NEC、低遅延なフルHD HEVCリアルタイムエンコーダ/デコーダ

　NECは、フルHD映像をH.265/HEVCでリアルタイムエンコードできる「VC-8700」と、デコーダ「VD-8700」を'16年4月より放送事業者向けに発売する。

エンコーダ「VC-8700」

デコーダ「VD-8700」

　報道やスポーツイベントで使われる無線中継装置、IPネットワークによる映像伝送などにおいて、効率的な伝送によるコスト削減や、高画質/低遅延な映像処理を実現するというエンコーダ/デコーダ。コーデックはH.265/HEVCとMPEG-4 AVC/H.264に対応し、最大1080/59.94pの4:2:2映像をエンコード/デコード可能。

　HEVCにより圧縮効率をMPEG-4 AVC/H.264の約2倍に高めているほか、同社の持つ超低遅延技術を活用し、約20msの低遅延でフルHD映像の圧縮・伸長処理を実現。遠隔地からの生中継や、送られてくる映像を見ながら可動式カメラを遠隔制御する場合など、リアルタイム性が求められるシーンにおけるスムーズな映像伝送を可能にするという。

　音声データを低遅延で圧縮する「MPEG-4 AAC ELD規格」に対応。音声圧縮に割り当てるビットレートを削減し、映像圧縮に多くのビットレートを割り当てられるため、より高品質な映像を伝送できるとする。

　エンコーダ/デコーダ間のデータ伝送はMPEG-2 TS信号で行ない、インターフェースは1000Base-T対応のEthernetなど。外形寸法と重量は共通で、210×400×44mm(幅×奥行き×高さ)/3kg。