藤本健のDigital Audio Laboratory

第610回:ローランドからDSD対応USBオーディオ「Mobile UA」。高音質の秘密「S1LKi」とは?

第610回:ローランドからDSD対応USBオーディオ「Mobile UA」。高音質の秘密「S1LKi」とは?

 ローランドがDSDの再生にも対応したUSB DAC「Mobile UA」を10月24日より発売する。手のひらにのる非常に小さいUSB DACであり、最大4chの出力が可能になっている。

Mobile UA

 ここにはローランドが新たに開発したDSPエンジン、「S1LKi(シルキー)」なるテクノロジーが採用されており、44.1kHzなどのPCMサウンドも、高音質で再生できるのが大きな特徴となっている。楽器メーカーであるローランドがなぜUSB DACの市場に今、参入したのか。S1LKiとはどんな技術で内部でどんなことを行なっているのだろうか……。実際に製品を試してみるとともに、ローランドの開発担当者に話を聞いてみた。

従来のUSBオーディオと大きく異なる仕様。独自の「S1LKi」で音質向上

モバイル向け製品だが、パソコンとのUSB接続に特化

 ローランドから発売されるMobile UA(実売3万円前後)は、見た目からするとiPhone用のポータブルヘッドフォンアンプかな? と思うような機材だが、それとはだいぶコンセプトの異なる製品だ。確かに158mW×2ch(40Ω負荷時)のヘッドフォンアンプ機能は装備しているが、iPhoneやiPadなどに接続はできず、あくまでもPCをターゲットとしたUSB DAC。外形寸法は108×65×16mm(幅×奥行き×高さ)、重量は130g。

 Mobile UAの“UA”は、ローランドがこれまで長年シリーズ製品として出してきたUSBオーディオインターフェイスの型番の名称。例えば、1998年にWindows 98と同時発売された世界初のUSBオーディオインターフェイスはUA-100だったし、2003年に世界初のUSB 2.0対応オーディオインターフェイスとして登場したのはUA-1000だった。また現行のヒット製品であるQUAD-CAPTUREの型番はUA-55で、OCTA-CAPTUREはUA-1010……といった具合。そのUAシリーズのモバイル版ということで登場したのがMobile UAなのだ。

 ただし、従来のUAシリーズとは異なりUSB以外の入力機能はなく、アナログ出力のみの仕様。またステレオ2chの出力ではなく、最高で4chまでの出力ができるという、ちょっと変わった機材なのだ。電源はUSBからの供給で動作するバスパワー型で、オーディオの出力はサイドパネルの左側に1つ、右側に1つ用意されており、3.5mmのステレオミニ端子となっている。デフォルトでは、その2つの端子ともにヘッドフォン出力となっており、同じ音がでるようになっている。しかしドライバの設定でOutput Modeを4 channelに設定すると右側のOutput Aはそのままヘッドフォン出力、右側のOutput Bはライン出力へと切り替わると同時に、出力内容は3/4chへと切り替わるようになっている。ただし、DSDフォーマットの場合は4ch出力には非対応だ。

左右それぞれにステレオミニ出力を装備

 さて、このMobile UAの目玉機能といえるのが、DSDの再生機能だ。少し前まで、DSD出力が可能な機材は、KORGのDS-DAC-10など限られた機材しかなかったが、最近は多くの製品が対応するようになり、DSD対応自体は、さほど珍しいものではなくなってきている。とはいえ、このMobile UAはほかのDSD対応USB DACとはちょっと違う。それがS1LKiという技術と関連してくるのだが、この詳細は後のインタビューに譲るとして、使い方の面で気になるのは、DSDを再生する際の方式だ。

 大きく分けると、普通のPCMの方式の中にDSDを埋め込んで流してしまうDoP方式と、ASIO 2.1で採用されたASIOのDSDを流す仕組みを用いるASIO方式の2種類のほか、メーカー独自方式もあるが、Mobile UAが採用しているのはDoPだ。正確にはDoP Version 1.0に沿った方式になっており、WindowsでもMacでも、このDoPで再生するのだ。また、DSDにはDSD 64と呼ばれる2.8MHzのものとDSD 128と呼ばれる5.6MHzのフォーマットがあるが、Mobile UAがネイティブ対応しているのは2.8MHzまで。5.6MHzフォーマットのデータも問題なく再生することは可能だが、内部的に2.8MHzへダウンコンバートしたうえで再生されるとのことだ。

 このように出力端子がRCAでなく3.5mmのステレオミニジャックであったり、DSD128にネイティブ対応していないなど、スペック面でみると、やや物足りなさを感じるのは事実だが、実際にヘッドフォンを接続して音を聴いてみるとかなり高音質なことに驚く。DSDの音質がいいだけでなく、44.1kHz/16bitのサウンドを聴いても、すごく煌びやかな音になるのだ。S1LKiが効いているのは明白。

 S1LKiは44.1kHzや48kHzのサウンドも一旦176.kHzまたは192kHzへアップサンプリングしたうえで、PCMからDSDへと変換できるのが特徴なのだが、このDSD変換するか、しないかの設定が可能で、ここで音の違いをチェックすることができる。実際CDのサウンドを再生する際に「1bit」というチェックボックスをオン/オフすることで、結構大きく音の雰囲気が変わるのだ。オフの状態であってもアップサンプリングはされているわけだが、そこからさらに1段階音質が向上するのが誰でも実感できるというのは面白い。

ローランド RPGカンパニー 第一開発部の蔦木氏

 EQで音を調整したような感じではなく、「再生される音にかかっていた薄い膜をとって、すごくクッキリさせた」という表現がいいのかもしれない。とくに音楽のジャンルによることなく、どんな曲でも1bit再生させたほうが、いい感じに聴こえた。

 でも、どうやってこの音質向上が実現できているのか、そもそもS1LKiとは何なのだろうか? Mobile UAの開発に携わったローランドのRPGカンパニー 第一開発部の蔦木氏に話を聞いてみた(以下、敬称略)。

音質向上のためにデジタル変換を含む大幅な見直し

――まず、技術的な話に入る前に、Mobile UAがどんなユーザーに向けて開発した製品であるのかをお伺いしたいのですが、これはレコーディング機能がないこと、DSD対応というところを見ても、PCオーディオ系ユーザーをターゲットにした製品であるという理解でいいでしょうか?

蔦木:ローランドはこれまでミュージシャン、クリエイターに向けた製品を作ってきたメーカーであり、その点は変わりません。このMobile UAもクリエイター向けという点では変わっておらず、DAWとMobile UAがあれば、電車や飛行機などでの移動中、またホテルで音楽制作をしたいといったシーンをイメージして開発した製品です。持ち歩きを考えて、このコンパクトなサイズにしているのです。場合によってはライブでも利用できるようにと、ラインアウトも備えているわけです。

――現行のQUAD-CAPTUREやOCTA-CAPTURE、またDUO-CAPTURE EXといった製品と比較しても、かなり異色な機材だと思いますが、Mobile UAはどんなことを重点に考えて開発したのですか?

蔦木:とにかく出音をよくしよう、再生音質にこだわろうと開発した製品です。その意味ではQUAD-CAPTUREなどとは方向性の違う製品なのです。QUAD-CAPTUREは入力音質の向上に力を入れていた一方、出力においてはPCからの信号をそのままDACチップへ届けて再生していたのです。もちろんアナログ回路部分や電源回りにも気を使っていましたが、今回のMobile UAではアナログ回路の見直しはもちろん、それだけでなく、もうちょっと手前のデジタル部分で、アップサンプリングなどのデジタルのデータ変換も含めて大きく見直したのです。「S1LKi」というローランド独自の信号処理技術を用いることにより、元になるデジタルオーディオ信号を、リアルタイムに高品位PCMデータまたは1bitのストリーミングデータに変換しています。これにより、デジタルオーディオ信号に含まれる音情報を余すことなく、より精細かつダイナミックに表現することができるようになりました。実際、お聴きいただけると分かる通り、高域がしっかりとある音、アタック感のある音にすることができたのです

Windowsのドライバインストーラ画面
Macのドライバインストーラ画面

――レコーディング機能を無視して、再生だけを考えると、QUAD-CAPTUREやOCTA-CAPTUREよりもMobile UAのほうがいい、と捉えてもいいのでしょうか?

蔦木:はい、聴くことだけを考えれば、Mobile UAのほうが高音質といって差し支えありません。またヘッドフォンで大音量を出しても歪まないように、オペアンプの電源を見直しており、ポータブルでありながらも、いい音で聴くことができるような設計になっています。

――そのキーとなる「S1LKi」について、もう少し詳しく教えてください。

蔦木:S1LKiは、PCから送出された32bit精度のPCMデータを処理するオーディオ・ストリーミング技術、受け取った32bitPCMデータに対するオーバーサンプリング技術、オーバーサンプリングにおいて信号を1bitデータ列に変換する技術の、3要素で構成されます。その特徴は、それぞれの処理回路やフィルタ係数が、Mobile UAのハードウェアにあわせて特化させている点です。両者の技術が有効化され、S1LKiの真価が発揮されるのが、D/A Conversionの設定を“1bit”モードにセットしている状態で、PCからPCMデータを再生したときです。一方で、“1bit”がオフのときは、Mobile UAではオーディオ・ストリーミング技術とオーバーサンプリング技術のみを用いて、高サンプリング周波数となった PCMデータをD/Aコンバータに送ります。その信号の流れを表すのがこの図です。

1bitモードON/OFF時の信号の流れを示した図

――そういえば、これまでのローランドのオーディオインターフェイスで、32bit floatに対応した製品ってなかったように思います。そもそも、ユーザーにはどれが24bitで、どれが32bitなのかチェックする術もあまりありませんが……。

蔦木:そうですね。ドライバが32bit floatに対応しているかどうかは、アプリケーションによっては確認できるものもありますが、その先でハードウェアが対応しているかどうかは分からないですね。今回のMobile UAでは、USBオーディオ・ストリーミングに、ローランドでは初めて32bit浮動小数点フォーマットのPCM方式を採用しています。アプリケーションソフトウェアから出力されるオーディオデータを、高い精度のままMobile UAに転送し、S1LKiで処理することができるわけです。これにより、広いダイナミックレンジを実現でき、音の切れ際におけるきめ細かさを失いません。USBオーディオ・ストリーミングから、1bitデータ化までを含むDSPは、同一のカスタムチップで処理しています。従来製品より継承している VS Streaming テクノロジと相まって、“D/A Conversion”の“1bit”が有効となっていても、低レイテンシーでの発音を実現しています。

「S1LKi」におけるアップサンプリングやフィルタの効果とは

――先ほどの図を見ると、PCMデータは176.4kHzまたは192kHzに変換して再生し、1bitモードの場合はさらにDSDに変換しているわけですね。

ドライバ設定パネル

蔦木:その通りです。WindowsでのASIO対応アプリケーション、もしくはMacでのCore Audio対応アプリケーションからは、PCM として「44,100Hz/48,000Hz/88,200Hz/96,000Hz/176,400Hz/192,000Hz/352,800Hz」、DSDとして「2.8MHz/5.6MHz」のサンプリング周波数にてデバイスを開くことができます。このうち、192,000Hzまでの周波数は、4ch再生に対応しています。一方、352,800Hz、2.8MHz、5.6MHzの周波数は、使用用途を考慮して2ch再生に限定しています。ただし、Windows標準のサウンド機能であるMMEは、PCMのうち352,800Hzに対応していません。この設定では、Windowsの効果音やWindows Media Playerなどが再生できなくなります。必要に応じて、352,800HzのPCMデータや、5.6MHzのDSDデータを再生した後は、ドライバ設定パネルを開き、サンプリング周波数の設定を戻してください。

――ここで伺いたいのはアップサンプリング、オーバーサンプリングの意義についてです。実際、オーバーサンプリングしても、ガタボコのジャギー自体も拡大されるだけのようにも思うのですが……

蔦木:オーバーサンプリングとは、もとのデータに対し、より高いサンプリング周波数のデータに変換して処理する技術を指します。高サンプリング周波数のデータへ変換することにより、デジタル上において、波形データをよりアナログの世界に近づけた状態の波形が得られることは事実です。高サンプリング周波数のデータに対しては、可聴域内への影響をより抑えたD/A変換が可能となるのは大きなメリットです。一方で、音質を左右するのが、オーバーサンプリングに用いる補間フィルタの特性です。中でも、音楽CDなど44.1kHz サンプリングのPCMデータは、表現できる周波数の範囲が可聴域に近いことから、フィルタ特性の違いが聴感に大きく影響します。

――つまりフィルタによって、音質自体をいじっているということですか?

蔦木:ここでいうフィルタとは、音色を大きく変化させるようなエフェクト的な用途ではありません。デジタルデータをアナログ信号に変換する際、エイリアス成分と呼ばれる除去すべき成分が発生するため、これを分離するためのフィルタのことです。ここで、もう少しオーバーサンプリングの意義について見てみましょう。本来デジタル信号はサンプリング周波数(fs)の半分の周波数までの情報のみを再生することが理想です。しかしデジタルデータは、0.5fsを超える成分も持ち合わせており、これがエイリアスと呼ばれるものなのです。このデジタル信号をD/A変換した後に、アナログフィルタのみを使用するとゲイン特性は図のように、エイリアス成分もある程度残った形になります。一方で、44.1kHzを88.2kHzに変換するようにデジタルデータを2倍にオーバーサンプリングすると、0.5~1.5fsまでの範囲はエイリアス成分をほぼ除去することができます。さらに、これをD/A変換後に、アナログフィルタをかけることで、エイリアス成分をほぼキレイに除去することができます。そういう意味で、オーバーサンプリングは大きな意味を持つわけです。


理想とするD/A変換後のゲイン特性
デジタルデータが持つゲイン特性
アナログフィルタのみを使用したD/A後のゲイン特性の例

2倍オーバーサンプリングしたゲイン特性例
2倍オーバーサンプリングし、アナログフィルタを使用したD/A後のゲイン特性例

――念のための確認ですが、S1LKiのオーバーサンプリングやフィルタは、高域成分を補完するためのものではない、と。

蔦木:そうです。S1LKiはオーディオデータに含まれる要素を忠実に再現することに重みを置いています。オーディオデータに含まれていない高域成分を復元する要素はありません。また、オーバーサンプリング機能を内蔵したプレーヤーを使用して再生する場合、S1LKiの意図とは違った音質になることがあります。S1LKiは、プレーヤー側におけるこうした機能をオフにして使用することを想定しています。しかし、音質的な好みの違いから、プレーヤー側のこの機能が使用されることも想定して、Mobile UAでは88.2kHz、176.4kHzのサンプリング周波数にも対応しています。オーバーサンプリングとしては、2倍あるいは4倍といった整数倍に変換することで、シンプルな計算式を使え、音質的なメリットがあるためです。

――先ほどの図では「176.4k/192k」のような併記がされていますが、要するに44.1kHz系と48kHz系かで変わるという捉え方でいいですか?

蔦木:はい。S1LKiのオーバーサンプリング処理では、サンプリング周波数比が2、4、8、16、32、64倍となるようサンプル数の変換を行なっているので、44.1kHz系か48kHz系かで周波数が変わるのです。したがって、“D/A Conversion”の“1bit”設定がオンのとき、 96kHzサンプリングのデータならば3.072MHzの1bitデータに変換されるのが大きな特徴ともいえます。DSDというと2.8224MHzが一般的ではありますが、高いデータ精度を保つため、整数倍でない2.8224MHzには変換しないのです。


D/A Conversionの1bit設定画面

――S1LKiで、“D/A Conversion”の1bit設定のオン/オフで劇的に音が変わるのにはちょっと驚きました。

蔦木:S1LKiは、よりアナログに近い要素までをDSPで作り込むことで特性を最大限にコントロールするため、1bit設定をオンの場合は出力として1bitデータを生成します。これはDSDデータと同様なデータ形式であり、各サンプルは振幅値がたとえば +1か-1かのいずれか2通りで表現されるという、PCMに比べてシンプルなものです。代わりにサンプリング周波数が高く、かつΔΣ変調という技術によって可聴域でのS/Nも高く確保されており、波形を音楽CDよりもアナログに近い原理で表現できるのです。

――デフォルトで1bit設定がオンになっているので問題はありませんが、明らかにオンのほうが高音質なのであれば、オフにする選択肢は不要ではありませんか?

蔦木:Mobile UAでは、S1LKiによる1bitデータ化による影響を考慮して、PCMデータのみでD/A変換するモードにも切り替えられるようになっています。1bitオーディオデータには、Super Audio CD(SACD)などと同様に、可聴域外(主に40kHz以上の高域)に量子化ノイズが含まれます。このため、Mobile UAの出力先に入力レベルメーターが付いている機器を接続した場合、無音出力時にもメーターが反応することがあります。このようにシビアなレベル調整が必要な状況や、広範囲の周波数をスペクトル解析するような状況では、1bitデータでの出力をオフにして使用できるようにしているのです。

DSD再生にはDoPを採用。推奨プレーヤーは?

――今回、ローランドとして初のDSD対応だったわけですが、DSDの受け渡しはASIOではなくDoPでしたよね。

蔦木:Mobile UAは、WindowsでもMacでも対応できるという観点から“DoP standard version 1.0”を採用しました。ご存じのとおり、DoPは、PCMとして振舞いながら、実質的には DSDデータを送る方式です。DoP未対応のデバイスではノイズとして聞こえますが、Mobile UAではDSDデータとして検出し、正しく再生できるようになっています。ただしDSDを再生するには、Mobile UAのデバイス設定のうち、“D/A Conversion”の設定で“1bit”にチェックが入っている必要があります。2.8MHzのDSDデータを送る場合は176.4kHzのPCM データとして、5.6MHzのDSDデータを送る場合は352.8kHzのPCM データとして振舞います。このため、Mobile UA の対応サンプリング周波数として176.4kHzと352.8kHzが含まれています。また、DSDデータ再生時は、ドライバ設定パネルには“176400Hz”または“352800Hz”と表示されます。Mobile UAにPCM/DSDデータのどちらが届いているかは、本体のUSBマークの点滅を見ると判断できます(点灯はPCMデータが、点滅はDSDデータが届いていることを表します)。DSDデータの再生中は、OSの効果音など、DSDデータ以外の音を割り込ませることはできません。割り込みが発生するとノイズになってしまうため、常に DSDデータが優先されるのです。

――最後にDSDデータを再生する場合のプレーヤーについて教えてください。Windows、MacともDSDをネイティブ再生可能なソフトというのは、それほど選択肢がありませんが、Mobile UAで推奨するプレーヤーというのはありますか?

蔦木:Windowsではfoobar2000、Macでは Audirvana Plusについて、ローランド製のソフトではありませんが、開発部での動作検証を行なっています。foobar2000は、追加コンポーネントをインストールすることで、DSDファイルの再生も可能になります。またAudirvana Plusは有償ではありますが、ソフト本体のみで DSDファイルの再生が可能です。

foobar2000
Audirvana Plus

foobar2000は、追加コンポーネントによりDSDも再生可能

Audirvana Plusの設定画面

 設定が適切でない場合、OS側でサンプリング周波数が変換されてから再生されることがあり、S1LKiの意図どおりの音質が得られないことがあります。変換が入っていない場合には Windows Media PlayerやiTunesなどからも S1LKi の恩恵を十分に受けられますが、確実に変換が入らないようにするため、ASIOやCore Audio対応のプレーヤーやDAWの使用をお勧めします。なお、Windowsにおいて、Windows Media PlayerやiTunesで適切に使うには、Mobile UAのドライバ設定パネルを開き、再生したい曲ファイルと同一のサンプリング周波数を事前に選択しておく必要があります。

――ありがとうございました。

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藤本健

 リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。  著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン 」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。EPUBマガジン「MAGon」で、「藤本健のDigital Audio Laboratory's Journal」を配信中。Twitterは@kenfujimoto