ニュース
ヤマハ、USBオーディオ搭載ミキサーやモニターヘッドフォンなどプロ向け新製品を披露
(2014/2/4 10:00)
ヤマハは3日、同社プロオーディオ/音楽制作機器の新製品発表会を開催。1月に米国アナハイムにおいて行なわれた「NAMM Show」で発表されたミキシングコンソール「MGシリーズ」や、スタジオモニターヘッドフォン「HPH-MT220」、SteinbergブランドのUSBオーディオインターフェイス「UR44」などを国内で披露した。
24bit/192kHz対応USBオーディオ搭載のミキサーなど
新製品の中で注目モデルとして紹介したのが、PA/音楽制作現場向けのミキシングコンソール「MGシリーズ」の第3世代モデル。6chの「MG06」から20chの「MG20XU」まで10機種を用意する。型番にXが付く機種はデジタルエフェクトのSPXを備え、Uが付く機種にはUSBオーディオインターフェイス機能を搭載する。
いずれも、ディスクリートClass-Aマイクプリアンプの「D-PRE」を搭載。増幅素子が多段構成のインバーテッドダーリントン回路を採用し、中低域の音質を向上させたという。USBインターフェイスは24bit/192kHzまで対応し、別売ケーブルを使ってiPhone/iPadとの接続にも対応。DAWソフトとしてCubase AIのダウンロードコードも同梱し、「デジタルの音楽制作環境を構築できる」としている。
型番 | チャンネル数 | USBオーディオ | 発売時期 | 店頭予想価格 |
---|---|---|---|---|
MG20XU | 20 | ○ | 2014年5月 | 90,300円前後 |
MG20 | - | 82,950円前後 | ||
MG16XU | 16 | ○ | 63,000円前後 | |
MG16 | - | 55,650円前後 | ||
MG12XU | 12 | ○ | 2014年4月 | 42,000円前後 |
MG12 | - | 35,700円前後 | ||
MG10XU | 10 | ○ | 28,350円前後 | |
MG10 | - | 2014年2月 | 23,100円前後 | |
MG06X | 6 | - | 17,850円前後 | |
MG06 | - | 13,650円前後 | ||
また、既報の通りSteinbergのオーディオインターフェイス「UR44」も発表。1月より発売している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円前後。パソコンだけでなくiPadでのマルチトラック録音にも対応している。入力は6系統、出力は4系統で、入力のうち4系統はTRS/XLRコンボジャック。コンデンサーマイク用の48Vファンタム電源にも対応する。なお、同製品の詳細は、藤本健氏の「Digital Audio Laboratory」で本日レビューを掲載している。
モニターヘッドフォン/スピーカーは「すべての音を、見るために」
'13年12月より発売したスタジオモニターヘッドフォン「HPH-MT220」と「HPH-MT120」も紹介。プロによる長時間作業を前提に開発したことから、イヤーパッドにはプロテインスキンと低反発クッションを採用。耳を覆うアラウンドイヤー型のハウジングによる、高い遮音性能も特徴としている。
「HPH-MT220」は45mm径ユニット、「HPH-MT120」は40mm径ユニットを搭載し、「ドライバの徹底的なチューニングにより、原音に忠実な再生を実現した」としている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はMT220が25,000円前後、MT120が15,000円前後。
スタジオモニタースピーカー「HSシリーズ」には、2月よりホワイトモデルを追加。「HS5W」、「HS7W」、「HS8W」の3モデルをラインナップする。価格はオープンプライスで、店頭予想価格(1台)はHS5Wが15,000円前後、HS7Wが25,000円前後、HS8Wが38,000円前後。HS8Wは受注生産。
'13年に発売され、高い評価を得たというHSシリーズ第2世代モデルに新色を追加したことで「様々な制作環境や、スタジオのインテリアに合わせられる」としている。いずれも2ウェイのバスレフ型で、バイアンプ内蔵。ツイータは1インチのドーム型で、ウーファのサイズはHS5Wが5インチ、HS7Wが6.5インチ、HS8Wが8インチ。
ヘッドフォンとモニタースピーカーで共通のデザインフィロソフィーは「すべての音を、見るために」というもの。スピーカー内蔵アンプのフラットな特性や、分解能の高いヘッドフォンで、原音に忠実な再生が行なえるとアピールしている。
期待をいい意味で裏切る、一歩先の商品に
ヤマハミュージックジャパンのProMusic・PA営業本部 宮脇精一本部長は、ミキシングコンソールの第3世代「MGシリーズ」について、「第2世代を発売した'07年から第3世代まで7年間を要したが、その間、我々はMGシリーズに対する声を徹底的に聞いてきた。いただいた声を単純に織り込むだけでなく、一歩先を目指した形で製品として仕上げることに時間を費やした」と説明。
同社にとっての“高品質”については「ニーズに合わない、やみくもに高品質なものを『付加価値』と称することではない。期待されているものから少し先に進み、いい意味でお客様を裏切る、一歩先行く商品に磨き上げる」という考えを示し、チップレベルから新開発したMGシリーズなど新製品の完成度に自信を見せた。