ミニレビュー

1台4役のマルチ自撮り棒「iKlip Grip」が取材に活躍

テーブル&ミニ三脚+自撮り棒+シューティンググリップ

 最近、日本の観光地でも見られるようになった自撮り棒。基本的に単機能の自撮り棒に対して、IK Multimediaの「iKlip Grip」は1台3役にも4役にもなる、使い勝手のいい製品だ。

oスマートフォン用三脚iKlip Grip
ベルボンが出していた同様の一脚「ポールポッド」(左)との比較。普通の一脚と比べるとやはり短いが、やはり自立するのは便利

 自撮り棒は、カメラ的に見れば一脚だが、伸縮する脚の固定機構も長さも一脚としては物足りない。名前の通り、自分撮り以外での使い道がほとんどないのが、欠点といえば欠点。私は自分撮りをほとんどしないので今まで使用してこなかったが、このiKlip Gripは、自分撮り以外の用途にも使えるのがいい。

 というより、自撮り機能は複数ある機能の1つで、「スマートフォン用テーブル三脚」というのが正確かもしれない。個人的にこの製品を購入したポイントもそこにある。実売価格は約7,000円。

スマホ用三脚として活躍。リモコン省略は寂しい

 iKlip Gripのメインパーツは4つ。1つはスマートフォン装着用のアダプターで、これは上下からバネの力でスマートフォンを挟み込むタイプ。結構大きく開いて、画面サイズ6インチの「Nexus 6」も問題なく挟み込めたので、iPhone 6 Plusでも問題ないはず。

スマートフォン装着用のアダプターも外れるので、パーツは4つ

 続いては雲台。自由雲台で、後述する三脚部や拡張パーツにねじ込んで装着する。このねじ込みと同時にボールがロックされ、このねじ込みを緩めればボールも動く。あまり操作性は良くないけれど、動き自体は滑らか。もちろん縦位置に固定することもできる。雲台には1/4インチ径のネジがあるので、通常のカメラを装着することもできるし、アダプターを使えばスマートフォンを装着できる。

スマートフォンとしても幅広なNexus 6も装着できた

 そして三脚部分。閉じた状態では1本の棒だが、3分割されて開くと三脚の脚になって自立する。ここに雲台を装着すれば、テーブル三脚として利用できる。

 最後が拡張パーツ。最大約45cmまで伸ばせるパイプで、雲台と三脚の間に装着すれば、さらに背の高いテーブル三脚として使える。拡張パーツの伸縮は3段で、ロックはなく、力を入れれば伸び縮みする。

 最長まで伸ばして脚を開いた時の高さは実測で63cm程度。通常の一脚や三脚としては長さが足りないが、ミニ三脚と考えれば悪くない。三脚ほどスペースを取らずに自立するため、結構色んな場面で役立ちそう。

 そして三脚部分は、閉じるとゆるやかなカーブを描く形状で、手のひらにフィットして握りやすい。ここを持つことで、自撮り棒として使える、というわけだ。自撮り棒としての長さは、現実的なレベルだろう。

 自撮り棒を使うと、カメラのシャッターボタンに手が届かないので、遠隔でシャッターを押す手段が必要になる。iKlip Gripには本来Bluetoothリモコンが付属しているのだが、実は日本発売モデルにはこれがない。理由は技術基準適合証明(技適)を取得していないから、というもので間違いないだろう。これを取得するにはコストも時間もかかるし、これがないと利用が違法になってしまうので、付属させないことを選んだようだ。

 元々自撮り棒としての利用は想定していなかったが、それでも海外よりも機能が省かれているのは残念。まあ、製品写真を見る限り、リモコンとしては一般的なもののようなので、市販されているリモコンなどでも代用できるかもしれない。最近のスマートフォンカメラだと、笑顔や手のひらのジェスチャーなど、リモートシャッター機能もあるので、その辺を使っても良さそうだ。

自撮り棒として使ってみた。長さとしては手ごろな感じ

 こうした三脚にもなる一脚はカメラ用にもあるが、そちらは長すぎるし重いので、片手で支えて自撮りをする、というのが難しくなる。その辺りを考えると、重量バランスや長さはこのあたりが限界だろうか。

 ちゃんとした三脚や一脚が必要で、しかもスマートフォンを装着したい場合は、iKlip Gripのスマートフォンアダプターを使えばいい。アダプターにはねじ穴があるので、それを三脚側の1/4径ネジに装着すればスマートフォンを利用できる。

安定した撮影も可能に

重量としては微妙だし歩く際のブレを吸収できるほどではないが、パンやチルトの動作は結構滑らかになる

 テーブル三脚、自撮り棒、ミニ三脚、という3役に加えて、テーブル三脚から脚を閉じて手に持てば、いわゆるシューティンググリップにもなって、これで4役。

 スタビライザーではないが、それでもスマートフォンだけを持って撮影するよりも手ブレは抑えられて安定するし、特に動画撮影時に威力を発揮する。また、拡張パーツを付けて脚を伸ばした状態で上部を軽く持つと、簡易的なスタビライザー的にも使える。カメラ用の一脚では知られたテクニックだが、軽くパンする程度なら、それなりに有効。

 ほかにも、「三脚を開いて胸に押し当てて構えると安定する」という、ミニ三脚を使ったカメラのテクニックも使える。手ブレしやすいスマートフォンのため、これは結構効果的。

三脚部を胸に押し当てて構えるとブレが減らせる。一番下部のパイプを持って撮影するといい

 私がもともと目的としていたのは、取材時にテーブルに置いてスマートフォンで発表会やインタビューを録画。そのまま手に持って登壇者を囲んで取材、という使い方。実は今までも別のテーブル三脚で同様のことをしていたのだが、多少の長さがあると便利なことが分かったので、伸長式のものが欲しかったのだ。

 使用を想定していたパナソニックのスマートカメラ「DMC-CM1」は、横幅はともかく厚みがスマートフォンとしては厚く、スマートフォンアダプターがギリギリなのが気にかかる。ギリギリ引っかかってはいるので使えてはいるが、落下の危険があるかもしれない。特殊なスマートフォンとは言え、上下で挟み込むタイプのスマートフォンアダプターの欠点で、このあたりは注意したいところ。

 とはいえ、スマートフォンアダプターを別の三脚に使ってもいいし、アダプターを外せばコンパクトデジカメや小さなミラーレスカメラ、GoProなどの小型カメラにもピッタリ。テーブル三脚としてもミニ三脚としても使えて、自撮り棒にもなって、とにかく活躍の場が広い製品だ。

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iKlip Grip

(小山安博)