ニュース
エイベックス映像事業は「おそ松さん」ヒットするも増収減益。dTV会員数は過去最高
(2016/5/11 18:31)
エイベックス・グループ・ホールディングスは11日、'16年3月期('15年4月~'16年3月)の連結業績を発表。売上高は前年同期比8.9%マイナスの1,541億円で、営業利益は同16.1%マイナスの72億円となった。また、dTVやUULAなどの映像事業は増収減益、音楽事業は減収減益となった。
映像事業
映像事業の概況は、映像配信会員数の増加と「おそ松さん」のヒットにより前年同期比4.9%増の418億円となった一方、dTVへのリニューアルに伴うコンテンツ調達費と販促宣伝費の増加などで、営業利益は同95.3%減の0.8億円となった。
dTVの会員数は、第4四半期に551万人に達し、過去最高を更新。UULAは、'15年第4四半期の157万人をピークに減少を続けており、'16年第4四半期の会員数は88万人。2016年3月をもってUULAがエイベックスの100%子会社になったことから、「より主体的な事業運営が可能」としている。
音楽事業
音楽事業は、主に音楽パッケージでアルバム販売が減少したことにより、売上高が612億円(前年同期比9.5%減)、営業利益65億円(同16.1%減)の減収減益となった。音楽配信は、旧譜の割合が増加したことで売上総利益率が大幅に改善。著作権使用料が主な収益の音楽出版は安定して推移しているという。
2020年に向け、ヒットコンテンツの収益強化など成長戦略を発表
11日に発表した「avex group 成長戦略2020」では、主な事業強化として「ライヴ」、「アニメ」、「デジタル」の3項目を挙げている。
「ライヴ」に関しては、外部企業との連携も視野に入れた洋楽/邦楽ライブの新規受託増加や、ファンクラブ/グッズなど周辺ビジネスの強化による収益の最大化などを掲げている。
「アニメ」は、国内パッケージ事業中心に留まらず、成長市場のゲームアプリやグッズ、配信などを海外まで含めて収益の最大化を図る。具体的には、「おそ松さん」などのヒットコンテンツを活用したゲームアプリやグッズ販売などによるマネタイズの強化/勝ちパターンのモデルづくりと、他IPへの展開、新たなIPの取得/権利拡大、アニメタイムズを中心とするコンテンツ調達事業の強化を挙げている。
「デジタル」は、既存の配信事業に限定せず、様々なエンタメのデジタル化を推進。ライブやアニメを含め、グループ全体でデジタル事業を強化していく。