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OTTAVA“第2の開局”、広告収入運営から有料chやリスナースポンサースタイルに。番組も刷新

 クラシック専門のインターネットラジオ局OTTAVA(オッターヴァ)は1日、従来の広告収入による運営スタイルから、複数の専門チャンネルを有料チャンネルとして配信する有料課金モデルや、CD、コンサートなどの制作、リスナー・スポンサーの支援などで運営していくスタイルに変更すると発表。10月1日を「第2の開局」と位置づけた。

インターネットラジオ局OTTAVA

 OTTAVAは2007年4月に、デジタルラジオの実用化試験放送の1チャンネルとしてTBSが展開、合わせてインターネットでのストリーミング配信もスタートさせた。しかし、昨年TBSがデジタルラジオへの不参入を決定、デジタルラジオの実現に向けた施策を一旦見直すことになり、今年の4月1日に、OTTAVAも6月末で休止すると発表された。

 しかし、リスナーや音楽家、クラシック業界関係者から継続を望む声が上がり、OTTAVAの音源調達先であるナクソスジャパンが商標・ドメインを引継ぎ、運営会社としてOTTAVA株式会社を設立。それから3カ月の準備期間を経て、今回の「第2の開局」を迎えたという。

 今後は、TBS時代の広告収入による運営スタイルから、複数の専門チャンネルを有料チャンネルとする有料課金モデル、CDやコンサートなどを自主企画制作していく運営スタイルに変更。リスナーからもスポンサーを募集していく。

 こうした新たな施策の第1弾として、10月1日から無料チャンネルの番組をリニューアル。リスナー・スポンサーを募集する「Sponsorship」の開始、開局記念ガラ・コンサートの開催、オリジナルCDの3カ月連続リリースを実施。

 さらに、第2弾として、有料チャンネルを3チャンネルスタートさせる予定。サービス開始の時期や内容、課金などの詳細は、決定し次第報告するとしている。

無料チャンネルの番組をリニューアル

 月~金曜日の午後7時~11時の生ワイド番組として、「OTTAVA Salone」を開始。目白の新OTTAVAスタジオからの生放送で、リスナーからのクラシック音楽のリクエストを紹介しながら、日替わりのプレゼンターが個性を生かした特集コーナーを展開。国内外からゲストも迎えるという。プレゼンターは音楽ジャーナリストの林田直樹ほか。

 日曜日の午後1時~5時のワイド番組「OTTAVA Domenica」(ドメニカ:イタリア語の日曜日)は、OTTAVAで、現在最も流れているクラシックをまとめて紹介する番組。世界の楽壇の最新情報や、内外の一流音楽家がインタビュー・ゲストに登場する。出演は文筆家の高野麻衣ほか。

 その他の時間帯は、OTTAVAが厳選したクラシックをノンストップで配信する「Contemporary Classics」 クラシック音楽を、さまざまな視点から再編集して提案する60分のプログラム「The World of OTTAVA」などで編成される。

リスナー・スポンサーを募集する「Sponsorship」

 リスナーから受ける支援によって運営されるメディアとなり、スポンサーの募集を開始する。金額は一口5,000円から。

 番組制作費として使われるほか、レギュラー番組を増やし、「様々なスペシャル・プログラムを届ける原資となる」という。

 なお、リスナースポンサーの名前は番組内で紹介するほか、Webサイトにも永く掲載される。

コンサートやCD販売も

 11月7日に「第2の開局ガラ・コンサート」を開催。OTTAVAを応援するアーティスト5組が、クラシック、ポップス、オペラ、ミュージカル界から参加。「クラシック&モダン」をキーワードに、レパートリーを演奏するという。会場は「めぐろパーシモンホール」、チケットは前売り5,000円、当日5,500円(いずれも税込)。詳細はOTTAVAのWebサイトに掲載されている。

 さらに、9月、10月、11月と、3カ月連続で「第2の開局記念」コンピレーションCDを発売。OTTAVAプレゼンターが選曲したコンピレーションCDで、第1弾は、音楽ジャーナリスト林田直樹選曲による「朝バッハ~Bach in the Morning」。朝一番に聴きたいバッハの名曲を集めたものとなる。9月28日に発売されており、価格は1,000円(郵送費込)。販売は楽天市場NAXOSミュージックストアで、限定1,000枚となる。

 10月は「三線プレーヤー、ゲレン大嶋選曲“午後のギター”」、11月は「ピアニスト本田聖嗣選曲“パリのクリスマス”」が予定されている。

(山崎健太郎)