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スカパー、日本の番組を海外で現地語放送「WAKUWAKU JAPAN」

インドネシアで2月開局。Jリーグやあまちゃんなど

ガンバ大阪の野呂社長や日本プロサッカーリーグ大東チェアマン、BEAJ重村委員長、総務省、経産省の代表などが出席。オールジャパンで開局をアピールした

 スカパーJSATは、海外で日本のテレビ番組を24時間・現地語で放送する専門チャンネル「WAKUWAKU JAPAN」(ワクワクジャパン)を開局。2月22日よりインドネシアで有料衛星放送を開始する。放送コンテンツの提供には、NHKや民放各局も協力。NHKの連続ドラマ「あまちゃん」や、Jリーグの試合中継、オリジナル番組などをラインナップする。

 「WAKUWAKU JAPAN」は、日本のドラマやスポーツ、ドキュメンタリーなどのテレビ番組を海外に発信する専門チャンネル。全ての番組は現地語(子ども向け番組は吹替え、その他は字幕)で放送され、海外で高まる日本のコンテンツへのニーズに対応。インドネシアでの放送開始を皮切りに、タイやベトナムなど、東南アジアを中心とした複数国での開局を目指す。

 事業展開には、総務省や経済産業省、観光庁、日本政府観光局(JNTO)、放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)なども協力し、放送事業に留まらず、産業育成や観光誘致、スポーツ・音楽イベントの展開など、日本のコンテンツ産業の国際競争力強化を狙う。

WAKUWAKU JAPANのロゴ
事業概要

インドネシアでの「WAKUWAKU JAPAN」放送

放送概要

 インドネシアでは、衛星放送事業会社MNC SKY VISIONが運営する有料衛星放送「INDOVISION」、「OKEVISION」において、2月22日17時(現地時間)より放送を開始。視聴可能世帯数は開局時で約200万世帯。

 開局当初の放送コンテンツとして、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」を現地時間の毎朝7時から放送。また、インドネシア国内で人気の高いサッカー関連番組として、日本のJリーグ試合中継や、インドネシアの少年たちがJリーグ・ガンバ大阪へのユース入団を目指すオリジナルドキュメンタリー番組「Dream of the RED and WHITE SAMURAI supported by Panasonic」などを放送する。ほかにも、日本食の料理番組や、日本国内の名所をまわる紀行番組、子供向けアニメ番組など、日本文化への関心を高めるコンテンツをラインナップする。

あまちゃんを毎朝放送
サッカー人気の高いインドネシアでJリーグを定期放送する
インドネシアのサッカー少年たちがJリーグユース入団に挑戦するオリジナルのドキュメンタリーも

 開局にあたり、現地の地上波放送でのCM放送やライブイベントなどのプロモーション活動も実施。テレビCMには、ジャカルタを中心に活動するアイドルグループ「JKT48」を起用するほか、日本のバンド「flumpool」や現地のアーティストが出演する音楽イベントなどを開催。その模様を開局記念番組として放送する。

現地の地上波でJKT48が登場する開局CMを流す
その他のプロモーション活動の説明

JKT48やヴァンフォーレ甲府のイルファン選手が開局を祝う

スカパーJSATの高田真治社長

 スカパーJSATの高田真治社長は、スカパーが海外放送事業の展開に至った経緯として、「スカパーは合計16機の通信衛星を保有するアジア有数の放送事業社。その衛星を使って、アジア向けの通信中継サービス事業も行なっているが、東南アジアで多チャンネル放送へのニーズが高まっていることを受け、海外での市場調査を進めていた。同じようなタイミングで、政府や省庁が日本コンテンツの国際競争力強化を目指して、促進機構の設立や支援助成を開始したため、官民連携して日本のコンテンツを海外に発信していこうということになった」と説明。そのため、WAKUWAKU JAPANは単なる放送事業に留まらず、クールジャパンコンテンツの発信や、観光誘致、海外での日本産業の拡大など様々な役割を担うという。

 来賓として招かれた総務省 情報流通行政局の福岡徹局長は、「コンテンツの海外展開を、スカパーだけでなく、放送各局、音楽レーベルなどが一丸となって、オールジャパンで進める。インドネシアからの観光客は近年伸長しているが、年間10万人程度とまだ少ない。番組放送によって日本に訪れる人が増えることを期待する」と述べた。

 事業内容の説明を行なったスカパーJSATの田中晃専務は、チャンネルの名称について、「WAKUWAKU JAPANという名称は、アジア各国で調査を行ない、複数の中から選ばれたもの。今後、WAKUWAKUという言葉が、世界で愛される日本語の一つとなることを願う」と説明。また、今後の展開については、「3年後のインドネシアでの視聴世帯は500万人を目標としている。他国での展開は、年内にミャンマーで開局、来年以降、タイやベトナムでも開局を目指す」と述べた。事業説明では、現地でのプロモーションCMに起用されたJKT48からのビデオメッセージも紹介された。

総務省 情報流通行政局の福岡徹局長
スカパーJSATの田中晃専務
JKT48からお祝いのビデオメッセージも

 また、サッカー関連のコンテンツが多数ラインナップされることを受け、2014年1月にJリーグ・ヴァンフォーレ甲府への入団が決定したイルファン・バフディム選手がゲストとして登場。イルファン選手は、Jリーグ発足以来初めてのインドネシア人選手として、インドネシアでも高い注目を集めているという。WAKUWAKU JAPANのインドネシア放送について質問されたイルファン選手は、「Jリーグはアジアの中でも最もレベルの高いリーグ。そのJリーグの試合がインドネシアで放送されれば、Jリーグに移籍する選手も増える。ひいてはインドネシアのサッカー全体のレベル向上にもつながると思う」と、放送への期待を語った。

ヴァンフォーレ甲府のユニフォームを着て登場したイルファン選手
日本の印象は「フレンドリーな国」と語る
イルファン選手も加わり開局をPRした

(一條徹)