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アコースティック技術で自然な前方定位のヘッドフォン「CZ-1」。3ドライバ内蔵
(2016/4/27 12:14)
トライオードは、アコースティックな技術により音場が前方に定位するという台湾CROSSZONE製のヘッドフォン「CZ-1」を6月下旬に発売する。価格は25万円。
CROSSZONEは、大手音響機器メーカーの元エンジニアが協力し、台湾のEMSメーカーが設立した会社。CZ-1の組み立ては長野県岡谷市の工場で行なっている。
CZ-1は、一般的なヘッドフォンのように、耳元にあるドライバから生成される音場が頭の中で聞こえる(頭内定位)のではなく、前方定位(頭外定位)を実現し、「音楽ソースが持つ音場や空間情報を自然に再現できる」とするヘッドフォン。DSP技術ではなく、「ART(Acoustic Resonance Technology)」というアコースティックな手段で前方定位を可能にした点が特徴。ハウジングは密閉型。
主音源再生用の2つのドライバユニット(高域用/低域用)と、逆チャンネルの音源を再生するもう1つの専用ドライバユニットを搭載。ADC(Acoustic Delay Chamber)技術により、音楽ソースを選ばない自然な音場を実現したという。
低域用ドライバは40mm、高域用は23mmで、いずれも振動板にベリリウムコーティングを施している。低域用ドライバには真鍮フレームを使用することで、低域から高域までの自然な音の再生を実現したという。
ヘッドバンドにはマグネシウムダイキャストを使うことで変形しない構造とし、頭の大小に関わらず一定で最適な側圧を簡単に得られ、長時間の音楽鑑賞でも疲れない自然な装着感も可能にしたとしている。
ハウジングは、内部に3つのドライバを立体的に配置した三角形状。前述のARTを実現するためのADCをモチーフとしたアイコンを外側に配している。
ケーブルは着脱可能で、1.5m(モバイル用/ステレオミニプラグ)と3.5m(リスニングルーム用/ステレオ標準プラグ)の2本が付属。ヘッドフォン側の端子は4極ミニで、極性のアサインが独自仕様となっている。
ケーブルには高伝達特性を持ちノイズに強いツイスト構造のOFCリッツ線を使用している。アンプ側のプラグ(3極)から8芯(4芯×2)に分離することで、左右チャンネルのセパレーションを確保。ハウジングのコネクタ部を防水構造として空気の漏れによる音質変化も管理する。ケーブルは左右どちらにもLRチャンネルが供給される構造で、ハウジングへ接続する際にはLRの区別なくケーブルの付け外しのストレスがないという。
再生周波数帯域は20Hz~40kHz、感度は97dB、インピーダンスは75Ω。重量は約500g。専用ケーブルと変換プラグが付属する。