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NHK、双方向クイズなどHybridcastのタブレット連携を開始。20日深夜に連動番組

Hybridcastランチャーのアイコン画面

 NHKは、Hybridcast(ハイブリッドキャスト)対応テレビと、スマートフォン/タブレットを連動して楽しめるセカンドスクリーン向けサービスの具体的な内容を発表した。

 既報の通り、16日よりタブレットやスマートフォン向けのAndroidアプリ「Hybridcastランチャー」を公開。同アプリをインストールすることで、タブレットやスマートフォンから双方向番組へ参加したり、番組に関連する情報を得ることが可能になる。なお、Hybridcastランチャーは、当初Android版のみの提供となり、対応OSはAndroid 4.0以降。iOS版の提供時期は未定。

 今回、番組連動のセカンドスクリーンサービス第1弾として発表されたのは、クイズの「双方向番組」と、番組連動検索の「キーワードコネクト」、番組Webサイトを表示する「番組サイト閲覧サービス」の3つ。そのほか、セカンドスクリーンではなくテレビ向けのサービスとして、NHK番組のショートクリップなどを無料で配信する「みのがしなつかし」というサービスも開始した。なお、番組連動は基本的にNHK総合のみの対応で、EテレやBSなどの対応については「来年度後半から広げる」としている。

 また、将来の4K/8K番組においてもHybridcastと同様のサービスを実現するため、ARIBなどの業界団体にHybridcastと同様のHTML 5ブラウザを使うことなどを提案している。4Kの高精細テレビ画面でHybridcastをマルチウィンドウ表示するといった、より高度な活用についても検討しているという。

 現時点におけるHybridcast対応テレビは、東芝のREGZA ZX8/Z8/Z7/J8/Z7シリーズや、シャープのAQUOS XL10シリーズ、パナソニックのVIERA TH-L65WT600やVT60/FT60シリーズなど。

 今回のサービスを利用するには、前述のアプリ「Hybridcastランチャー」のほか、各テレビメーカーから提供されているテレビ操作用の無線LANリモコンアプリが必要。各社のリモコンアプリとの連携機能を拡張する形で、前述したテレビ/スマホの連携を実現する。このため、テレビとセカンドスクリーン端末が同じLAN内に接続されていることも必要となる。

クイズに合わせてキャラクターがしゃべり、スマホとテレビの間を行き来

「双方向クイズ天下統一」の出題画面(テレビ)

 番組連動の「双方向番組」では、NHK総合で12月21日0時10分~1時10分放送(20日深夜)の「双方向クイズ天下統一」において、番組キャラクターの天姫(CV.野中藍)がスマホ/タブレットやテレビの画面に登場。4択クイズに答えるなど視聴者の操作に合わせて天姫がスマホ/テレビの間を行き来して、吹き出し内のセリフをしゃべるほか、正解/不正解といった結果に応じて異なる動作をする。画面内で、現在の正答数を確認することも可能。

 この番組は視聴者参加型で、従来のデータ放送(BML)でも視聴者が番組のクイズに答えられるが、21日のHybridcast向けサービスでは、画面にオーバーレイでメニューなどが表示されるため、データ放送と違って放送画面が小さくならないことも特徴。なお、これ以降の双方向番組予定については具体的に決まっていないという。

スマホ画面に天姫が登場
スマホで4択から回答
正解した場合の画面
不正解の場合。不正解でも、天姫が励ましてくれる

 「キーワードコネクト」は、番組に関連した人物や地名などを、スマホなどのセカンドスクリーンに次々と表示させ、そこからインターネットで検索できるようにしたもの。キーワードは、EPGの情報や、字幕放送のデータから名詞を抽出したもので、放送とリアルタイムで連動して増えていく形ではなくタイムラグがあるが、番組終了後にさかのぼって検索することも可能。インターネット検索にはWebブラウザを使用。検索エンジンは、Google、Yahoo!、bingのいずれかから選択できる。

 「番組サイト閲覧サービス」は、放送中の番組Webサイトをブラウザで閲覧できるもの。番組サイトだけでなく、NHKのスマホ/タブレット向けEPGサイトを表示することもできる。

キーワードコネクト画面
番組サイト閲覧画面

過去のニュースやドラマをダイジェスト版で無料配信。将来はNHKオンデマンド連携も

「みのがしなつかし」画面

 新たにHybridcast対応テレビ専用に始まった「みのがしなつかし」は、過去にNHKで放送されたニュースやドラマといった番組を、1分~3分程度の番組ダイジェストとして、通信経由で無料視聴できる動画配信サービス。開始時は、NHKスペシャルや大河ドラマ、朝の連続テレビ小説など、約800本の動画をラインナップする。映像はHD画質。

 「dボタン」を押してHybridcastのホーム画面から「みのがしなつかし」を選ぶと利用可能。放送中の番組に関連した動画を検索でき、出演者が出ていた他の番組などを探すことも可能。放送年/番組ジャンル/地域などから検索することも可能。なお、動画はNHKの提携するサーバーから配信。配信の仕組みには、MarlinのVOD関連技術を採用している。

番組再生画面

 NHKオンデマンドとは異なり、番組全編を視聴することはできないが、今後はインフラのバージョンアップなどに合わせて、NHKオンデマンドへの視聴につなげるといったことも検討。当初は「テレビ60周年を迎え、長い放送史を実感していただくサービス」として展開するという。

(中林暁)