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産業革新機構、デジタルスピーカーの「Trigence」へ出資

Dnoteのグローバル展開へ

 産業革新機構(INCJ)は27日、フルデジタルスピーカー向けの半導体開発を行なうTrigence Semiconductorへの出資を決定した。事業展開の加速に必要な資金として4.8億円を上限に出資する。また、既存株主であるインテルキャピタルもTrigenceへ出資を行なう。

 Trigenceは、デジタル信号によるスピーカー駆動が可能なデジタル変調技術「Dnote」を開発した企業。Dnoteではデジタル音源をアナログ変換せずに直接スピーカー駆動できるため、消費電力の削減や省スペース化が見込まれる。Dnoteは、クラリオンのカーオーディオ用スピーカーや、Bluetoothスピーカーなどに採用されている。

 INCJでは、Dnoteによる低消費電力や省スペース化は、モバイル機器の長時間利用や小型化に活かせることや、スピーカーやヘッドフォンの差異化にも利用できること、さらに、EV/HEV化が進む自動車向け音響機器やハイレゾオーディオ対応製品においても、最適なソリューションとなることを期待しているという。

 そのため、INCJでは、Trigenceに対し、より小型化や大出力化が可能な新規半導体製品の開発や海外展開のための経営体制強化に必要な資金を供給するとともに、社外取締役派遣や事業開発体制強化などの経営サポートを行ない、「日本発の低消費電力、高品質な音響プラットフォームのグローバル展開を支援する」としている。

Trigenceへの出資について(INCJニュースリリースから)

(臼田勤哉)