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【IFA 2013】ソニーは4K/ハイレゾ/簡単接続の新製品多数
新4Kプロジェクタ、24/192対応ウォークマン、Xperia Z1
(2013/9/5 07:50)
「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展) 2013」が9月6日~11日(現地時間)にドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリン見本市会場にて行なわれる。
開幕2日前となる4日、ソニーが新製品などを紹介するプレスカンファレンスを開催。ソニー社長兼CEOの平井一夫氏が登壇した。
4K製品はHDMI 2.0対応予定。「ハイレゾ」も強力に推進
平井氏は、今後発売する最新製品を紹介するにあたり、いずれの製品にも当てはまるという2つのポイントを説明した。1つ目は、「画質/音質といったクオリティの高さ、技術の先進性」などソニーの良さをさらに推し進めた点。もう1つは、ユーザーのやりたいことを簡単にかなえるという「シンプル機能、ユーザビリティの高さ」を追求したこと。
“ハイクオリティ製品”の例として紹介したのは、4K対応の新製品である65型BRAVIA「KD-65X8505A」や、ハンディカム「FDR-AX1」、ホームシアタープロジェクタ「VPL-VW500ES」。
「KD-65X8505A」は、3,840×2,160ドットの4Kパネルを搭載した65型液晶テレビで、既存のX9シリーズ(日本ではX9200シリーズ)と同様に4K超解像技術を搭載した映像エンジン「4K X-Reality PRO」を備える一方で、X9の特徴である大きなサイドスピーカーを省き、小型のアンダースピーカーを採用して設置幅を抑えている。65型のほかに、55型の「KD-55X8505A」も用意する。
ハンディカム「FDR-AX1」は、4K解像度の「Exmor R」CMOSセンサーや、光学20倍ズームのGレンズを搭載。「XAVC S」フォーマットでXQDメモリーカードに記録できる。
プロジェクタの「VPL-VW500ES」は、2012年に発表された最初のホームシアター用4Kプロジェクタ「VPL-1000ES」に比べ小型化を実現したことが特徴。広色域化技術のトリルミナスディスプレイにも対応する。
さらに、上記の4K製品は、4日に発表されたHDMIの新バージョン「HDMI 2.0」への対応を予告しており、HDMIケーブル1本で4K解像度の60p映像(2160p)を伝送可能になることが特徴。平井氏は、これらの製品のHDMI 2.0対応時期について「今年の後半にサポートする予定」としている。
もう一つ、ソニーが掲げたのは、24bit/192kHzのFLACや、DSDなどの“ハイレゾ音楽”を楽しむ環境を整えること。
新製品として、新デジタルアンプ「S-Master HX」により最大24bit/192kHzまで再生可能になったウォークマン「NWZ-F880」や、DSD/FLAC再生対応のHDD内蔵デスクトップオーディオ「HAP-S1」、ヘッドフォンの「MDR-10R」などの製品を出展。これらの製品には「Hi-Res」というロゴを冠して、ハイレゾ対応であることをアピールしていく。
NFCの「ワンタッチ」製品も多数
高画質/高音質などを特徴とする製品の一方で、「シンプル機能、ユーザビリティの高さ」を象徴するものとして、近距離無線通信のNFCを使った新製品も多数登場。
前述のウォークマンもNFCに対応し、ヘッドフォンやコンポなどと連携できる「One-touch listening」(ワンタッチリスニング)を実現。また、アクションカムの新モデル「HDR-AS30V」や、120度の広角カメラとXYマイクを備えた新機軸のビデオ/オーディオレコーダ「HDR-MV1」といった製品は、NFCにより「One-touch remote」(スマホでのリモート撮影操作)と、「One-touch sharing」(スマホへのワイヤレス転送)を可能にしている。
さらに、NFCを活かした新コンセプトの製品として平井氏が紹介したのが、“Lens Style Camera”の「DSC-QX100」と「DSC-QX10」の2モデル。
既報の通り、QX100/10は、デジタルカメラからレンズ部のみを取り出したような本体に、レンズやCMOSセンサー、メモリーカードスロット、バッテリなどを備えた製品。ファインダやモニタは搭載せず、無線LAN接続したスマートフォンの画面を見ながら撮影/操作する。持ち運びやすいコンパクトな筐体に、サイバーショットの高画質なレンズとセンサーを備え、スマホの大画面を使って撮影できることを特徴としている。
平井氏は、QX100の1型センサーを使った高画質や、QX10の10倍ズーム搭載といった機能性をアピールするとともに、「Xperiaだけでなくほとんどのスマートフォンで使える」点も強調した。
ソニーのテレビやデジタルカメラ、ネットワークサービスなどの技術を組み合わせた「One Sony」を最も体現する製品として紹介されたのが、スマートフォンの「Xperia Z1」。ディスプレイは初となる「TRILUMINOS for mobile」により広色域表示を実現。カメラ部にはF2.0のGレンズや裏面照射のExmor RS for mobile、画像処理エンジンのBIONZ for mobileを搭載する。なお、Xperia Z1は既報の通り「今秋以降に日本を含むグローバルで発売する」と予告されているが、平井氏はより詳細な情報として「9月より順次ローンチする」と述べた。
さらに、高画質になったXperia Z1のカメラで撮影した写真を保存/共有するためのソリューションとして、秋に行なわれる「PlayMemories Online」のアップデートも紹介。XperiaだけでなくNEXシリーズやサイバーショットなど様々な機器にある写真を枚数無制限(長辺1,920ドットにリサイズ)で保存できるようになるほか、画像認識技術を活かした自動整理機能により、思い出を後から振り返りやすくなるという。
今回のIFAも多くの新製品が登場したが、平井氏は同社のコミュニケーションメッセージである「BE MOVED」(人々の心を動かす)を掲げ、「これに留まらず、ソニーは全てのカスタマーのため、今後も前進し続ける」と宣言。会場は大きな拍手に包まれて幕を閉じた。
なお、新製品が多数登場したソニーブースの展示の詳細については、別記事で後日レポートする。