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東京タワー、2度目の東京五輪を目指して強化。i-dioも放送開始
(2016/3/14 19:31)
東京タワーを運営する日本電波塔は、14日メディア発表会を開催。3月にスタートしたマルチメディア放送「i-dio」の放送開始や'16年以降の営業施策について説明した。
1958年12月にオープンし、開業58年目に入った東京タワー、2013年6月には登録有形文化財に、'14年には目の前の通りが「東京タワー通り」になるなど、東京のランドマークとして定着しているが、「2018年の60周年や、2020年の東京オリンピックを目指し、電波塔、観光塔として、さらなる強化に取り組む」という。
日本電波塔の前田 伸 代表取締役社長は、2015年の取り組みを振り返り、「一番大きく変わったのは、(東京タワー下部の商業施設)フットタウンビル」と説明。従来4~5階は地上アナログ放送の送信機室だったが、アナログ放送停波に伴い、一般の来場者が入れるように3年をかけて改修。'15年3月には「ワンピース」のテーマパークとなる「東京ワンピースタワー」をオープンした。
加えて、入り口ロビーも高級ホテル風に改修。フットタウンは、テナントだけでなく、自社運営のショップも大幅リニューアル。売り場面積を倍増することで、自社ショップは売上高前年比180%に伸長するなど、ハード、ソフト両面の強化で来場者を獲得。インバウンドの波もあり、来客数は増加傾向となっているという。
また東京タワー本体も、新たな耐震工事を実施し、「完全な備えを完了した。見えないが大きなPRポイント」とアピールした。
東京タワーが使われる施策としては、2016年5月ごろに発行予定の地方自治体法施行60周年記念1,000円銀貨に、東京タワーの絵柄が使われることが決定。東京タワー、レインボーブリッジ、ゆりかもめをデザインし、硬貨に赤のカラーを使った東京タワーが刻印される。この発行を記念し、5月20~23日に特設コーナーを設けて記念硬貨展を開催予定としている。
また、観光拠点としては大きなバスターミナルを活用し、高速・夜行バスのウィラーバスと協力。都心の平面バス駐車場としては大きなスペースを有していることから、これを用いて、定期高速バスの停留所を開設。4月からウィラーの停留所を設け、東京タワーと関西、新潟・長岡、仙台、福島を結ぶバス便を展開予定。「タワーとしても来塔者や飲食の掘り起こしを図り、タワーの事業運営や出店者の事業貢献を目指す」という。
放送塔としては、タワー最上部から3月1日にマルチメディア放送「i-dio」の放送を開始した。専用のスマホやチューナを使って視聴できるほか、映像の送信も可能な「ラジオでもテレビでもない新しい放送」をアピール。また、災害時に情報をあまねく伝達できる手段として「防災に強い放送」を訴求していくという。
また、クリスマスやバレンタインなどの季節イベントや、プロジェクションマッピング、不思議の国のアリス誕生150周年を記念した「アリスインサイエンス・ワールド」、リオ五輪にあわせた特別ライトアップなどの施策も予定している。
前田社長は、「あと2年で開設60年。さらに2年の2020年は、東京タワーのとして2回目の東京オリンピックになる。東京地域のランドマークとして、社会的貢献を込めて2016年も事業を進めていきたい」と語った。