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パナソニック、ワイプ撮り可能な4K/30pビデオカメラ

フルHDのHDR撮影やスマホワイプ撮影にも対応

 パナソニックは、4K/30p撮影をサポートし、ワイプ撮りにも対応するビデオカメラの新モデル「HC-WX970M」を1月23日に発売する。無線LAN機能や、フルHDでのHDR撮影にも対応。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は145,000円前後。カラーはブラック(K)とブラウン(T)を用意する。

 内蔵ストレージメモリは64GB。SDXCカードスロットも備えており、64GBまでのカードが利用できる。

左がブラウン、右がブラック

 総画素数1,891万画素、有効829万画素(4K動画)の、1/2.3型MOSセンサーを搭載。4K/60pでセンサーからの高速読み出しを行ない、ローリングシャッター歪などを低減している。ただし、記録は4K/30pまでで、4K/60pで記録はできない。映像処理エンジンは「クリスタルエンジン4K」を搭載している。

ブラックモデル

 4Kの記録モードは2160/30p(3,840×2,160/30p)で、MPEG-4 AVC/H.264のMP4を採用。最大72Mbpsでの撮影ができる。1080/60pなどでの撮影も可能で、AVCHDもサポート。MP4での920×1080/60p、1,280×720/30p、iFrame(960×540/30p)などでの撮影も可能。

 4K30pのデータ量に対応した映像エンジン「クリスタルエンジン4K」を搭載。AFにも特徴があり、フォーカススピオードや追従性能、細くした被写体をとらえ続ける性能を高めた「4KハイプレシジョンAF」を装備。駆動周波数は60Hz。パンニング時でもピントが合わせ続けられるなど、フルHDと比べ、難度が高い4K撮影に耐えるAF性能を持つとする。

レンズ

 レンズはライカレンズで、明るさはF1.8~F3.6、焦点距離は35mm換算で動画撮影時30.8~626mm(16:9/4K記録で傾き補正切時)の光学20倍ズーム(4K時、FHD時は40倍)。超解像iAズームは25倍。4K画質を活かすために、4つのレンズ群がそれぞれ個別のモーターで制御される「4ドライブレンズシステム」を採用。ゴーストやフレアを抑え、高解像度で、歪も抑えた撮影ができるという。

 手ぶれ補正は5軸ハイブリッドタイプで、傾き補正機能も搭載。無線LAN機能も備え、NFCにも対応している。

ブラックモデル
ブラウンモデル

ワイプ撮り進化。フルHDのHDRや4K PHOTOも

 同社コンシューマ向けカメラの上位モデルに搭載されてきたワイプ撮り用サブカメラを引き続き採用。モニタの端に内蔵されたサブカメラで撮影者などを撮影する機能。例えば子供の運動会撮影で、メインのカメラで自分の子供をアップで撮影、サブカメラで引きの全体映像を撮影するといった使い方が可能。家族の様子を撮影するお父さんが映像に写らないといったシーンでも、サブカメラを使って、ビデオカメラを構えたお父さん自身を撮影しておく事もできる。

 新機種ではこのサブカメラが進化し、アングルが上下方向に40度動くようになった。昨年モデルは水平方向に270度動くだけだったが、上下にもアングルが変えられる事で、より自由な撮影ができるという。サブカメラにも2倍の電子ズーム機能を備えている。

モニタに内蔵されたサブカメラのアングル自由度がアップした

 また、従来はメイン映像とワイプ画面を記録する場合、メイン+ワイプを合わせた映像を1ストリーム記録できるだけだったが、新機種ではその1ストリームに加え、ワイプの無いメイン映像だけを同時記録する事も可能になった。ただし、制限としてこの機能はAVCHDの1080/60iで撮影する場合のみ利用可能。4K撮影時や、後述するHDR動画モード、クリエイティブコントロールモード、スーパースローモード時は利用できない。記録可能時間も通常の半分となる。

 ワイプのスタイル変更も可能になった。小画面のフレーム色や、サイズの変更、自分撮りをワイプでする際に、自分の声を大きくして記録する事もできる。

 また、IEEE 802.11b/g/nの無線LANの機能を備え、ワイヤレスでのワイプ撮りも可能。スマートフォンなどをサブカメラとして扱う機能で、専用アプリの「Panasonic Image App」をインストールすると、そのスマホ/タブレットで撮影している映像をビデオカメラに伝送、ビデオカメラで撮影しているメイン映像内に、ワイプ映像としてリアルタイムに合成、ビデオカメラ側で合成した状態で記録できる。アプリだけでなく、パナソニックのウェアラブルカメラでも、ファームウェアのアップデートによりサブカメラとして使えるようになる予定。

 この機能により、両親がビデオカメラで子供を撮影。被写体である子供にスマートフォンなどを持たせ、自由に撮影してもらう。これにより、スマホでの撮影に夢中になっている子供をメイン映像としてビデオで記録し、子供が撮影した映像をワイプで入れるといった事ができる。なお、ワイヤレスワイプ撮り機能も4Kでは利用できない。

 小画面の撮影に使用できる機種は、HC-W850M、HC-V750M、HC-V550M、HC-X920M、HC-V720M、HC-V620M、HC-V520M、HX-A500、HX-A100。

 4K PHOTO機能も搭載。4K映像から、約800万画素の静止画を切り出し、写真として残せる。シャッタースピードは最大1/8,000秒。切り出した静止画にはExif情報も記録される。

側面
上から見たところ。NFCにも対応している

 なお、フルHD撮影のみに利用できる新機能として、初の「HDR動画」も搭載。映像処理エンジンの処理能力向上によって可能になったもので、露光時間を変えた2種類の映像を撮影して合成。明暗差の大きなシーンや逆光でも、被写体が陰らず、見た目に近い自然な映像が撮影できるとする。

 HDMI出力端子や、AV出力端子などを装備。外形寸法は65×161×73mm(幅×奥行き×高さ)。重量は362g。

(山崎健太郎)