとしても利用できる。USB入力を2系統備える点も特徴で、2つのUSB機器を(PC側で)切り替えて利用することもできる。オペアンプの交換も可能。
同じくSmart Audio製のハイエンドUSB DAC/DDCも参考展示。秋ごろの発売を目指し、価格は20万円前後。入力はUSBと同軸デジタル、AES/EBU、出力は同軸デジタル、アンバランス(RCA)、バランス(XLR)を備える。見た目よりもかなり重量な金属筐体も特徴。
32bit/384kHzまで対応するM2TECH製のUSB DAC「hiFaceDAC」を5月15日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は34,800円。筐体カラーはオレンジ。
イヤフォンでは、EXSブランドのデュアルBAドライバ搭載「X20」を展示。5月末~6月の発売で、価格は25,000円前後。同じくEXSのBAシングルモデル「X15」は1万円前後。
また、iPhoneなどスマートフォン用にチューニングしたというダイナミック型のイヤフォンも展示。ヘッドフォンアンプなどを介さず、スマートフォンへの直挿しを想定している。UBIQUOブランドを展開する韓国UCOTECHが、社名をブランドとしたUCOTECHブランドとして展開する見込み。会場には4種類の異なる音質のモデルを展示しており、そこから好評なものを製品として採用するという。夏ごろの発売をめざし、価格は3,000円前後を予定。
BA + ダイナミックで約3万円のカナルなど
ECスタイルのブースでは、台湾Top Sound製のカナル型イヤフォン「DUNU」シリーズを展示。発売前の製品として、BA 2基とダイナミック型のハイブリッドドライバを採用するモデルを展示していた。高域用に2つのBAユニットと、フルレンジのダイナミック型ユニットを搭載。価格は3万円を予定している。試作機は亜鉛合金のハウジングだが、製品版ではステンレスとアルミを使用する見込み。
ダイナミック型モデルも3製品展示。ユニット径10mmモデルが「DN-25」と「DN-23」、9mmユニットの「DN-22M」をラインナップ。DN-25は、10Hzまでの低域再生をカバーするという。