藤本健のDigital Audio Laboratory

第609回:レコーディングにおける「ハイレゾ」と「いい音」

第609回:レコーディングにおける「ハイレゾ」と「いい音」

牧村憲一氏「音学校」でオノセイゲン氏が講義

 日本のポップス/ロック史上で数多くの名作を生み出してきた音楽プロデューサー・牧村憲一氏。その牧村氏が主宰し、音楽家と音楽プロデューサーを育成する目的で、10月11日より「音学校(おんがっこう)」が開講される。この音学校、校長が牧村氏、特認講師がゴンドウトモヒコ氏という組み合わせで行なわれるもので、すでに今年行なう第1期は定員が埋まって受付終了しているようだが、その音学校の告知、オリエンテーション的なニュアンスを持った無料の公開講座が9月29日に、代々木のミューズ音楽院で行なわれた。

牧村憲一氏(右)と、ゴンドウトモヒコ氏(左)

 第0回といえるワークショップでは、レコーディングエンジニア、マスタリングエンジニアであるオノセイゲン氏がゲスト講師で開催された。オノセイゲン氏のセミナーレポートについては、先日も東京大学での対談を記事にしたところだが、牧村氏とオノ氏から「ハイレゾについて面白いテーマで行なうので、ぜひ見にきてほしい」と誘われたので、のぞきに行ってきた。前回の対談と重複する面もあったので、その辺を割愛しつつ、オノ氏の講演内容をまとめてみた。

ワークショップで、オノセイゲン氏がゲスト講師を務めた
会場の様子

「レコーディング」と「ハイレゾ」

 牧村さんの音学校ではレコード、音楽を制作する段階から売るところまでトータルで教えていくということですが、その前提となるところに原盤というものがあります。原盤とは、難しくいうと「音を固定化したもの」と定義されます。マイクを通じて音を電気的な信号に変換し記録したものが原盤、つまり録音することで原盤ができるわけですが、今日はその録音ということと、最近話題のハイレゾということの2つのキーワードをテーマにお話していきたいと思います。

 僕はレコーディングの仕事をしているので、ミュージシャンからは、「いい音で録ってよ」っていつも言われるし、ミキシングやマスタリングの仕事をしていても「いい音にしてよ」って言われます。でもいい音って、何なのでしょうか? いま、ここでみなさんに聞いてみても、いい音の定義というのは人それぞれです。透明な音、太い音、音圧の強い音……といった信号的な捕らえ方もあるし、安らぐ音、温かみのある音、心に響く音、情景が見える音といったものもありました。いい音の捉え方は個人個人でみんな違うけれど、音楽を録音するという場合には、いい演奏がないとできないんですよね。以前、OTOTOYのセミナーでも、カメラマンが笑顔を引き出すテクニックを披露されていたことがありましたが、録音でも同じ。嘘八百とはいわないけれど、ある程度おだててでも、気持ちよく演奏してもらうことも、「いい音」で録音するテクニックでもあるんです。

“いい音”にも様々な種類がある

 その「いい音」として、いま引き合いに出されるのが「ハイレゾ」という言葉です。ハイレゾとはハイ・レゾリューションのことで、より細かいところまで記録することを意味しています。アナログの生の音というのは、無限大のレゾリューション=解像度を持っています。デジタルでは、その音を数値化していく必要があります。分かりやすくいえば、方眼紙を利用してプロットしていくようなものですね。方眼紙の目が細かいほど、レゾリューションが高いということになり、より原音に忠実なものに近づいていくということになります。

 音量について楽譜上では、p(ピアノ)とかf(フォルテ)、pp(ピアニッシモ)といった表記で表現します。あまり、厳密な表記方法ではないですが、演奏者はそれを見て、それぞれの表現方法で音の強さを決めていくわけですね。どんどん小さい音にしていくと、本当に聴こえるか聴こえないかのギリギリまで持っていくことも可能です。反対に一番大きいのは鼓膜が破れそうなジェット戦闘機の音量まで、音の大きさとは無限大の広がりを持っています。仮に一番大きい音を雷が目の前で落ちる音としましょう。140dBといった数値の音なのですが、これを一番上と決めても、非常に小さい聴こえるか聴こえないかの音量までの段階はまさに無限大。それを16bitという限られた限られた分解能でやっていたのがCDであるわけです。これをもっと細かく区切って数値化していくのがハイレゾなわけです。

 では、ここでレコーディングとは何なのか、そこで起きる現象について少し考えてみたいと思います。声のレコーディングではマイクを使うのが前提になるわけですが、僕が今、しゃべっている声はこのマイクを通じてケーブルを通り、アンプを通過して、スピーカーから音が出ています。スピーカーは後ろのほうにあるので、前にいる方なら、生の声のほうが先に到達しているかもしれません。一方で、後ろの方なら、スピーカーからの声が先になるでしょう。よく大学での授業などを見てみると、上を向いてメモを取っている学生がいるんですよね。これは先生の声が真上のスピーカーから出ているためで、注意が声の鳴るほうに行くから上を向いてしまうんでしょうね。ただ、マイクを通すと、かえって明瞭度が落ちてしまうこともあるんですよ。スピーカーが多くあり、音源がいっぱい出てくることでフラッターがかかるなどの逆効果があるためです。

 では、ここでちょっと面白い実験をしてみましょう。マイクを切って、生の声にしてみますね。「みなさん、聴こえますか? 」……結構後ろのほうまで聴こえてますね。これならマイクなしでもよかったということかな。ただこのように遠くまで飛ばす声を出しているから聴こえるわけで、そういう発声の仕方をしているんですよね。そのためには、パワーもかかるわけですが、そうではない話し方だと、前の席の辺にしか届きません。

マイクを切って生の声で話すという実験

 一般的に教室というと、このような四角い形をした部屋がほとんどであり、教壇中央から見て、平行な壁があり、平行な天井と床がある、シンメトリー=線対称な構造になっていますが、これはオーディオ的には最悪な構造なんですよ。マイクなしだと声が届きにくいんです。この部屋の場合、パッと見てすぐに分かりますが、最前列横あたりの壁のすぐ脇で話すのが一番声の通りがいいはずですよ。……「聴こえますか! 」……、中央で話をするよりも、ハッキリ聴こえたと思います。これは壁から反射する声も効率よく利用しており、直接届くダイレクト音と反射音の両方で届けているからなんです。壁との距離が短いので、ダイレクト音と反射音の時間差がほとんどなく、相乗効果を出せるからです。壁に向かってしゃべると、ダイレクト音がマスキングされて、反射音だけということになりますが、それでも結構よく聴こえますよね。しかし、壁からの距離が離れると、ダイレクト音と反射音が打ち消しあってしまう可能性もあるので、教壇あたりで話をするのは、あまりよくないのです。また上下、左右、平行な壁があると、その反射音が打ち消しあって、声が聴こえにくくなってしまうのも問題です。でも、この位置から声を出すと、そうした打ち消しあう問題もかなり軽減できるからですね。

中央から話すより、隅の方から話した方が声が通りやすいということを説明
壁に向かって話した場合も検証

 こうした効果は、教室に限らず、ステージにおいても同様です。ミュージシャンもステージのど真ん中でやりたがりますが、真ん中よりもキレイに音が聴こえるところがあるんですよね。これを事前にチェックしておくと、より上手に聴かせることが可能になるので、覚えておくといいですよ。

 ちなみに、サックスとかフルートを練習している人って、よく壁に向かって吹いていますが、これはどの辺で演奏すると、一番楽器が鳴らしやすいのか自然に探した結果なんですよね。やはり位置によって、いい音、明瞭度もかわってくるのです。これはマイクをどこに設置すればいいのかということとも大きく関係しています。一番よく聴こえる場所にマイクを設置するのがいいんですよね。実際に自分で動いて音を聴いてみればよくわかるはず。やはりエアコンの音がよく聴こえる位置にマイクを設置したらノイズだらけになってしまうし、音が打ち消しあう場所にマイクを置けば明瞭度は落ちてしまいます。だからこそ、自分の耳を頼りにマイクの設置場所を探すことに大きな意義があるんですね。

ハイレゾで脳に快感?

 ここで、またちょっと話題を変えてみましょう。人は音をどのように聴いているか分かりますか? 音を聴くということは、空気の振動として伝わってきた音を鼓膜で捉え、それが神経を通じて脳に到達することで人はそれを「聴こえた」として認識するわけです。その脳のどこが反応しているのか、ここ5年、10年の科学の進歩によって、ハッキリと捉えられるようになってきました。「fMRI」というものによって脳の血流が見えるようになってきたんですね。その詳細については、ぜひみなさんも「fMRI」というキーワードで検索してみるといいと思います。

fMRIで、脳の血流が見える

 そのfMRIでいろいろと分かるのですが、音を評価する上で、どんなことがポイントになるか分かりますか? 一番大きな位置を占めるのが、fMRIで見える無意識における反応。つまり意識的にも無意識的にも音を聴いているのは脳です。2番目は、楽曲や演奏のよさです。どんなにハイ・レゾリューションな録音で96kHzでも192kHzであっても、どんなに高価なマイクを使おうとも、演奏が下手だったり、その前に楽曲がダメならダメな録音です。3番目、リスナーの趣味趣向が合わないとどうしても、評価としては低くなってしまうんですね。

音の評価を支配する要素の大きさ

 さらに4番目、空間というのも重要なポイントです。楽器と演奏も、マイクもスピーカーも空間に支配されています。先ほど、マイクを使わないで声を出す実験をした内容からも分かるとおり、いくら楽曲、演奏がよくても、空間が悪いとダメなんですね。もちろん空間も楽曲も演奏も良いのにレコーディングするエンジニアが間違ったことをしては、もう最悪です。いくら192kHzで録音しようと、DSDを使おうと、マイクのセッティング場所が、適切でないと録音は台無しです。評価要素の順位というのはあるけれど、全部がうまく揃わないと、「いい音」として認識されないのが難しいところなのです。

 音は空気の振動で伝わるものですから、再生においても空間がないことには音になりません。空間がよくないと、明瞭度もあがりません。どんなに高いスピーカー、いいスピーカーをつかっても、音は空間に支配されてしまうため、部屋が悪いと高価なオーディオシステムは、まったく意味を持たないのです。これは僕らレコーディングのプロからすれば当たり前のことなんですが、ここはしっかりと認識しなくてはいけないですね。そういうと「じゃあヘッドフォンはどうなのか? 」という質問をよく受けます。確かにヘッドフォンの場合、部屋のような空間ではありませんが、耳の中である、内耳を通って鼓膜までいう空間があり、ここをどのようにするかが重要になってくるんですね。

 ここで、先日、ネットや雑誌で話題になっていたハイレゾに関する調査記事について考えてみたいと思います。元ネタとなっていたのは長岡技術科学大学と電通サイエンスジャムが9月19日に発表したプレスリリースです。タイトルには「人々がハイレゾを求める理由は、脳にあった? ~耳だけではなく、脳が聴き取る“ハイレゾ”の魅力が発見された! 脳はハイレゾ音源で快感に包まれることが判明」というものです。これを読むと、「ハイレゾで脳は『快感』を約1.2倍、『安心感』を約3倍強く感じ、さらに『不快感』を約4割、『不安感』を約3割減少させる」とあるんですよね。でも、ちょっと待てよ、と。だったら、僕の仕事や牧村さんもゴンドウさんも悩みなんかないよね。だって、レコーディングはハイレゾを記録するための入り口に立っているわけで、記録されたハイレゾよりもいい音を常に聴いているわけです。だったら、みんなハッピーでピースフルで、不快な感情なんてないような仕事だということになります。まさに合法的ドラッグですよね。でも残念ながら、そうでもないんですよね(笑)。

各音源を聴いた際の脳の活性化状態の比較図(長岡技術科学大学と電通サイエンスジャムのリリースから引用)

 僕はたまたま、この歳まで、エンジニアの仕事を続けてこれましたが、30代のころは、同年代のエンジニア、しかも本当に優秀な人たちが内臓を悪くしたり、ストレスが多くて飲みすぎ、タバコなんかもあって、体を壊して引退していったんですよ。ミュージシャンに、いろいろ文句を言われることが多い仕事ですから……。ずっと、ハイレゾで一番いい音を聴いているはずなのに、ストレスだらけ。一概に快感が1.2倍といったって無理があるだろう、という話なんです。

 このリリースに噛み付いているわけではないんですよ。僕は、ハイレゾ推進派として旗を振ってきた人間であり、ハイレゾはいいと思っています。でも、もう少し丁寧な説明が欲しかったな、と。fMRIで血流が見えるので、実際に快感、不快感、安心感、不安感というものの測定結果は事実だろうと思います。でも、先ほど説明した、人が感じる音の評価の優先順位からも分かるとおり、ハイレゾにすれば、すべてが快感というわけではないと思うのです。もちろん、嫌いな音楽、下手な音楽でも、ハイレゾなら快感に感じるというケースがないとは断言できませんけれど、僕は耐えられないな、と。CDとかMP3の音質なら、適当に聴き流すことができるけれど、ハイレゾでそんなものを聴かされたら、もう逃げるしかありません。

 リリースには「つまり、ハイレゾ音源は耳だけでなく、脳でしっかり感じ取っている、心に届いていることが判明し、かつ同じ音楽を聴く場合であっても「気持ち言い、心地よい」などのポジティブな感情をハイレゾ音源のほうが”本能的に強く感じてしまう”ということが判明しました」と書かれています。そういわれると「そうなんだ、じゃあハイレゾ音源はいいんだな」というように誰もが思いますよね。

 リリースを細かく読んでいくと「今回の研究では、普段から音楽に親しみのある20~40代男女10名を被験者として設定し…」とある。つまり音楽好きの人が、おそらく好きな音楽をかけた場合の結果じゃないかな、と。これは僕の推測でしかないので間違っている可能性はあるけれど、それならこういう結果になるだろう、と。まあ、嫌いな曲を聴かせることはなさそうですからね。さっきの図からもわかるとおり、嫌いな曲だったり、下手な演奏の曲だと、こういう結果にならない可能性が高いだろうな、と。やはりい音楽で、素晴らしい演奏で、しかもハイレゾで聴くから、いい効果が得られる。ひどい曲をハイレゾで聴かされたら、不快感が何十倍にもなっちゃうんじゃないだろうかと思うんです。だから、ハイレゾは素晴らしいものではあるけど、ハイレゾにすれば何でもいいわけではないということを分かっていただきたいな、と思います。

 よく「ハイレゾを聴くとしたらどんな曲がいいですか? 」と聴かれるんですが、答えは簡単。名盤といわれている作品から聴くのがいいんです。

「いい音」、「ハイレゾ」について質問も

 以上で、一旦セミナーでの講義は終了し、質問タイムに。牧村氏、ゴンドウ氏から質問があり、来場者からも質問が上がったので、そのいくつかをピックアップしてみよう。

質問:30年くらい前、加藤和彦さんと話をしてきたときに「あるシンガーがスタジオで、『いまからレコーディングするけど、普通の音で録って、生みたいに録ってよ』っていうんだよ。バカだよね、マイクに入った瞬間に電気になっちゃうんだから、生であるはずなんかないじゃないか」って言っていました。これについて、どう思いますか?

オノセイゲン氏(以下敬称略):ボーカルでもアコースティックギターとでも、マイクが1個でもないと録音できません。その当時は加藤和彦さんの言うとおりであり、マイクを通った瞬間に違う音になり、録音までの経路、再生の経路、そしてスピーカーと音が変化してしまうため、生みたいにということはできませんでした。でも今の技術ならそれにかなり近いことが可能になってきたんです。さっきの空間、スピーカーまでを完璧な状態で作ることが前提にはなるけれど、そこをうまくやると、生とまったく違わないくらいのところまで来ています。

質問:よくある話ではあるけど、ジャズ評論家から「君らは本当のジャズをしらないよね。本当のジャズとはこういうもんだ」といって家に連れていかれるんです。すると真空管のすごいアンプがあって、何百万円もする機材がいろいろあって、大事そうにレコードをかけるんですよ。「ほら、いいだろう、これが本当のジャズだ」って。これについて、オノさんはどうですか?

オノ:よくありますよね。私の場合は、まったくそうは思わなくても、まずは「なかなかいいですね! 」って同意しておきます。ただ、オーディオ機器、とくにスピーカーやヘッドホンは98%が原音に忠実ではないです。高域をキラリとするとか、低音をドンと出すとか、なんらかのデフォルメが、その製品としてのアイデンティティであり、音色づくりになっているのです。スピーカーによって音が違いますね。その評論家の先生の感性では、そのスピーカーから出る音こそ本物のジャズなんだたという趣味趣向の話にすぎないわけですよね。

牧村氏:「先日買った、ハイレゾのデータが最低だった。前に買ったCDのほうがいい音だった」という発言をFacebookで見たんです。よく読んでみると、そもそも演奏自体がひどかったということのようなんですが、この点はどうですか?

オノ:最悪の演奏を最高のハイレゾデータ、最高のスピーカーで聴くとどうなるのか、という話ですよね。最悪な部分がはっきり聴き取れないCDのほうが、かえって粗が見えなくてよかった、ということなんだと思います。ここはこれからのハイレゾにおいて難しいところですよね。よく音も聴かずにスペック面だけを見て「高域が出ていていい音だ」なんて書いている音楽評を見かけることがありますが、今後の大きな課題でしょうね。僕も最近一番多く聴くのはYouTubeだったりするんですよ。面白い音楽がクラウド上には無限にあります。趣味の合わない曲や演奏は聴く時間がもったいない。あ、ぜんぜん違う話だけど、いまYouTubeなどの音楽を、すごくいい音で聴けるような研究・開発をしているんですよ。投資家の方がいらっしゃったら、ぜひお願いします!

ゴンドウ氏:ホームスタジオを工夫して、できるだけいい音にしようと工夫している人も多いと思います。実際、作業場の電源を変えてみたり、スピーカーや電源ケーブルをいじってみたりするのですが、できるだけお金をかけず、基本的に生音をできるだけ、そのとおりに録音することを目指すとしたら、どこから手をつけるといいですか?

オノ:やはり音の入り口と出口が重要で、効果も高いです。マイクについては、恐らく、いろいろと揃えて研究もしているでしょうから、ADコンバータ、DAコンバータの部分、つまりオーディオインターフェイスと、出口となるスピーカーをできるだけ原音忠実と呼ばれる機材にかえるといいですね。たとえばRMEのオーディオインターフェイスや、富士通テンのTDM1なんかは、何の味付けもないので、生に近い感じにはしやすいですね。「正確な音のスピーカー」という意味でね。「好きな音のスピーカー」は別でもいいのですが。スピーカーでもドーンとやたら盛り上がるのとかありますよね。それはそれで。


 以上、音学校の第0回として行なわれた、オノセイゲン氏ゲスト講師による公開講座についてまとめてみた。SACDやDVDオーディオ、そして今のハイレゾ配信の数々の音源を作ってきたオノセイゲン氏だから知っている面白い話もいっぱいだった。もちろん、人によってハイレゾの捉え方は違うと思うが、機会があれば、また別の人の捉え方も聞いてみたいところだ。

藤本健

 リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。  著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン 」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。EPUBマガジン「MAGon」で、「藤本健のDigital Audio Laboratory's Journal」を配信中。Twitterは@kenfujimoto