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Ayre、20周年記念「ダブルダイヤモンド回路」搭載の最上位ステレオパワーアンプ

 アクシスは、Ayre Acousticsのステレオパワーアンプ、リファレンスモデル「VX-R Twenty」を発売した。Ayre創立20周年を記念したモデルで、価格は360万円。なお、従来モデル「VX-R」から「VX-R Twenty」への有償アップデートサービスも120万円(工賃込/送料別実費)で行なう。

ステレオパワーアンプ、リファレンスモデル「VX-R Twenty」

 VX-Rの後継モデルであり、モノラル・パワーアンプ「MX-R Twenty」の「優れた資質を投影するリファレンスシリーズ・ステレオパワーアンプ」としている。出力は200W×2ch(8Ω)、400W×2ch(4Ω)。

 出力段に、MX-R Twentyで確立した新方式「ダブルダイヤモンド出力回路」を搭載。コンプリメンタリーに組まれたNPN/PNPトランジスタ出力段を、上下対称に配置された初段トランジスタのエミッタフォロアでドライブし、高い電流駆動能力と高S/Nと低歪率を実現するダイヤモンド回路に対し、ダブルダイヤモンドは出力段だけでなく、初段までコンプリメンタリー・プッシュプル回路とした二重構造としている。

 これにより、温度上昇を35%抑え、低域でのより強力なパワーハンドリングと制動力を実現したとする。このダブルダイヤモンド回路は、ホット/コールドの各位相に均等に組み込まれており、完全バランス回路を形成。片チャンネルあたり、バイポーラ素子12個(ホット/コールド各々に3パラレルのNPN/PNP)による出力段としている。

内部回路

 カスコード/カレントミラー増幅回路を発展させた、独自のゲイン回路「EquiLockサーキット」も採用。ゲイントランジスタのリニアな動作特性領域を保つための電源電圧を安定にホールドし、電圧変動が引き起こすゲイントランジスタのコンダクタンス、キャパシタンス特性変化による動特性の乱れを抑えている。この回路をゲインステージの全てに搭載する事で、「極めて高いリニアリティーとワイドバンドウィズを超低歪率で達成した」という。

 フロントエンドからドライバまでのパワーサプライ回路、ディスクリート・リニアー・アナログ方式を採用。シングル・パワートランジスター出力方式によるレギュレーターに替え、コンプリメンタリー・プッシュプル出力回路のように作動する新開発「AyreLock」ボルテージ・レギュレータを新たに投入。電流増大時には瞬時にプルアップして出力パワーを上げ、減少時には瞬時にプルダウンして適正出力を保つことで、音楽信号の起伏がもたらす消費電流の増/減双方に、より鋭敏に対応できるという。

 筐体・シャーシは、MX-Rと同様に分厚いアルミ塊を切削して作っており、電源ブロック、AC給電ブロック、表示ブロック、アンプブロック、出力ワイヤーブロックの各セクションを完全独立コンパートメントとして形成したモノコック構造を採用。筐体全体がヒートシンクの役割も担い、回路への外部からの振動抑制と電磁シールドの効果も持たせている。

 電源にはEI型電源トランスを採用。左右チャンネルそれぞれに、独立したトランスを採用。極めてノイズレベルの低いリニア整流回路に電力を供給している。

 入力端子はXLRバランス×1。出力はバランス・スピーカーターミナル×1。消費電力は800W(スタンバイ時は45W)。外形寸法は440×480×95mm(幅×奥行き×高さ)。重量は35kg。

背面端子のイラスト

(山崎健太郎)