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パイオニア、iPhone/USB HDDからハイレゾを無線伝送できる小型コンポ「Stellanova」

 パイオニアは、iPhone/iPadや、外付けHDDなどに保存したハイレゾ楽曲をワイヤレスで受信し、再生できる小型オーディオ「Stellanova(ステラノヴァ)」を12月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、USB DACアンプ、ワイヤレスユニット、スピーカーの3点セット「APS-S301JRBL」が7万円前後。販売はエスティトレードが行なう。また、9日にオープンした、パイオニアIT関連商品専用オンラインストア「Pioneer IT Store」でも販売予定。

USB DACアンプ、ワイヤレスユニット、スピーカーの3点セット「APS-S301JRBL」

 各コンポは異なる組み合わせや、単品でも購入可能。USB DACアンプとスピーカーの2点セット「APS-S201J」は4万7,000円前後。単品ではUSB DACアンプ「APS-DA101J」が3万円前後、ワイヤレスユニット「APS-WF02JB」が23,000円前後。いずれも発売時期は12月下旬。スピーカーの単品販売は行なわない。

Stellanovaのワイヤレス再生の仕組み

 パイオニアは従来から、高速USB仮想化技術を開発しており、既にPC用のUSB接続光学ドライブをワイヤレス化し、離れた場所のPCから、まるでUSBの有線接続しているようにドライブを扱える製品を販売している。この技術をさらに発展させ、iOSデバイスからハイレゾデータをワイヤレス受信できるコンポに進化させたものが「Stellanova」となる。

 3点セット「APS-S301JRBL」の場合、ワイヤレスユニット、USB DACアンプ、パッシブのスピーカーで構成されている。このセットと、iPod/iPadなどのiOS機器、Windows/Macのパソコンを組み合わせて利用する。

 iOS機器で利用する場合は、専用アプリ「Wireless Hi-Res Player ~Stellanova~」(無料)をインストール。iPod/iPhoneに保存してあるハイレゾ楽曲を、このアプリに搭載されたUSBプロトコルとTCP-IP変換・高速伝送技術「Air Hi-Res Link Technology(高速USB仮想化技術)」を使い、TCP-IPでハイレゾデータを無線LANを使って配信する。

iOS機器から再生する時の流れ

 このTCP-IPのデータを、ワイヤレスユニットが受信。ユニットの中で、TCP-IPからUSBに変換し、ワイヤレスユニットに搭載されたUSB端子から出力する。その端子に、USB DACアンプを有線接続。USB DACアンプがスピーカーをドライブし、ハイレゾ楽曲が楽しめるという流れになっている。

 なお、「Air Hi-Res Link Technology」では、音質を高めるために、ワイヤレスユニットがUSB DACアンプ内のメモリを直接制御する事で、アシンクロナス転送のワイヤレス化も実現。USB DACアンプ側クロックを基準としてデータを送信しており、これらの技術も含めて「Air Hi-Res Link Technology」と名付けられている。

 アプリから再生できる対応ファイル形式は、WAV、AIFF、ALAC、AAC、MP3、FLAC、DSD(dsf/dff)。Gracenoteを使った楽曲情報自動取得、アルバムアートの変更、CDインポート(WAV、ALAC、AACから選択)、イコライザ、プレイリスト、シャッフルなどの再生機能も備えている。

使用イメージ

 再生できるのはiOS端末内の楽曲だけでなく、Windows/Mac向けにも、接続アプリ「Pioneer Wireless Connect」と「Pioneer Stellanova Player」を無償提供。このアプリを使う事で、iOSと同様にワイヤレスでのハイレゾ再生が行なえる。パソコン向けアプリで再生できるファイルは、WAV、MP3、FLAC、DSD(dsf/dff)。対応OSはWindows Vista/7/8/8.1。Mac OS X 10.7以降。

 さらに、ワイヤレスユニットには4つのUSBポートを備えており、USB DACアンプ以外の機器を接続する事も可能。例えば、外付けUSB DACやUSBメモリを接続すると、その内部に、iOS端末などからNASとしてアクセスできる。

 そのため、外付けHDDにハイレゾ楽曲を保存しておき、iOS端末からそのデータをワイヤレスで読み込み。それと端末のアプリでTCP-IP変換し、ワイヤレスユニットに伝送、USB DACアンプから再生と、PCを使わず、外付けUSB HDD内のハイレゾワイヤレス再生が可能になる。

ワイヤレスユニットに接続したUSB HDDやUSBメモリ内の楽曲も、iOS機器経由で再生できる

 HDDやUSBメモリだけでなく、Blu-rayなどの光学ドライブも接続可能。CD再生やCDリッピングにも対応。専用アプリ「ODFinder」(無料)を使い、HDDや光学ディスク内の動画、静止画データ、書類などが閲覧可能。USBの1ポートは、iPhone/iPadへの給電も可能。

ワイヤレスユニット

 ワイヤレスユニットは、IEEE 802.11a/b/g/nに対応。無線LAN環境の無い部屋でも使用できる「アクセスポイントモード」(無線LAN親機として使用)と、「ステーションモード」(無線LAN子機として使用)の切り替えが可能。

 対応OSはWindows Vista/7/8/8.1。Mac OS X 10.7以降。外形寸法は198×149×33mm(幅×奥行き×高さ)、重量は440g。電源はACアダプタ。

 各コンポの筐体はアルミ製で、5角形のデザインを採用。カラーバリエーションは、ワイヤレスユニットがブラック、ピンク、ブルー、ブラウンの4色。USB DACアンプがシルバー、レッド、ゴールド、グリーンの4色。

ワイヤレスユニットのカラーはブラック、ピンク、ブルー、ブラウンの4色
USB DACアンプのカラーはシルバー、レッド、ゴールド、グリーンの4色

USB DACアンプ

USB DACアンプ

 USB DACアンプには、TIバーブラウンの「PCM1795」を採用。DSD 5.6MHz、PCM 192kHz/24bitまでの再生が可能。PC向けのUSB DAC兼アンプとしても利用でき、対応OSはWindows Vista/7/8/8.1。Mac OS X 10.7以降。

 Bluetooth受信機能も備え、プロファイルはA2DPをサポート。スマートフォンなどと手軽に連携もできる。

 ステレオミニのアナログ入力、光デジタル入力も各1系統装備。スピーカー用アンプの最大出力は15W×2ch(6Ω)で、対応するインピーダンスは4Ω~16Ω。

 ステレオミニのヘッドフォン出力(対応インピーダンス16~600Ω)や、モノラルミニのサブウーファ出力も備えている。

 外形寸法は198×147×33mm(幅×奥行き×高さ)、重量は570g。

スピーカー

 2ウェイのブックシェルフで、66mm径のフルレンジユニットと、26mm径セミドームツイータを搭載。インピーダンスは8Ω。再生周波数帯域は75Hz~45kHz。最大入力は40W。

 真鍮製のスパイク型インシュレータなどを同梱する。外形寸法は103×140×205mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1台1.3kg。

(山崎健太郎)