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Ayre、フラッグシップの技術を投入した中核「X-5 Twenty」シリーズのアンプ3機種

 アクシスは、米Ayre Acousticsのアンプ「X-5 Twenty」シリーズ3機種を6月に発売する。価格は、プリアンプの「KX-5 Twenty」、ステレオパワーアンプ「VX-5 Twenty」が各145万円、ステレオプリメインの「AX-5 Twenty」が210万円。価格はいずれもシルバーモデルのもので、ブラックモデルの場合は5万円プラスとなる。

プリアンプの「KX-5 Twenty」

 フラッグシップの「Rシリーズ」に採用された、「The Twenty Edition」と呼ばれるアンプ回路技術を、中核の5シリーズに導入しているのが共通の特徴。ディスクリート構成によるゼロフィードバック・フルバランス回路をベースとし、ドライブ品位を高めた新ダイヤモンド出力ステージや、強靭なAyreLock電源などを搭載している。

プリアンプ「KX-5 Twenty」

 フロントエンドから出力ステージの全段にわたり、ゼロ・フィードバック、フル・バランス回路で構成。オペアンプを一切使用しないディスクリート構成となっている。

 出力ステージには、新ダイヤモンド回路を搭載。コンプリメンタリーに組まれた出力トランジスターを、上下対称に配置された初段トランジスターのエミッタフォロアでドライブ。それをホット/コールドそれぞれに持たせた完全バランス仕様となり、高いSN比や低歪、位相直線性を極限まで高めたという。

 電源部には、AyreLockボルテージ・レギュレーターを搭載。通常のシングル・パワートランジスタ出力のレギュレータと異なり、コンプリメンタリー・プッシュプル出力回路のように作動し、負荷の電流増大時には瞬時にプルアップして出力パワーを上げ、電流減少時には瞬時にプルダウンし、一定電圧を乱れなく保持するという。「特にプリアンプでは元来僅かであったとは言え音楽信号のダイナミックスの起伏がもたらす消費電流の増/減双方に対する微細な変動にも、より鋭敏に、より精確に機能する画期的な超安定化電源」という。

 アッテネータを介さず、ラインレベルを直接入力し、アンプ自身のゲインを変化させることによって目的の出力レベルを得る可変ゲイン・テクノロジー(VGT)を採用。コントローラーには、KX-R Twentyと同様に4連のShallco製ソリッド銀接点46ステップのロータリースイッチをモーター駆動で搭載。ホット/コールド両位相のゲインを同時に、正確に変化させる完全バランス型可変ゲイン・サーキットになっているという。

「KX-5 Twenty」の背面仕様

 入力はバランス(XLR)×4、アンバランス(RCA)×2。出力はバランス(XLR)×2、アンバランス(RCA)×1。テープ用出力としてバランス(XLR)×1も備えている。外形寸法は440×340×100mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10.5kg。消費電力は最大60W。

ステレオパワーアンプ「VX-5 Twenty」

 出力は175W×2ch(8Ω)、350W×2ch(4Ω)のパワーアンプ。出力段に、ダブルダイヤモンド出力回路を搭載。コンプリメンタリーに組まれたNPN/PNPトランジスタ出力段を、上下対称に配置された初段トランジスタのエミッタフォロアでドライブし、高い電流駆動能力と高SN比と低歪率を実現するダイヤモンド回路に対し、ダブルダイヤモンドは出力段だけでなく、初段までコンプリメンタリー・プッシュプル回路とした二重構造としている。

ステレオパワーアンプ「VX-5 Twenty」

 これにより、温度上昇を35%抑え、低域でのより強力なパワーハンドリングと制動力を実現したとする。このダブルダイヤモンド回路は、ホット/コールドの各位相に均等に組み込まれており、完全バランス回路を形成。片チャンネルあたり、バイポーラ素子12個(ホット/コールド各々に3パラレルのNPN/PNP)による出力段としている。

 パワーサプライ回路には、ディスクリート・アナログ・リニア方式を採用。クリティカルな電圧安定度が要求されるフロントエンドからドライバまでの定電圧回路には、以前のシングル・パワートランジスター出力方式に替えて、コンプリメンタリー・プッシュプル出力回路のように作動するAyreLockボルテージ・レギュレータを搭載。電流増大時には瞬時にプルアップして出力パワーを上げ、減少時には瞬時にプルダウンして適正出力を保つという超能動的な働きで、音楽信号の変動に、より鋭敏に対応する。

 出力ステージへのパワーサプライには、整流素子として、さらに低損失かつ大容量を実現する「TO-247」パッケージの新デバイスを採用している。

 フロントエンドから出力ステージまで、全段をゼロ・フィードバック、フル・バランス回路で構成。オペアンプを使わないディスクリート構成となっている。電源トランスには、マッシブなEI型を搭載。AyreLockボルテージ・レギュレータとパワーステージへのハイ・ボルテージDC整流回路に電力を供給している。AC入力部には独自のパワーフィルタ「Ayre Conditioner」を搭載し、ACラインから混入してくる電源の高周波ノイズを熱エネルギーに変えている。

 入力はバランス(XLR)×1、アンバランス(RCA)×1。スピーカー出力×2(パラレル)。消費電力は最大800W。外形寸法は440×480×120mm(幅×奥行き×高さ)、重量は24kg。

「VX-5 Twenty」の背面仕様

ステレオプリメイン「AX-5 Twenty」

 出力125W×2ch(8Ω)、250W×2ch(4Ω)のプリメインアンプ。出力段に、ダブルダイヤモンド出力回路を搭載。出力段だけでなく、初段までもコンプリメンタリー・プッシュプル回路とした二重構造で、温度上昇を抑えている。

ステレオプリメイン「AX-5 Twenty」

 パワーサプライ回路には、ディスクリート・アナログ・リニア方式を採用。フロントエンドからドライバまでの定電圧回路には、コンプリメンタリー・プッシュプル出力回路のように作動するAyreLockボルテージ・レギュレータを搭載している。

 出力ステージへのパワーサプライには、整流素子として、さらに低損失かつ大容量を実現する「TO-247」パッケージの新デバイスを採用した。

 フロントエンドから出力ステージまで、全段をゼロ・フィードバック、フル・バランス回路で構成。ディスクリート構成となっている。電源トランスはEI型。AyreLockボルテージ・レギュレータとパワーステージへのハイ・ボルテージDC整流回路に電力を供給している。AC入力部には独自のパワーフィルタ「Ayre Conditioner」を搭載。

 可変ゲイン・テクノロジーも導入している。コントローラーには、KX-5 Twentyと同様に、4連のShallco製ソリッド銀接点46ステップのロータリースイッチを採用、モーター駆動で高精度固定抵抗を切り替えている。

 入力はバランス(XLR)×4、アンバランス(RCA)×2。スピーカー出力は1系統。消費電力は最大600W。外形寸法は440×480×120mm(幅×奥行き×高さ)、重量は21kg。

「AX-5 Twenty」の背面仕様

(山崎健太郎)