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AllSeen Alliance、家電連携フレームワーク「HAE」を発表

 IoT(Internet of Things/モノのインターネット化)の推進を行なう非営利団体、AllSeen Allianceは、スマート家電やエンターテインメント機器を制御・監視するための新たな標準インターフェース「Home Appliances and Entertainment」(HAE)サービスフレームワークを、4日(独・ベルリン時間)に発表した。

 HAEサービスフレームワークは、家の中にある家電同士の連携を実現するための開発フレームワーク「AllJoyn」をベースとしたもの。開発に携わる主要企業として、ソニー、パナソニック、シャープ、ハイアール(Haier)、LG、Electrolux、Honeywellなどが参加。エアコンや空気清浄機など空調関連機器や、オーブンや冷蔵庫といったキッチン用電気製品、テレビなどのAV機器に至るまで、各メーカーのあらゆる機器をシームレスに接続することを目指す。

 現在のスマートホームシステムやスマート家電は相互連携が難しく、複雑なインターフェースを備えるため、異なるメーカーの製品同士で連携させるには標準インターフェースとAPIが必要となる。AllSeen Allianceでは機器間での制御・監視用に、共通の最小オペレーションセットを取り決め、共通インタフェースで制御できるようにするとしている。HAEサービスフレームワークの利用シーンとしては、LG電子の洗濯機で洗濯が完了すると、Electroluxの冷蔵庫の画面に洗濯完了の通知を表示させる、といった例を挙げている。

 LG Creative Innovation CenterのTaeg-il Choバイスプレジデントは「LGのwebOSテレビと、Electroluxのオーブンやパナソニックの洗濯機をシームレスに相互連携させられるように、我々は共通のフレームワークを開発する必要がある。HAEサービスフレームワークは、スマートホーム空間における他の企業とのコラボレーションと、既存の相互運用性の問題を克服するための協力を可能にするものだ」とコメントしている。

 なお、前述のAllJoynの仕組みを利用した例としては、Qualcommが開発したWi-Fi(無線LAN)ベースのオーディオソリューション「AllPlay」があり、パナソニックのワイヤレススピーカー「SC-ALL2」やCDオーディオシステム「SC-ALL5CD」(いずれも'15年7月発売)などで採用されている。

(庄司亮一)