レビュー

ドコモ「dstick」を試す。ケータイ系スマートTV比較(1)

TVでみる「dビデオ」の魅力。UI最適化を期待

SmartTV dstick 01

 日本でも普及が進みはじめた定額制の動画配信サービス。その中で昨今1つのトレンドとなっているのが、携帯電話キャリアが提供する、HDMI端子を搭載したスティック型端末を利用してテレビで視聴できるタイプの動画配信サービスだ。

 2012年10月に開催された新端末発表会の場において、スティック型端末のサービスをいち早く発表したソフトバンクモバイルは、同年12月上旬予定だった「SoftBank SmartTV」を2013年2月20日に開始。KDDIは2月23日に「Smart TV Stick」を、NTTドコモは3月1日に「SmartTV dstick 01」を発売し、3キャリアのスティック型動画配信サービスが出そろった。

 いずれの端末もスマートフォンやタブレット向けの動画配信サービスをテレビでも視聴可能とし、「ケータイ連携のスマートテレビ」提案を行なっている。ただし、キャリアごと細かい点でサービスや仕様が異なる。

 NTTドコモの場合、dstickで利用できるのは自社サービスのみに限られるが、YouTubeの視聴やDLNAを利用したホームネットワーク内での動画再生といった機能も搭載。ソフトバンクモバイルはエイベックスと共同で立ち上げた定額制の「UULA」のほか、都度課金型の「TSUTAYA TV」、多チャンネル放送の「BBTV NEXT」、無料で視聴できる「GyaO」など、定額以外のサービスも幅広く対応している。

 KDDIのSmart TV Stickも自社の定額サービスのみに対応する点はドコモと同様だが、Androidアプリを追加してインストールできるため、いわゆる「スマートテレビ」としての利用も可能だ。

 そこで、各キャリアが力を入れるスティック型スマートテレビ端末とビデオを中心とした配信サービスの現状を3回に分けて検証する。第1回目は、NTTドコモの「SmartTV dstick 01」だ。

【各キャリア端末のサービス比較】

キャリア 端末 対応サービス 月額料金 配信数 その他機能 操作
NTTドコモ dstick dビデオ 525円 約7,000タイトル
約57,000コンテンツ
DLNA
YouTube
スマートフォン・タブレット
dアニメストア 420円※1 約300タイトル以上、約4,000話※2
dヒッツ 315円 約100万曲
KDDI Smart TV Stick ビデオパス 590円※2 約2,000タイトル約7,000本 YouTube
ニコニコ動画
Androidアプリ
スマートフォン・タブレット
専用リモコン(同梱)
うたパス 315円※3 約50チャンネル
LISMO WAVE 各250円※3 FMラジオ52局、ミュージックビデオ(Musiclips)
ソフトバンク SoftBank SmartTV UULA 月額490円 約60,000本 - スマートフォン・タブレット
TSUTAYA TV 都度課金 約40,000作品
BBTV NEXT チャンネルごと課金 50チャンネル
GyaO 無料 約2,000本※3

※1一部個別課金あり
※2月額390円のスマートパスとセット契約すると合計で780円に割引
※3スマートパス会員は無料
※4スマートフォン・タブレットは約600作品約9,000話
※5開始当初は500本

Androidを独自仕様にカスタマイズした専用端末「dstick」

dstick 01。フリスクケースサイズの本体だ

 NTTドコモの「SmartTV dstick 01」は、NTTドコモが運営する映画・ドラマの見放題サービス「dビデオ」、アニメに特化した見放題サービス「dアニメストア」、邦楽曲を中心とした聴き邦題サービス「dヒッツ」の3サービスをテレビで視聴できるスティック型端末。3月1日からドコモオンラインショップで発売を開始し、価格は8,925円。利用にはNTTドコモのspモード契約が必須のため、必然的にNTTドコモユーザー向けの端末という位置付けになる。

 なお、dビデオ、dアニメストア、dヒッツいずれかに加入したユーザーを対象に、dstickを抽選で7万名にプレゼントするキャンペーンも2月1日から5月31日まで実施されている。すでに2月の対象人数である4万人は抽選が終了しているが、3月以降も1月に1万名ごと抽選でプレゼントされ、一度外れても再度応募することが可能だ。

 dstickの本体サイズは約83×27×11.7mm、重量は約23gと、フリスクケース程度の小型な端末。外観は一見するとUSBメモリのようだが、CPUがCortex A5 800MHz、512MBメモリ、内蔵ストレージ容量4GBのAndroid端末だ。ただし、dビデオやdアニメストア専用のカスタマイズが行なわれているため、Google Playを利用してアプリをインストールするといった使い方はできない。

 テレビと接続するためのHDMI端子のほか、給電用のマイクロUSBポート、設定用のボタンを搭載。USB端子を備えたテレビであれば同梱のマイクロUSBケーブルで給電できるが、USB端子を持たないテレビの場合は別売の「ACアダプタ03/04」などを用意する必要がある。ワイヤレス接続はIEEE 802.11b/g/nの無線LANおよびBluetooth 2.1+EDRをサポートする。

USBで給電
側面
同梱品はUSBケーブルと説明書だけのシンプルなもの

初期設定はテレビ画面で丁寧に解説

テレビに接続したところ

 設定方法は非常に簡単で、テレビにdstickを装着し、付属のマイクロUSBケーブルでテレビと接続して電源を供給すると、自動でdstickが起動し、初回設定画面がテレビに映し出される。以降の設定はすべて画面に表示されるため、指示に従って操作するだけでdstickが利用可能になる。説明書を一切読まずとも画面を見るだけで設定できるのは便利だ。

電源を入れると自動で起動
設定方法が画面に表示される
QRコードを読み取るとGoogle Playのリモコンアプリページにアクセス

 dstickの電源投入後は、dstickをスマートフォンから操作するためのAndroidアプリ「dstickリモコンアプリ」を準備する。対応OSはAndroid 2.3以降で、画面に表示されたQRコードを読み取るとリモコンアプリのダウンロードURLが表示される。アプリのインストールが完了すると自動でスマートフォンとdstickの接続設定を行なってくれる。

 dstickとスマートフォンとの接続はBluetoothで行なわれる。一般的なBluetooth設定であれば、接続先の端末を能動的に選択するペアリングの承認が必要なところを、dstickではQRコードを読み取るだけで手動承認を行なう必要がないのは手軽だ。なお、dstickリモコンアプリはGoogle Playから直接ダウンロードもできるが、その場合も画面に表示されたQRコードを使った認証が必要になるため、設定画面からアプリをインストールした方が手順としては簡単だ。

 また、NTTドコモの回線ではなく自宅の無線LANを使ってNexus 7からアクセスしたところ、Googleアカウントによってアプリをダウンロードできる場合とダウンロードできない場合があったものの、ダウンロードできる場合はインカメラを使ってペアリングを行なうことで問題なくdstickを利用できた。また、ダウンロードできないアカウントも、バックアップアプリ経由でdstickリモコンアプリを送ったところ問題なくインストールできた。dstickの操作で一度に利用できるリモコンアプリは1つに限られるものの、通常持ち歩くスマートフォンとは別に、自宅に置いておくタブレットにもリモコンを設定しておけるというのはありがたい。

 リモコンの設定が完了したら、以降の設定はすべてリモコンアプリ側から行なうことになる。続いての設定はdstickを無線LANに接続するための作業だ。画面にはリモコンアプリの設定に続いて無線LAN接続のための設定ガイドが、リモコンアプリにはdstickで接続できる無線LANアクセスポイントが一覧表示され、接続したいアクセスポイントをスマートフォンで選び、暗号化キーを入力する。

 暗号化キーの入力はスマートフォンやタブレットで操作できるため、普段使っている文字入力環境をそのまま利用できるのが嬉しい。また、WPSにも対応しているため、WPS対応の無線LANルータであればボタン操作のみで無線LAN接続を完了できる。

アクセスポイントの設定方法。設定はスマートフォンから行なう
アクセスポイントの設定画面
暗号化キーはスマートフォンで文字を入力

 無線LANの設定が完了すると、リモコンアプリの操作ガイドに続いてdstickのポータル画面が映し出され、各種サービスが利用可能になる。いずれのサービスもdocomo IDでのログインが必要だが、dstickからの新規登録には対応していないため、事前にdocomo IDおよび対応サービスの契約をスマートフォンやタブレットから行なっておく必要がある。

リモコンアプリの操作ガイド
dstickのトップページ

操作はスマートフォン・タブレットから。電源や音量もコントロール可能

 dstickから対応サービスを視聴するには、リモコンアプリの下部にあるサービスアイコンか、テレビ画面に表示されるポータル画面のサービスアイコンからアクセスする。DLNAやYouTube視聴に対応した「SmartPlay by Twonky」を利用する場合はテレビポータルからのみアクセスでき、リモコンアプリからは利用できない。

 なお、dstickで対応するdビデオ、dアニメストア、dヒッツはいずれも同じNTTドコモのサービスではあるものの、細かな仕様がサービスごと異なる。リモコンアプリからのアクセスはその1つで、dビデオは対応サービスをリモコンアプリで切り替えた場合でも今まで見ていたページを保持するが、dアニメストア、dヒッツは他のサービスに切り替えてから戻ると常にトップページへ戻されてしまう。

 サービスの利用も、dビデオ、dアニメストア、dヒッツそれぞれの利用ごとにdocomo IDでログインする必要があるほか、dビデオの場合は1つのIDにつき登録できる端末は5台までとなり、「複数端末を登録した場合はダウンロードコンテンツの再生時にライセンス認証を行なう」、「ダウンロードコンテンツの再生時間を3時間に制限する」といった注意事項が表示される。

 同じドコモのサービスながら、dビデオはエイベックス、dアニメストアは角川書店と提携企業が異なるとはいえ、ログインなど基本的なところは共通化してほしいところだ。

各サービスはdocomo IDでのログインが必要
dビデオは複数端末利用時にライセンス周りの仕様が変更される

 dstick本体の設定もテレビ画面側から行なう。無線LANアクセスポイントの接続先変更や画面サイズの調整ができるほか、内蔵ストレージやインストールされたアプリの確認も可能。dstickのトップページでは右側のサービス一覧に余白が存在することを踏まえると、今後はdstickにアプリをインストールすることで新たなサービスが利用可能になりそうだ。

設定画面
ディスプレイ設定
ストレージ
端末情報
アプリケーション
初期化

 画面の操作はすべてリモコンアプリで行ない、中央の四角いエリアをタッチすると画面にポインターが現れ、タップすることでポインターの位置を選択。画面の上下移動は右スクロール操作領域をタッチして操作する。画面を戻りたい場合はスマートフォンの「戻る」ではなく、リモコンアプリ上部の「戻る」ボタンを利用する。誤ってスマートフォンの「戻る」を押した場合でもアプリを終了するかどうかの選択画面が表示されるため、誤ってアプリを終了することはない。

リモコンアプリの操作画面
リモコンアプリの設定画面

 画面の操作以外に、テレビの電源オンオフや音量の調整にも対応。テレビの電源はHDMIの連動機能を利用しているため、テレビ側でHDMIの連動設定をオンにすれば利用でき、電源ボタンを押すことでテレビの電源をオンにすると同時にdstickが装着されている外部入力へ自動で切り替えてくれる。音量についてはスマートフォン側の音量を操作しているためテレビとの連携設定は必要ないが、スマートフォンで音量を最大にしても音が小さい場合はテレビ側での操作が必要なため、利用はサブ的なものになりそうだ。

サービス画面はスマートフォンUIとほぼ共通。「続きを見る」も対応

 各サービスはトップページこそテレビ用に多少のカスタマイズが行なわれているものの、基本的にはスマートフォン・タブレット向けのサービスがそのままテレビに映し出されており、テレビ画面に最適化された表示にはなっていない。dビデオはボタンが大きく文字も少ないためさほど問題ないが、dアニメストアやdヒッツは文字が多くボタンも小さいため、リビングなど離れた位置からテレビ画面を見るとやや厳しい。今後はテレビに最適化した画面表示などの対応を望みたいところだ。

dビデオのトップページ
dアニメのトップページ
dヒッツのトップページ

 配信作品はジャンル別に分類されているほか、フリーワードでの検索にも対応。文字入力も無線LAN設定と同様スマートフォンやタブレットから入力できるのが便利だ。同じテレビを利用した動画配信サービスでも、リモコンで入力するタイプに比べて変換スピードや予測変換で優れるスマートフォンやタブレットで検索できるのは非常に使いやすい。

dビデオのジャンル
dビデオは検索のほかジャンルや対象も指定できる
dアニメのジャンル。検索はフリーワードのみでジャンル指定はできない

 視聴に関してはスマートフォンとタブレットでは動画のダウンロードに対応しているのに対し、dstickはストリーミングのみとなる。ただし、移動して利用することもなく常に回線に接続している状態のdstickであればさほど問題はないだろう。

 画質はビットレートが「普通」「きれい」「すごくきれい」の3種類が用意されている。ビットレートはdビデオが300kbps、500kbps、1.5Mbps(いずれもサービス開始時の公表値)、dアニメストアが200kbps、500kbps、1.2〜1.5Mbpsと微妙に異なる。

 いずれにしても「普通」「きれい」の画質設定は、画面が小さく通信速度が遅いスマートフォンやタブレット向け設定のため、接続回線が無線LAN前提のdstickであれば、画質は常に「すごくきれい」でよいだろう。

dビデオの動画の詳細
画質を3種類から選択。ダウンロードは非対応
dアニメの動画詳細
動画再生中はリモコンアプリに番組名や一時停止ボタンが表示される
リモコンアプリから画質を変更することもできる
文字入力はリモコンアプリ。普段使っている文字入力環境をそのまま利用できる

 dビデオ、dアニメストアともに視聴履歴が保存されるため、以前に視聴した動画を続きから視聴することができる。この点もサービスごと仕様が異なり、dビデオの場合はマイリストに保存される視聴履歴が作品タイトル単位のため、再度視聴するには作品タイトルを選び、そこから視聴した回を選ばなければいけない。dアニメストアは視聴した回の履歴が残るためアクセスが簡単だ。

dストアのマイリスト
dストアのマイリストはタイトルごと管理
再生済みの動画はボタンの色が反転する

 ただし、dアニメストアでは視聴した回の次の回を一覧できる「次の1話」が履歴よりも上に表示されるため、現在見ている回よりも先の話を誤ってアクセスしてしまいやすい。毎回1話をきちんと視聴し終わるのであれば問題ないが、話の続きを視聴したい場合には注意が必要だ。

dアニメのマイページ。再生履歴は話数単位で管理するが「次の1話」が上位に表示される
視聴履歴は画面下部にある

 スマートフォンやタブレットで視聴した続きをdstickで視聴する、またはdstickの続きをスマートフォンやタブレットで視聴するという連動も可能。こちらもサービスごと違いがあり、dビデオはスマートフォンとdstickで同時に動画を視聴する時のみアラートが発生し、片方でのみ再生するのであればすぐに続きが再生できるのに対し、dアニメストアは「同一docomoIDによる複数端末での同時視聴はできません」というアラートが表示され、別の端末ですぐに続きを見ることができない。10分程度時間を置くと、問題なく続きが再生できたが、自分の部屋で見ていたアニメの続きをテレビで見る、といった短時間での切り替えには不向きのようだ。

 dヒッツは、邦楽曲を中心に定額で視聴できる音楽サービス。ジャケットなどが表示できるとはいえ音楽を聴くのにテレビ画面を占有してしまうため利便性はさほど高くないが、dヒッツをスマートフォンやタブレットで利用しており、たまにテレビを使って家族や友達と楽しみたい、という使い方なら便利そうだ。

dヒッツのカテゴリ。dアニメストア以上に文字が細かく読みにくい
話題のアーティストなどを特集
再生画面

配信コンテンツは定番タイトルや懐かしの作品が中心

 配信作品数はdビデオが約7,000タイトル約57,000本を月額525円で見放題となり、スマートフォン・タブレットでの視聴と変わらない。一方、dアニメストアは、ラインアップ総数は約600タイトル、約9,000話だが、このうちdstickで視聴できるのは300タイトル以上、約4,000話以上とスマートフォン・タブレットで視聴できる話数の半数程度となる。

 配信数だけではどのような作品が視聴できるのかつかみにくいため、dビデオに関しては各ジャンルごとの配信数を個別に集計した。カテゴリが重複している可能性もあるため実数とはならないほか、映画は作品数であるのに対してドラマやアニメは話数ではなくタイトル数になっているので単純な合計はできないが、総タイトル数だけで見るよりは傾向がつかみやすいだろう。

【dビデオのコンテンツ】
ジャンル サブジャンル 合計 作品例
映画 洋画 1,151 マトリックス、バイオハザード、バック・トゥ・ザ・フューチャー、バットマン ビギンズなど
邦画 483 踊る大捜査線、スーパー戦隊・仮面ライダー、曲がれ!スプーン、ハンサム★スーツなど
アジア映画 59 僕の、世界の中心は、君だ。、少林サッカー、JSA、きみはペットなど
アニメ 66 ティム・バートンのコープスブライド、スラムダンク、セーラームーン、銀河鉄道999など
テレビ 海外ドラマ 170 トゥルー・コーリング、プリズン・ブレイク、LOST、HEROES、ウォーキング・デッドなど
国内ドラマ 116 SPEC、モテキ、孤独のグルメ、新参者、ミエリーノ柏木、仮面ライダーシリーズなど
韓国ドラマ 170 花より男子、イタズラなKiss、美男ですね、おいしいプロポーズ、春のワルツなど
アニメ 134 宇宙兄弟、ちはやふる、ポケットモンスター、ヒカルの碁、エスパー魔美、キャッツアイなど
バラエティ 2 宮里藍スペシャルレッスン動画、DOCUMENTARY of AKB48 1ミリ先の未来
BeeTV お笑い・バラエティ 29 武井壮の史上最強はオレだ!、上島・出川・狩野「笑いの神に愛された男たち」など
マンガ 13 グラップラー刃牙、GTO、賭博黙示録カイジ、主に泣いてますなど
ドラマ 10 午前3時の無法地帯、デス・ゲーム・パーク、悪の教典−序章−など
キッズ 0 -
ガールズ 12 冬におもちかえりされたいTV、OLジュンコの小悪魔テクニック、密フェチなど
音楽 MUSIC VIDEO 3457 -
LIVE 2,247
カラオケ 38,881 JOYSOUND×UGA

 カテゴリごとの配信数でわかりやすいのは音楽コンテンツの多さ。ビデオクリップやカラオケが1本単位で対象となるため、タイトル単位のアニメよりも多くなるものの、カラオケの曲数が4万弱もあるため、57,000コンテンツ以上というラインアップの大半はカラオケということになる。

 映画やドラマについては最新作というよりも定番の作品や懐かしの作品が揃っているという印象が強い。ただし、洋画や海外ドラマは比較的有名な作品も多く見受けられる一方、邦画は「踊る大捜査線」のような有名タイトルもあるものの、大ヒットというよりも中ヒットタイトルが中心という印象だ。一方、国内ドラマはTBSオンデマンドとテレビ東京オンデマンドが積極的にラインアップを揃えているため人気のドラマも多く、「ミエリーノ柏木」のように記事執筆時点でテレビ放映中のドラマまでラインアップされている。

 アニメに関してはdアニメストアほどのラインアップではないものの、懐かしのアニメを中心にラインアップ。また、BeeTVの「マンガ」は、コミックのコマが自動でアニメーションしつつ声優が声優が台詞を読み上げるという一風変わったコンテンツになっている。

 音楽のMUSIC VIDEOは洋楽アーティストやエイベックス系アーティストが比較的多く揃っている。カラオケはJOYSOUND×UGAの楽曲で、通信カラオケとほぼ同様の画面でカラオケが利用できる。マイクなどは対応していないものの、簡易カラオケとして練習する程度であれば十分に使えそうだ。

BeeTVの「マンガ」はコミックのコマに合わせて声優が台詞を読み上げる
BeeTVの「カラオケ」

 dアニメストアについてはdstick対応作品がサイトで一覧表示されており、どのようなラインアップかを把握しやすい。こちらも全体的に最新作品というよりも懐かしアニメが主力ではあるものの、「けいおん!」「魔法少女まどか☆マギカ」といった話題作もラインアップしている。

YouTubeはAndroidブラウザベースで視聴。DLNAはDTCP-IP非対応

 NTTドコモの動画配信サービス以外にも「SmartPlay by twonky」を利用することで、YouTubeの動画や、同一ネットワーク内にあるDLNA機器の動画や写真、音楽を再生することができる。

SmartPlay by twonky
表示はファイル名のみでサムネイル表示は非対応。DTCP-IPにも対応していない
nasneでは表示形式が異なるもののサムネイルは表示されなかった
YouTubeアプリ。表示はブラウザベース

 YouTubeはアプリではなく、独自ブラウザで表示する仕組みになっており、画面右上のアイコンから「ログイン」を選択することでGoogleログイン画面が表示され、YouTubeにログインできる。SmartPlayで視聴したい動画をあらかじめお気に入りや再生リストに登録しておき、テレビで視聴するといった連携も可能になっている。

 DTCP-IPには対応していないため、録画した地上デジタル放送などは視聴できない。写真はサムネイルではなくファイル名で表示され、読み込みにも時間がかかるため実用は厳しいと感じた。せめてサムネイル表示に対応していれば、家族で旅行の写真を楽しむという使い方ができそうなだけに残念。あくまで簡易的な機能を割り切った方がよい。

ログインするとPCとほぼ同等の機能が利用できる
再生は全画面表示
ブラウザベースのため、YouTubeの共有機能を利用してFacebookを介することでブラウザとして利用することもできる

動画を「テレビで見る」楽しみを味わえる端末

 サービスの画面インターフェイスがスマートフォン・タブレットと共通ということもあり、基本的には「dビデオやdアニメストアをテレビでも見られる」というシンプルな作り。とはいえ同じ動画でもスマートフォンやタブレットで見るよりテレビで見るほうが迫力もあり、動画への没入度は高い。これまでもスマートフォンやタブレットで動画を見る機会は多かったが、同じ作品であってもテレビで見るとこうも見やすいのかと改めて感じた。

 利用までの設定が非常にシンプルでわかりやすいのも好印象。Bluetoothのペアリングすらユーザーには操作させず自動的に行なう仕組みは、こうした動画配信サービスにあまり慣れていないユーザーでも気軽に利用できると感じた。

 一方でテレビ向けの画面が作られておらず、dアニメでは端末間の切り替えに時間がかかるなど、まだサービスは始まったばかりでこなれていない印象も強い。現状は同一IDでしか利用できない仕様だが、テレビという家族で共有する端末を使う以上、今後はIDを追加登録することでスマートフォンとdstickで同時に視聴できる、といった機能も期待したいところだ。

 配信作品自体はdビデオ、dアニメストアともに定番作品や懐かしの作品が多く、映画好き、アニメ好きが新作を積極的に視聴できるサービスというより、見逃していた話題作や、子供の頃に見た記憶のあるアニメや映画を改めて視聴するといった利用に向いたサービスだ。また、話数が多い海外ドラマも定額で楽しめるため、これまでレンタルビデオでは手が伸びなかったユーザーでも気軽に視聴できるというメリットはある。

 また、これはタイトル数の多い定額制の配信サービスに共通することだが、作品数が多すぎるあまり自分が見たい作品を探し出すのが難しい。ユーザーの視聴履歴を利用したリコメンドや注目タイトルの紹介コーナー、ソーシャルネットワークを利用してお勧めの作品を紹介する機能など、せっかくのラインアップを知ってもらうための施策や機能も今後は重要になると感じた。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、DTCP-IP周りのネット連携や動画配信サービスなどが興味分野。ライター以外にもネット家電ベンチャー「Cerevo」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝」)