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TOKYO FM、番組で流れた曲を定額制音楽配信で楽しめる、V-Low見据えたトライアル番組

桑原茂→のXXXラジオ(ピーラジオ)

 TOKYO FMは、V-Lowマルチメディア放送に向けたトライアル企画として、FMラジオ番組「桑原茂→のXXXラジオ(ピーラジオ)」を6月2日の21時から毎週月曜日に、1カ月間限定でTOKYO FM独占放送する。ラジオ番組ながら、通信を活用し、番組で紹介した楽曲をKKBOXやMusic Unlimitedなどの定額制音楽配信サービスでプレイリストとして楽しめる。

 新番組は、TOKYO FMにおいて、6月2日から毎週月曜日の21時~21時20分に放送する。V-Lowマルチメディア放送に向けたトライアル企画と位置づけられ、「原点はラジオ」としながらも、デジタル技術を活用、ネットとシームレスに連動。「ソーシャルメディアでアーティストや他のリスナーとリアルに時間を共有するなど、ラジオが本来持っている楽しみ方をバージョンアップさせる」という。

 ラジオ業界初の試みとして、定額制音楽配信サービスであるKKBOX、Music Unlimited、レコチョクBest、dミュージック(月額コース)、ひかりTVミュージックの3社5サービスと連携。番組で流した楽曲を、各サービスで、プレイリストとして聴く事ができる。番組の構成・選曲・演出を担当する桑原茂一氏のほか、趣旨に賛同した世界的選曲家も参加。番組に登場するキャストは大堀こういち、小林顕作、金剛地武志、宍戸留美、森戸宏明ほか。桑原氏は、かつてスネークマンショーとして活動していた人物。

 TOKYO FMでは、「定額制音楽配信サービスをラジオの競合と考えるのではなく、むしろ積極的に連動するサービスを開発することで、『放送』や『通信』といった『手段』を意識せずに、音楽文化そのものをより豊かにすることに共同で貢献していけるような、次世代型の番組制作を目指す」としている。

 地上アナログテレビ放送終了後に空いたVHF-Low帯(VHF 1~3ch)を使ったマルチメディア放送については、デジタルラジオの実用化試験放送が2011年3月31日で終了。そのノウハウがV-Low(VHF-Low帯)マルチメディア放送に引き継がれた。

 しかし、VHF-Low帯マルチメディア放送推進協議会は、VHF-Low帯マルチメディア放送の運用規定策定を目的として活動していたが、各社の足並みが揃わず、昨年7月31日で解散。現在はエフエム東京グループらが中心となったマルチメディア放送ビジネスフォーラムが、サービスモデルの検討や実験などを行なっている。

 なお、V-Lowマルチメディア放送を推進するためにTOKYO FMが設立したBIC株式会社は、50億円を超える出資金を調達。第三者割当増資手続きが全て終了すれば100億円の規模になるという。「今後もラジオの原点を忘れることなく、しかし一方では固定観念に束縛されることなく、時代に密着したコンテンツ開発にチャレンジしていく」という。

(山崎健太郎)