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対応ラジオやエリアは? 関東広域AM3社がFM補完放送を説明

ニッポン放送は「+FM93」。「AM放送はやめない」

 TBSラジオ&コミュニケーションズと、文化放送、ニッポン放送は3日にFM補完中継局の予備免許を取得した。これにより、2015年春から災害対策や難視聴対策を目的としたFM放送が可能になる。

東京スカイツリーから放送

 FM補完中継局とは、AM放送局の放送区域において、災害対策のためにFM放送用周波数を用いて、AM放送の補完的放送を行なう中継局。既報の通りAMラジオ3社が予備免許を取得し、2015年春に東京スカイツリーからFM放送を開始する予定。周波数はTBSラジオが90.5MHz、文化放送が91.6MHz、ニッポン放送が93.0MHz。空中線電力は各7kW。

 3日には総務省から予備免許の付与をうけ、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の各社がFM放送開始に向けての準備について告知を開始した。

 ニッポン放送は、局名を「+FM93(プラス エフエム 93)」に決定。TBSラジオと、文化放送は局名は発表していないが、いずれも2015年春の放送開始を予定しており、スカイツリーのアンテナも3局が共同で使用する。聴取エリアは東京都23区と埼玉県、千葉県、神奈川県の主要都市、及び周辺となる。

FM補間中継局(+93FM)対応のソニー「ICF-B03」

 内容は、各社ともAMで放送する番組やCMを同時にそのまま放送する「サイマル放送」だ。

 対応ラジオについては、90MHz以上の周波数に対応した製品が必要となる(TBSは90.5MHz、文化放送91.6MHz、ニッポン放送93.0MHz)。従来のFMラジオは90MHz以下にしか対応していないものもあり、それらの製品では聴取できない。

 ただし、ソニーやパナソニックが90MHz以上の対応製品を「ワールドチューナ」、「ワイドFM」などの名称で発売しているほか、2011年7月24日以前のアナログテレビ音声対応FMラジオでも聴取可能。ニッポン放送のホームページでは、同社で調査した「+FM93」対応ラジオのリストを紹介している。また今後、FM補完中継局対応のFMラジオが各メーカーから販売される見込みと。

 なお、3社とも、「FM補完中継局は、あくまでAM放送の補完中継局で、親局はAM放送」と位置づけており「AM放送をやめることはない」としている。

(臼田勤哉)