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PlayStation VRは10月発売。PS4やBD大画面体験「シネマティックモード」も

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、3月15日(現地時間)発表会を開き、かねてから開発中のバーチャルリアリティ(VR)機器「PlayStaion VR(PS VR)」の価格と発売時期を発表した。その発表内容を速報する。

PlayStation VR

発売は10月、年末までに50タイトルを用意

「PS VRは、オリジナルのプレイステーションが出た時と同じようなチャレンジと興奮がある」

 SCEのアンドリュー・ハウス社長は、壇上からそう述べ、PS VRの発売時期と価格を発表した。

SCEのアンドリュー・ハウス社長
PS VRは10月に4万4,980円で発売4

 発売時期は2016年10月、価格は日本では4万4,980円、アメリカでは399ドル、ヨーロッパでは399ユーロとなった。現在、230のデベロッパーがPS VRのタイトル開発を手がけており、会場ではそのうち20タイトルが試遊できた。発売から2016年末までに50本以上のタイトルが発売される予定だという。発売時期が10月になることについては、「ソフトウエア開発と旺盛なデマンドに応えるため」(ハウス社長)とする。また、エレクトロニック・アーツおよびルーカスフィルムとの提携し、ヒットゲーム「Star Warsバトルフロント」のVR版が開発中、とも発表された。

230社がタイトルを開発中。年内に50本が登場する
Star WarsバトルフロントがPS VR向けに開発中

 ハードウェア的には、「遅延やフィット感を含め、常に改良が行なわれている」(SCE開発担当)が、製品版でもデザインは大きな変更はない。4万4,980円で販売されるキットには、PS VRのヘッドマウントディスプレイ本体とプロセッサーユニット、各種ケーブルが付属する。頭の位置を認識するためのPlayStaion Cameraや、コントローラーとなるPlayStaion Moveは付属しない。ただし、それらがセットになったものを用意するかどうかは「市場によって異なり、今後検討する」(SCE広報)という。

PS VRの基本キット。コントローラーやカメラのセットの有無は今後検討するという
主な仕様
フルセットのPS VR。本体・コントローラーまで含めるとこれだけのものが必要になる。

テレビもいらない、PS VRを巨大シアターにする「シネマティックモード」

 今回新たに公開されたのは「シネマティックモード」の存在だ。これは、PS4の画面をそのままPS VR内に大スクリーン感覚で表示するもの。すなわち、既存のPS4タイトルも、Blu-rayの映画も、ネットの映像配信も、torneも使える。

シネマティックモードで、通常のPS4映像/ゲームも大スクリーン表示。スクリーンサイズ選択が可能

 これまでの非VR型HMDに近いが、大きく違うのは、視野角が最大90度の巨大な映像として見れること、VR空間内に巨大なスクリーンが浮かんでいる感覚になるため、「首を動かすとそれと同じ角度で映像も傾く」という不自然な状態ではなくなることだ。筆者もデモを体験してみたが、若干解像感こそなくなるものの、「暗いホームシアターでPS4を使っている」様子に近い。横に寝てキャリブレーションすれば「寝転がった姿勢でPS4を楽しむこともできる」(SCE開発担当)という。

 だから、別途ディスプレイを用意することなくPS4を楽しめるようになる。この機能はPS4の能力を一切使わず、外付けのプロセッサーユニットで実現されるため、ゲームの処理にも影響は与えない。また、PS4のメディアプレイヤーがVRフォトやVRムービーにも対応するとのことで、映像面でも楽しめそうだ。

PS VR Media Player
VRモードで、通常の動画もVR化

 この後、SCEのエクゼクティブメンバーへのインタビューを予定しているので、詳報をお待ちいただきたい。

西田 宗千佳