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「ポタフェス」開幕。AK100IIやiBasso低価格機など新ハイレゾポータブルプレーヤー集結

 国内外の約140ブランドが参加、最新のイヤフォン・ヘッドフォンなど500機種以上を体験できるイベント「第5回ポータブルオーディオフェスティバル2014 in 秋葉原」(通称ポタフェス)が、6月28日、東京・秋葉原の「ベルサール秋葉原」で開幕した。会期は28日、29日の2日間、入場は無料。

会場入り口。あいにくの天候ながら、多くの人で賑わっている

 大阪日本橋と秋葉原に店を構える、イヤフォン/ヘッドフォン専門店「e☆イヤホン」によるイベントで、国内外のメーカー約140ブランドが参加。昨年12月に開催された第4回では、2日間で2万人以上が来場。今回は3万人を目標としている。

 ベルサール秋葉原の地下1階、1階、2階を使用。1階にはステージも設けられ、イベントが行なわれるほか、地下にはライブステージも用意。ミュージシャンによるライブも実施されている。

会場はベルサール秋葉原
地下にはライブステージも

 ここでは各社の展示から、ハイレゾ再生対応のプレーヤーをメインにレポートする。また、このイベントではe☆イヤホンから店舗に関する発表も行なわれ、秋葉原店が移転、売り場が2倍になり、7月下旬にオープンする事も発表されている。

ヒビノインターサウンド

 ヒビノインターサウンドのブースでは、イベント前日の27日に発表された、iBasso Audio製のハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー「DX90j」を展示している。内蔵メモリは8GBで、micro SD/SDHC/SDXCスロットも搭載。

 最大192kHz/24bitのPCMに加え、DSD 2.8MHzを88.2kHz/24bitのPCMにリアルタイム変換しながらの再生も可能。FLACやApple Lossless Audio(ALAC)、AIFF、WAV、WMA、AAC、OGG、APE、MP3などのフォーマットにも対応。DAC部にはESSのSABRE32 Reference Stereo DAC「ES9018K2M」をモノラルモードで2個搭載。L/Rを個別に処理し、広いダイナミックレンジを実現した。こうしたこだわりのスペックながら、店頭予想価格54,500円前後と価格を抑えているのも特徴。

iBasso Audioのハイレゾプレーヤー「DX90j」
同軸デジタル出力、USB-OTGにも対応している
イヤフォン出力、ラインアウト

 アンプ部は左右それぞれにTIのオペアンプ「OPA1611」と、高速バッファ「BUF634」を搭載。ヘッドフォン出力(16Ω時)は115mW×2ch(LO)、275mW×2ch(Hi)。USB-OTG機能も備えており、ケーブルを介してUSBメモリ内の音楽も再生も可能。192kHz/24bitまで対応する同軸デジタル出力も搭載している。

 なお、中国で発売されている「DX90」というモデルがベースになっているが、日本向は中国向けとは別の工場で製造。よりクオリティや音質に気を配ったという日本向けモデルとなっており。ハンダにDX90の7倍以上の銀含有率の無鉛銀ハンダを使用。電気伝導率を高く、回路への電気抵抗がより少なくなることで、音質もかなりアップしているとのこと。裏蓋が簡単に取り外しでき、ユーザーによるバッテリ交換も可能になっている。

側面にホールドスイッチ
バッテリ交換も可能
発売中のハイレゾプレーヤー「HDP-R10」と並べたところ。かなりコンパクトなのがわかる
エージング用ケーブル

 なお、エージングには200時間程度が必要とのことで、音を出さずにエージングが可能というケーブルも同梱している。

iriver

 iriverブースでは、Astell&Kernブランドのハイレゾプレーヤー最上位モデル「AK240」に加え、新製品の「AK100II」、「AK120II」の試聴が可能。「AK120II」は6月13日から発売されており、「AK100II」は昨日発売日が7月11日、直販価格が109,800円(税込)と発表されたばかり。注目のプレーヤーだけあり、多くの来場者で賑わっている。

発売日と価格がアナウンスされたばかりの「AK100II」
多くの来場者が熱心に試聴していた

 AK100IIとAK120IIは縦長筐体となり、DACにAK240と同じ、シーラス・ロジックの「CS4398」を採用。AK240/AK120IIはデュアルモノラルとして2基搭、AK100IIはシングルDAC構成となっている。

 発表されたばかりの「AK100II」は、PCMはネイティブで192kHz/24bitまで再生可能で、384kHz/32bitまでのデータをダウンコンバート再生可能。DSDも5.6MHz対応だが、PCM 176.4kHz/24bitへの変換再生となる。

 また、AK240/AK120II/AK100IIは、2.5mmで4極のバランス出力を備えているのも特徴。リケーブルを取り扱う各メーカーのブースでは、この2.5mm 4極バランスケーブルの新製品を出店しているところが多く、今後のリケーブルの1つのトレンドになっていきそうだ。

 なお、iriverのブースでも、オーディオテクニカのイヤフォン「ATH-CKR10」と「ATH-CHK9」を2.5mm 4極バランス対応としたモデルを発見。どちらもリケーブル対応のイヤフォンではないが、改造したもの。ただし“作ってみた”レベルであり、実際にオーディオテクニカからバランス仕様のイヤフォンが登場する予定は今のところないという。

AKシリーズのバランス接続に対応したオーディオテクニカのイヤフォン「ATH-CKR10」と「ATH-CHK9」改造モデル
iriverのブースには、Astell&Kernブランドのカラーリングやロゴを配した自転車(STRIDA)も展示。非売品。AKシリーズのロゴマークと、自転車のフレームの形が似ている事から作られたという

オヤイデ

FiiO製ハイレゾプレーヤー「X5」

 小柳出電気商会のブースでは、既発売のFiiO製ハイレゾプレーヤー「X3」に加え、5月から発売している新モデル「X5」(オープンプライス/店頭予想価格49,800円前後)も出展している。

 最大192kHz/24bitまでのハイレゾ音源に対応し、FLACやApple Lossless、WAV、APEなどのフォーマットに加え、2.8MHzまでのDSD(DSDIFF/DSF)の、リニアPCM変換再生にも対応する。最大128GBまで対応するmicroSDカードスロット(SDXC対応)を2基装備し、最大容量は256GBまでサポートする。

 また、X5の関連製品として、ポータブルアンプなどとセットで持ち歩くためのフレーム、ゴムバンド、ステレオミニのアナログケーブルをセットにしたアクセサリ「HS6」も参考展示している。X5の前面外周に取り付けるフレームの両サイドに突起があり、そこにゴムバンドを引っ掛け、背後に重ねたアンプをバンドでホールド。フレームの両サイドにゴムが引っ掛けてあるため、X5のディスプレイや操作ボタンにゴムバンドがかからず、快適な操作を維持できるのがポイント。

 さらにオヤイデが手がけたケーブルもセットになっているのが特徴。近日発売予定で、価格はかなりリーズナブルになる予定。他にも、専用のレザーケース「HS9」を参考展示していた。

X5のに外枠を取り付け、その両サイドにある突起にゴムバンドを引っ掛け、アンプをホールドする
ケーブルも付属するのが特徴
レザーケース「HS9」

エミライ/OPPO Digital Japan

平面磁界駆動ヘッドフォン「PM-1」と、USB DAC/アンプ「HA-1」

 エミライ/OPPO Digital Japanブースでは、6月27日に発売された平面磁界駆動ヘッドフォン「PM-1」と、7月14日発売のUSB DAC/アンプ「HA-1」を中心に展示を行なっている。

 この中で、ポータブルではないが、パソコン向けのハイレゾ再生ソフトの参考展示を行なっている。Windowsで知られているSignalyst製のハイレゾ再生ソフト「HQPlayer」のMac版で、展示はオープンβで英語版。正式版のタイミングなどで、今後日本語化して発売をする予定だという。

 Signalystは、IntelのエンジニアであるJussi Laako氏が2009年に設立したメーカー。HQPlayerの特徴は、ハイレゾファイルのネイティブ再生するだけでなく、リアルタイムにDSD変換して再生できること。同様の機能を備えたソフトは、Windows向けには「AudioGate 3」などがあるが、「HQPlayer」はMac向けでもそれを実現できるのが特徴。

 ハードウェアUSB DACなどにはデジタルフィルタが搭載されているが、その処理を、高いマシンパワーを持つパソコンで高品質に行ない、DSDにリアルタイム変換して、DSD対応機器へ出力搭載するといった使い方も想定されている。DSDへのリアルタイム変換モードも5種類用意するなど、自分の好みの音を追求する事もできる。

オープンβ版のMac向け「HQPlayer」
DSDリアルタイム変換のモードも5種類から選べる
KORGブースの「AudioGate 3」

(山崎健太郎)