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「スマートホーム」は身近に。テレビなど家電のネット接続が生む価値とは
(2016/4/19 09:34)
ドイツ・ベルリン国際見本市会場で9月2日~7日(現地時間)に開催される家電ショー「IFA 2016」のプレイベント「IFA 2016 Global Press Conference」(IFA GPC)が香港と中国・深セン市で開催。その中から、GfKによるデジタル家電や生活家電などの最新トレンドや今後の予測などについてのプレゼンテーションをレポートする。なお、IFA 2016の開催概要や、昨年からの変化などについては別記事で掲載している。
例年、IFA GPCでトレンドを紹介しているGfKのコンシューマエレクトロ二クス部門グローバルディレクター・Juergen Boyny氏による今年のテーマは「The CONNECTED Consumer」。モノがインターネットにつながるIoTの盛り上がりについて、ネット接続できることが単に“目新しい機能”であることを超えて、ニーズがあり、統合された機能として備わることで、新たな“コネクテッド”製品としての価値が生まれると説明した。
2030年までの傾向として、世界の人口と、ミドルクラス(OECDの定義する中産階級)の割合が増加するとの予測に触れ、特にアジアのミドルクラスが、'09年の28%から'30年は66%へと急激に増加。また、単身世帯は'30年までに40%増加すると見ている。
こうした背景を踏まえ、全世界のスマートフォン市場は'15年の13億1,000万台から、'16年は14億台へ成長すると予測。15~'16年は特にアジアの新興国や中東・アフリカが'著しく成長するとしている。スマートフォン市場の盛り上がりに合わせて、モバイル決済の広がりにも期待を寄せている。
音楽製品は、'15年~'16年にかけて、ヘッドフォン/ヘッドセットが3億1,200万台から3億3,400万台へ、Bluetoothスピーカーが3,400万台から4,200万台へそれぞれ増加すると予測。
アクションカメラは、'15年の8,500万台から'16年には1億900万台に伸びると見ている。スマートウォッチは、'15年の1億8,700万台から'16年は3億8,100万台、'17年は7億4,600万台へ増加すると予測している。スマートウォッチをリモートコントローラとして活用することへの関心は、49%の人がスマートホームに対し、47%が自動車に対して持っているという。
テレビ市場については、4K(UHD)など画質を軸としたイノベーションと同様にConnected TVが成長のカギを握っているとし、映画のコンテンツとしての力が根強いという点や、インターネット上のコンテンツ利用が増えるとの見込みなどを紹介。YouTubeを視聴するユーザー数は全世界で13億で、毎分300時間のビデオがYouTubeにアップロードされており、10億本のYouTube動画がスマートフォン上で観られているという点なども合わせ、従来の見方である放送視聴時間はわずかに減る一方で、「インターネットが新しいテレビ(視聴コンテンツ)になっている」との認識を示している。
IoTの動向については、50%のコンシューマが“スマートホーム”テクノロジーが数年先の生活にインパクトを持つと感じているとの調査を示した。Boyny氏は、オーディオ製品や、スマートホーム、ウェアラブル、VR(Virtual Reality)などの様々な広がりを例に、「IoTは既に(身近に)存在している」とした。