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Bang & Olufsen、スピーカーとスタンドが動く4Kテレビ「BeoVision Avant」
(2014/10/30 16:06)
バング&オルフセン ジャパンは、日本市場における今後の販売戦略の説明会を開催。4K対応テレビ「BeoVision Avant」の展示を行なった。55型と85型の2モデルが存在し、55型は6月に発売済み、85型が11月に発売される。価格は55型がスタンドとリモコンを含めて126万8,500円、85型はテレビのみで410万円、スタンドなどを含めると約450万円となる。
1925年にデンマークで創業したバング&オルフセンの4K対応テレビ。解像度はどちらも3,840×2,160ドット。バックライトは55型がエッジ型、85型は直下型。リフレッシュレートhは120Hzに対応、コントラスト比は5,000:1。3D表示に対応し、別売のアクティブシャッター式のメガネと連携できる。
なお、チューナは搭載しておらず、別途単体チューナやSTBなどを接続する形となる。HDCP 2.2にハードウェアとしては対応しており、12月のソフトウェアアップデートで4Kチューナからの映像入力に対応予定。テレビのリモコンから各社のチューナを操作できるという。
高画質化機能として、「VisonClear」を搭載。動画表示品質を高める「Adaptive film judder compensation」も備えている。さらに、「BeoVision Avant」というセンサーを搭載し、テレビの前の光や、補助センサーで背後の光や色調を測定。それらから周囲の環境光を判断し、それに合わせてテレビのホワイトバランスを調整。常に鮮やかな表示ができるという。
最大の特徴は、本体下部に3chのスピーカーを搭載している事。ユニットはツイータが1/4インチ×3、ミッドレンジが2インチ×3、ウーファが4インチ、および6.5インチ。テレビの電源をONにすると、スピーカーが画面裏の下部から電動で降りてくるシステムを採用。OFFの時はスピーカー部が出っ張らず、シンプルなシルエットとなる。スピーカー部はアルミニウム製で、アルマイト加工が施されている。
アンプは各ドライバそれぞれに搭載しており、出力は全て60W。高域用に60W×3、ミッドレンジに60W×3、低域に60W×2で、合計8台のアンプを搭載している。
設置する際のスタンドにも特徴がある。モーターテーブルスタンド、モーターフロアスタンド、モーターウォールブラケットを使った壁掛けの3パターンを用意。いずれも電動式でテレビの位置を自動で変更できる。55型用スタンドの価格はテーブル/フロアスタンドが各221,000円。電動ではないウォールブラケットは126,000円。85型用のモーターフロアスタンドは350,000円、ウォールブラケットは230,000円。
モーターテーブルスタンドは55型のみに用意。電源をONにすると、9度の傾斜位置からテレビが直立する。画面の背面に隠されているスピーカーは、電源がONになるとゆっくり降りてきて、その後ユニットが左右に広がる。
88/55型のどちらでも利用できるフロアスタンドは、台座に対してテレビを支えるポール部分が動くようになっているほか、テレビをスイーベルする事も可能。例えば壁際にフロアスタンドを設置し、電源をONにすると、ポール部分が前に移動して壁からテレビが離れ、ソファのある方向にテレビがスイーベルするといった使い方が可能。前回電源をOFFにした配置を記憶しており、電源をONにするとその場所・向きに戻るようになっている。
モーターウォールブラケットは、壁の固定位置を中心に、画面を55型では60度、85型では19度まで開く事ができる。右開きと左開きはユーザーが選択可能。これにより、ソファの前方横などにテレビを設置した場合に、ユーザーがテレビの方を向く必要がなく、電源をONにするとスタンドや壁でテレビがユーザーの方向に向けて角度を変えることができる。
なお、テレビと壁までの距離によって特に低音が変化するが、モーターウォールブラケットに取り付けた際に、この影響に対応するため、「Automatic Bass Adaptation」という機能を備えている。壁からの位置に合わせて、スピーカーの低音を調整するもので、低域のパフォーマンスを常に最適に保てるという。
ワイヤレススピーカー機能も搭載。有線スピーカーのほかに、WiSA接続に対応したスピーカーを最大8台までワイヤレス接続できる。
音声入力としてHDMIとSPDIFを用意。HDMIはPCMのステレオとマルチチャンネル入力が可能。SPDIFは、PCMに加え、ドルビーデジタル/DTSなどの入力も可能。デコーダはドルビーデジタル、DTS、ドルビーデジタルプラス7.1ch、HE-AAC、MP3、WMA、FLACなどに対応する。
もう1つの特徴として、メディアプレーヤー機能も装備。USB接続したストレージ内の動画/静止画が再生できるほか、DLNAのメディアプレーヤー(DMP)機能も装備。再生可能なコーデックはMP1V、MP2V、MP4-ASP、H264、MJPEG、VC-1、WMV9、XviDをサポート、コンテナはMKV、MP4、ASF、AVI、MP2TS、MP2PS、MOVをサポート。静止画はJPEG、BMP、TIFF、PNG、GIFに対応する。インターネットラジオの受信にも対応する。
リモコンは押出加工された一塊のアルミニウムから作られており、注文時に名前などを最大29文字のメッセージを入れる事も可能。
「テレビメーカーと価格競争はしない」
Bang & Olufsenのトゥエ・マントーニCEOは、オーディオ機器をメインとした同社の日本での展開を振り返り、「過去に日本のマーケットで強いポジションを築いていた。それは、B&Oのデザインや品質の高さが、日本市場にマッチしていたからだと考えている。そんな日本におけるB&Oを、次のレベルに引き上げてくれる製品をお届けする」として「BeoVision Avant」を紹介した。
バング&オルフセン ジャパン代表取締役の甲斐ラース氏は、「何故、今日本でテレビを展開するのかをよく聞かれるが、我々はテレビメーカー各社と価格などの競争をしようという気持ちはない。量販店で販売するつもりはなく、100%専門店のみで販売する。B&O製品のみを取り扱う店舗は、去年までは8店舗だったが、2017年までに20店舗に増やし、リテール売上も現在の約8億円から、20億円以上を目標としている。その売上の半数は、BeoVision Avantになるのではないか」と語り、BeoVision Avantに対する期待を示した。
55型の販売目標は初年度120台。85型も年間3桁の販売台数を目標としている。なお、55型は発売から4カ月の累計で約5,000万円の売上になっているという。
また、CDを6連装できる「BeoSound 9000」を「ブランドアイコン的な製品になった」と振り返りながら、「絶対的なブランド認知度の向上を目指す。BeoVision Avantも、一つの大きなアイコンになっていければ」と語った。
さらに冒頭では、デンマーク大使のA.カーステン・ダムスゴー氏が挨拶、「デンマークの製品は機能的ながら、美しいデザインが特徴。文化も地理的にも遠いが、北欧以外で、デンマークのデザインを最もよく理解し、評価してくれているのは日本の皆さんだと思っている。クオリティの高い製品に囲まれて暮らす事が自然な事になっているデンマーク人にとって、B&Oはとても大切なブランドだ」と説明した。
リビングなどに設置されるインテリアには、それぞれ個性があるものだが、B&Oでは「テレビは今までスペック重視で、本質的な個性が無い状態だった。そこにテレビ(BeoVision Avant)がはまれば、リビングの調和が完成する」として、BeoVision Avantを(リビングの)ラスト・ピースとして訴求していく。
説明会にはゲストとして、テレビをテーマにした「GOLDEN TIME」というアルバムをリリースしたRIP SLYMEも登場。「ラスト・ピース」をテーマにしたトークショーも開催され、音楽に必要なラスト・ピース、生活に必要なラスト・ピースなどについて、メンバー達が語り合った。
さらに、BeoVision Avantのスイーベル動作や、スピーカーの展開・収納などの操作も体験。スムーズな動きに驚くと共に、高い音質にも関心していた。RYO-Zさんは、「こんなにも高性能な新製品の発表会に呼んでいただいて光栄。こんなに大きなテレビを観ながら、お酒を楽しみたい。気持ちいソファーも欲しくなりそう」と感想を語った。