ニュース

Ayre、20周年記念のリファレンスプリ「KX-R Twenty」。VGT回路搭載で約409万円

リファレンスプリアンプ「KX-R Twenty」

 アクシスは、米Ayre Acousticsのリファレンスプリアンプ「KX-R Twenty」を3月に発売する。価格はシルバー仕上げが409万5,000円、ブラック仕上げが414万7,500円。

 2008年に発売されたリファレンスプリ「KX-R」の後継モデルであり、同社20周年を記念したモデルでもある。なお、「KX-R」を「KX-R Twenty」へアップグレードするサービスも141万7,500円で受け付ける。受け付けは3月中旬から行なう。

 「KX-R Twenty」の特徴は、VGT(バリアブルゲイン・トランスコンダクタンス)ボリュームを採用した事。プリアンプでは一般的に、入力信号はボリュームコントロールに使用されるアッテネーターによって一旦入力レベルが減衰され、後段の固定ゲイン回路によって再び増幅される。この際、変動するインピーダンス特性で周波数特性が変化し、低レベル設定になるほど信号レベルがノイズフロアに近づき、SNが悪くなるという。

VGT回路

 VGTでは、入力信号のレベルには関与せず、アンプの増幅率をコントロールすることで出力レベルを設定。インピーダンス変動による周波数特性の変化も無く、使用頻度の高い-30~-40dBでも、良好なSNを維持できるという。

 VGT回路には、固定抵抗を60ステップで切り替える銀接点のロータリースイッチがチャンネルごと、ホット/コールド側それぞれに計4個搭載され、1dB単位で精確なゲイン設定が可能。

 VGTのボリューム回路と入力切替のロータリースイッチは、ベルトとステッピングモーターで駆動。操作ノブと直結するロータリーエンコーダーによる“フライバイワイヤー”コントロール方式とし、操作に機敏に反応する。

 独自のEquiLock回路も採用。カスコード/カレントミラー増幅回路を発展させた、電圧無変動ゲイン回路であり、フロントエンドを構成する全てのゲイン回路にEquiLockサーキットを採用。電圧を極めて安定にホールドし、電圧変動が引き起こすゲイントランジスターのコンダクタンス、キャパシタンス特性変化による動特性の乱れを低減している。

 内部はフルバランスのディスクリート回路構成。ゼロフィードバックの回路構成になっている。

背面

 入力端子はバランス(XLR)×4、アンバランス(RCA)×4の8系統で、パススルー設定も可能。各2系統のバランスプリアウトと、バランステープ出力も備えている。同社「MX-R」との連携や、ステータス表示などを行なうための「RJ-11エアーリンク・ポート」も備えている。

 筐体はアルミ削り出しのモノコック・シャーシ。75ポンドの宇宙航空グレードのアルミブロックを使っている。電源部には独自のパワーフィルタ「Ayre Conditioner」を搭載し、クリーンな電流を安定供給できるとする。

 消費電力は35W/65W(スタンバイ・通常動作時/ボリューム操作時)。外形寸法は438×292×95.3mm(幅×奥行き×高さ)。重量は19kg。リモコンが付属する。

(山崎健太郎)