トピック

スマホで座席がとれる映画前売券「ムビチケ」使ってる? 対応シネコン95%、意外な利用実態も

 映画の“電子前売券”として、2011年にスタートした「ムビチケ」。劇場などでその名前を聞いたことがある人や、既に活用して映画を楽しんでいる人もいるだろう。そのムビチケ、既にシネコンの約95%が対応し、もう“紙の前売券”が販売されない作品もあるほど普及していることはご存じだろうか?

ムビチケ(カード券)のサンプル

 「前売券」といえば、劇場で映画をお得に楽しむ手段として“切り取り線が入った紙のチケット”を思い浮かべる人も多いはず。通常は大人1,800円の鑑賞料金が、公開前に買うだけで割引きになり、ちょっとしたノベルティが付く場合もある、多くの映画好きにとってうれしいサービスとして親しまれてきた。

 ムビチケが、従来型の紙の前売券と大きく違うのは、「割引料金ながら、ネットで事前に座席指定もできる」利便性の高さ。これはどのように始まったサービスで、今後どんな姿を目指しているのか。運営会社であるムービーウォーカーの担当者に話を聞いてきた。

ムービーウォーカーの関根高樹氏(右)と小池祐子氏(左)

ムビチケには、どんな種類がある?

 最初にムビチケの概要を確認しておこう。サービスが開始したのは2011年9月1日。KADOKAWAのグループ企業である株式会社ムービーウォーカー(サービス開始当初の社名は株式会社ムビチケ)によって運営されている。

 チケットは、劇場のチケット売場やコンビニエンスストアでカードを買う方法と、スマートフォンやパソコンなどを使ってオンラインで買う方法がある。

 劇場やシネコンで買う場合は、「○○○という作品の前売券をください」と注文すると、「ムビチケカード券」タイプが手渡される。コンビニで買う場合は、店内に設置された端末で「ムビチケコンビニ券」を申し込む。当然ながら、紙の前売券とは違って半券を“もぎる”切れ目などは入っていない。

 その代わり、裏面には「ムビチケ購入番号」「ムビチケ暗証番号」が記載。この2つの番号が、いわば購入証明だ。これを“ムビチケ対応シネコンのオンライン座席指定サービスで入力することにより、割引料金で座席を指定できる。ネットを使えない人は、カード券/コンビニ券をチケット窓口で見せれば、座席指定券に引き換えてくれるので、これまでの前売券と比べても使い勝手は損なわれていない。

ムビチケカード券の裏側に、暗証番号やQRコードが記載(写真はサンプル)

 もっと手軽な方法は、スマホだけでもできるネット購入。「ムビチケ購入番号」「ムビチケ暗証番号」だけをオンラインで購入する方法だ。こちらは「オンライン券」と呼ばれ、ムビチケ公式サイトにて入手。購入手続き後、番号はメールで送られてくる。新作公開前日の夜になって急に買うことも当然できる(各作品公開日前日の23時59分まで)。なお、作品によっては前売特典としてストラップやクリアファイルなどが用意されていたとしても、オンライン券購入ではもらえない(一部作品は特典としてデジタルフライヤーなどがダウンロードできる場合もある)点が、カード券とは異なる。

イオンシネマのチケット購入サイト「e席リザーブ」で座席指定する場合の画面例。席指定の途中、「ムビチケ購入番号」「ムビチケ暗証番号」を入力する場面がある。この番号を元に認証を行ない、有効性が確認されれば、チケット購入が完了。当然、代金は先払いしてあるので、改めて課金などは不要
購入したムビチケを使って、TOHOシネマズのスマホ用サイトで座席を指定した例

 これ以外に、他の人へのプレゼントなどに使える「ムビチケGIFT」という制度もあるが、自分で購入して鑑賞する仕組みとしては、上記の「カード券/コンビニ券」と「オンライン券」が基本となる。なお、2016年9月にはムビチケ公式サイトが大幅リニューアルされ、スマートフォンからオンライン券が利用しやすくなった。

 ムビチケの運営側が収益を得る仕組みは、チケット発行の手数料が中心。これは主に映画の配給会社(東宝、ディズニーなどの映画会社)から支払われるものだが、一部の興行会社(シネコンなど映画館の運営会社)からも得ている。

 対応シネコン/作品の増加などに伴い、ムビチケの収益も増加。映画館で無料配付する「月刊シネコンウォーカー」のような劇場内アイテムによるプロモーションなども後押しし、ビジネスとしても順調とのことだ。

 いつの間にか、映画前売券の定番として当たり前になってきたムビチケ。このサービスのこれまでと今後について、ムービーウォーカーの事業開発局 事業運営部 関根高樹部長と、事業推進局 メディアサービス部 デジタルメディアグループ 小池祐子グループリーダーに話をうかがった。

国内シネコンの94.4%が対応、既に従来型前売券からの置き換わりも

――ムビチケは、どういった経緯で誕生したサービスですか?

関根氏(以下敬称略):映画館では従来の紙の前売券が広く普及してきたわけですが、インターネットが普及していく中で、やはりオンラインで座席指定ができる前売券が必要、というのが原点ですね。

ムービーウォーカー 事業開発局 事業運営部 関根高樹部長

 システムの開発にあたっては、各興行会社とのシステム連携を少しずつ進めていきました。最初はTOHOシネマズ、次にSMT(松竹マルチプレックスシアターズ)などからスタートし、2015年にはイオンシネマ、2016年にはティ・ジョイでもムビチケがご利用いただけるようになりました。

 現在は、全国ほとんどのシネコンがムビチケに対応しています。2017年6月14日時点では、全国にある3,450スクリーンのうち、94.4%の3,257スクリーンでムビチケによる座席指定が可能です(劇場窓口対応のスクリーンを一部含む)。2011年のスタートから約6年をかけて、このレベルまで到達したところです。

――そもそも映画の前売券は、どこが発行しているのでしょうか?

関根:基本的には映画の配給会社です。前売券は、予告編やチラシと並ぶ重要な宣伝ツールとして、非常に長い歴史があります。その紙の前売券がムビチケに置き換わった格好です。

 ムビチケの場合、カード券のほうは「メイジャー」という取扱会社がありまして、そちらを通じて全国の劇場窓口やプレイガイドで売っています。オンライン券はムビチケ公式サイトで直販しています。

――紙の前売券からムビチケへの移行は、現在はどんな状況でしょうか?

関根:作品にもよりますが、例えば都内ですとシネスイッチ銀座やBunkamura(ル・シネマ)などのような、単館系の映画館では従来の紙の前売券が今も主流です。それに対して全国200館、300館といった規模で上映される作品については、ムビチケへの移行が進んでいます。ディズニーの「カーズ/クロスロード」や「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」などの作品では、最初から紙の前売券は発行されていません。ムビチケだけです。

――もうそこまで浸透しているのですね。それ以外の配給会社はいかがでしょうか?

関根:「前売券を一番最初にムビチケ化したのはFOXです。その後、東宝東和、ディズニー、ソニー、ワーナー、そのほかの配給会社も順次ムビチケ化し、現在では多くの作品の前売券がムビチケになりました。紙の前売券は減りつつあります。

「ムビチケ購入番号」で販促の在り方も変わる?

――小池さんはどんな業務を担当されているのでしょうか?

小池:配給会社さんのご要望を受けて、ムビチケを使ったマーケティング企画などを行なっています。例えば「プロモーションとして100円引きセールをやろう」といった場合に、具体的な実施案を決めたりしています。

 それと最近ですと、カード券のデザインを特別なものに変えたいとか、デザインを複数種にしたいというご要望にもお応えしていて、具体的にどう手配するかといったことも検討します。

事業推進局 メディアサービス部 デジタルメディアグループ 小池祐子グループリーダー

――確かに最近は、1つの映画でも複数の異なる絵柄のムビチケを売るケースが多いようですね。基本的には、1作品に対してムビチケの絵柄は1つと決まっているのですか?

小池:基本はそうですね。ただ、(ファミリー映画などでは)一般券と小人券の2種類を発行することもあるので、その時はそれぞれ絵柄を変えたりする時があります。

 絵柄を複数用意するケースでは、アニメ作品などがあります。アイドルものだったりすると、個々のアイドルごとに絵柄を用意したり、発売時期によって第1弾・第2弾・第3弾というようにしたり……。

――紙の前売券の時代と比較して、そういった周辺の施策も変わってきているのでしょうか?

小池:紙の前売券の時代も、現在のムビチケカード券であっても、購入者にクリアフィアルなどをプレゼントするといったことは行なわれています。

 ムビチケの特徴として、どの券種でも必ず番号(ムビチケ購入番号とムビチケ暗証番号)が振ってある点があります。この番号を知っているということは、そのお客様が間違いなく購入した、という証明になります。

 前売券購入者にプレゼントキャンペーンを行なうとしたら、ムビチケ購入番号・暗証番号を入力してもらうようなサイトを作ればOKになりました。もし紙の前売券でこのを施策をやろうとしたら、半券をハガキに貼って送ってもらわなければなりませんでした。

――そうした使われ方もあるのですね。他にはいかがでしょう?

小池:ムビチケのオンライン券限定になりますが、購入にあたってムビチケ公式サイトを必ずご利用いただいているので、ユーザー情報が分かっています。そのため、後日デジタルコンテンツを特典として配布することもできるようになりました。紙の前売券は一度売ってしまうと、後日そのお客様に店側からはリーチできませんので、ここも大きな違いですね。

関根:劇場でカード券を買うお客様と、ネットでオンライン券を買うお客様はかなり違う傾向があるようです。カード券を買われる方は物理的なノベルティをご所望だし、オンライン券を買う方は素早さや手軽さを重視されています。飲料業界のプレゼントキャンペーン(商品に付属するシリアル番号を抽選用Webサイトに入力する方式)などは、応募用の切手代も節約できたり、お客様自身にもメリットがある。

 マーケティングの仕組みは大きく変わってきています。映画の宣伝は特にそうで、かつてならテレビCMをどれだけやった、新聞広告をどれだけ出したかが重要でしたが、最近はネットの比重が非常に高い。それこそネットで宣伝を見て、すぐムビチケ公式サイトで買ってもらうというような誘導も積極的にできるようになりました。

配給会社や映画館側にもあるメリット

――1枚1枚のムビチケは、店からお客様への販売時に、管理番号をシステムに登録する「アクティベート」を行なってはじめて、有効化されるそうですね。コンビニで販売しているプリペイドカードのような仕組みだとか。

関根:はい。ムビチケ公式サイトのオンライン券も、劇場窓口で販売するカード券もどちらもアクティベーションをします。ですので販売実数は完全に把握できます。

 これも紙の前売券からムビチケに変わったことのメリットの1つです。以前でしたら映画館に電話して「何枚売れましたか? 」と聞いて回っていたので。その後FAXでやるようになったのですが、手間のかかるものでした。

――映画の宣伝文句で「全米ナンバー1」といった表現がありますが、もしかすると「ムビチケ売上○万枚」というようなアピールもできそうです。

小池:それですと「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の時は、ムビチケ売り出し日初日の販売枚数記録樹立という発表を行なったことがあります(ニュースリリース)。

関根:ムビチケは鑑賞客の皆さんにとってお得という側面ももちろんあるのですが、映画の上映主体である興行会社の皆さんに受け入れてもらった部分も大きいと思います。

 これまでの紙の前売券ですと、映画館の窓口で半券をちぎりますが、その半券を集めて精算する作業が必要です。

 ムビチケになると、お客様へ「発券」するときの精算はもちろん、劇場で前売券を使う際の「着券」の精算どちらもコンピュータ処理で効率化できるので、興行会社さんにも歓迎していただけたようです。

 紙の前売券は当然実物を手で数えないと最終的な数が分かりません。しかしムビチケは100%システムを通して販売するので、実数の把握は簡単です。最近のシネコンですと7~8スクリーンあって、作品数だと15くらいにはなります。それだけの種類の前売券をアナログ管理するのは相当大変です。

実は多い女性ユーザー。初期に売れたのは“映画以外”だった?

――今でこそムビチケは普及したわけですが、2011年のサービス開始当初はご苦労も多かったんじゃないでしょうか? 当時はまったく未知のシステムですし、映画館(興行会社)もムビチケ連携のためにはある程度の開発投資がいります。ご理解を得るのに時間がかかったのでは。

小池:最初はやはり大変でしたね。

関根:興行会社さん……それこそ担当者レベルでも温度差はありますので。興行会社が複数ある中で、それを1つのムビチケがとりまとめようとするのですから、(ムビチケに参画する興行会社同士の)競争心もお互いあったかと思います。ただ、徐々に進めていく中で結果も出てきて、なんとかここまでこれました。

――過去を振り返って、特にムビチケの販売が良かった作品などはありますか?

小池:最初期でいいますと……2012年2月の「堂本剛 平安結祈 heianyuki」ですね。

関根:ライブ映像を上映するODS(Other digital stuff:映画以外の、音楽ライブやスポーツなどのコンテンツ上映の総称)作品です。販売実数などは公表してませんが、これは相当売れました。

 全体の傾向として、サービス開始当初は洋画作品をご覧になる方のムビチケ利用率が高かったです。それが変わったのが2014年12月に上映された「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」でした。映画シリーズの第1弾でしたが、一部の興行会社さんでカード券が売り切れまして。結果、売り切れのないオンライン券の売上も伸びました。

 鑑賞する皆さんから見た場合、最初のうちは「ムビチケって何? 」という状態だったはずですが、一度使っていただいて便利さを実感していただき、そのあともリピーターになってくれた可能性が高いと思います。

――ご利用の多い世代といった傾向もありますか?

小池:カード券に関しては、各シネコンの窓口で販売されているので、詳しい属性情報は持っていません。一方で、ムビチケ公式サイトにおいて、会員登録してオンライン券を購入した方という意味では男女比4:6で、女性のほうが多くなっています。

関根:20~30代の女性が多いですね。中でも、値段に敏感な主婦層の方が、家族全員で映画を見るなら100円でも200円でも安くしたいとムビチケをご利用いただいたり……。こうやって洋画中心だった時代から、邦画・ファミリー映画でもムビチケのご利用が増えています。

――女性が多いのは意外ですね。オンラインサービスは全般的に男性利用率が高い印象があります。

小池:家庭の中でおサイフを握っているのが女性だから、なのかもしれません。

――なるほど。ファミリーで映画を見るとして、例えば夫婦と子供2人の家庭でしたら、割引される金額は大きくなりますね。

小池:この4:6の比率はずっと変わっていないので、価格に敏感な女性の存在は大きいと思います。ちなみに、ムビチケの会員数は約53万人で、そのうちメルマガをご覧になっている方が25万人くらいです。

 年代の話でいえば、20代~30代くらいの方は一番「割引を受けづらい世代」なんですね。10代の高校生なら当然お安いですし、50代になればご夫婦向けの「夫婦50割引」、60代なら「シニア割引」なども使えますが、20~30代にはそれらがない。

 ファミリーの話ですと、やはり全員揃って“横並び”でご覧になりたいですよね。それが紙の前売券の時代ですと、当日窓口に並んで順番にチケットを買って「パパの分だけダメだった」、「買えたけど4人バラバラの席」といったことにもなりがちです(笑)

 それに対してムビチケですと、座席指定の受付開始(おおむね上映2日前)と同時にオンラインで手続きできますから、家族全員で当日並んだりする必要はありません。それが女性比率が高い要因ではないかと思いますね。

関根:7月の海の日の連休あたりは、ゴールデンウィークや年末年始と並んで、映画館が一番忙しい時期なんです。(編注:取材は7月13日に行なった)恐らく今日明日あたりから、連休に映画をご覧になりたいファミリーの皆さんが、各シネコンさんの座席システムを沢山使っていると思います。

スマホ対応も完了、これからの「前売券」はどうなる?

――お客様がムビチケ公式サイトでオンライン券を買う際には、どんなデバイスが使われていますか?

小池:2011年にスタートした際にはPCとフィーチャーフォン向けにサイトを用意していました。それが長く続きましたが、それでもやはりスマホの利用が増えていきました。当時は決してスマホから利用しやすいといえるサイトではなかったのですが、それでもスマホ利用が多くて。

 そこで2016年9月、サイトを大幅にリニューアルしました。スマホで見やすい表示に重点を置いて。現在はフィーチャーフォン向けサイトは閉じています。

関根:2016年のムビチケの事業全体の中でも、スマホ対応は一番大きいテーマでした。恐らく、興行会社さんの座席予約システムもスマホ利用の比率が相当高いはずです。そこと連携するムビチケもやはりスマホ対応が急務でした。

――スマホ対応サイトの開発にあたってはどんな方針で?

関根:見やすさを重視しつつ、「とにかく簡単に買える」というところを意識しました。「一旦、買うのは後回しにしよう」と思われると、そのまま結局買われないままケースも出てきてしまうでしょうし。

 ムビチケは一度買っておいていただければ、後は公開期間の好きなタイミングでご覧いただける気楽さがあります。簡単に買える良さを活かして、オンライン券の販売増に繋げていきたいです。

――今後も、前売券を取り巻く環境は変わっていくでしょうか?

関根:カード券の場合、販売劇場がかなり固定化されてきまして、今後爆発的に販売枚数が増えるということはないと思います。有人のチケット窓口が減って、自販機がかなり増えている影響もあります。映画館によっては、ポップコーンなどを売る窓口でムビチケを売るケースも増えてきました。

 有人窓口が減っているのは、やはり人手不足などが関係しているのでしょう。シネコンは朝早くから夜遅くまで、営業時間もかなり長いですし。夜の閉館時には清掃や映写チェックなども行なわなければなりません。それならば機械を使って効率化しようという発想なのだと思います。

――価格についてはどうでしょう? ムビチケは一般券がだいたい1,400円ですが、大手シネコンの中には「毎週月曜1,100円」など、さらに安い設定としているケースもあります。コストを突き詰める方にとっては、この差は無視できないと思います。

関根:映画のチケットを事前購入すると割引になるのは、世界的にみて日本くらいなんですね。米国などとはまったく違う状況がありました。

 そこへ1993年4月、日本初のシネコンとされる「ワーナー・マイカル・シネマズ海老名」が誕生して、そこで価格施策も色々新しいものが一気にできました。水曜日のレディースデー割引や、レイトショー割引ですとか……。

 その一方で、女性向けの映画が水曜日だけ、あるいは1日5回上映する映画のうちレイトショー割引が効く最後の回だけ混雑するというような場合もあります。

 その点、ムビチケは曜日や時間帯に関係なく利用できますので、一度買ってさえおけば安心して鑑賞できるというメリットは十分あるかと思います。特に都心部ですね。新宿や六本木あたりは本当にいつでも混雑していますから。

ムビチケはもっと便利&お得なサービスへ

――ムビチケとしての今後の目標をお聞かせください。

小池:1つ考えているのは、ムビチケ公式サイトで会員登録していただいたお客様へのサービスです。現状ですと、会員登録していただければ、オンライン券を買う際の名前やメールアドレス入力を簡略化できます。あとは買った作品の履歴がマイページから確認できたり。ただ、それ以上のメリットがあまりなくて。

 そこでは、もうちょっとお得な制度などを用意しておく必要があると考えています。

――例えばムビチケ公式サイトで買うと、共通ポイントが貯まるですとか?

小池:そうですね。そのあたりも含めて考えていかないと。

 オンライン券の売上を今後も高めていきたいと考えていますが、今のところ購入したお客様向け特典はまだまだで、デジタルコンテンツを付けるのもまだあまりできていません。

 最近ですと、「怪盗グルーのミニオン大脱走」のオンライン券を購入されたお客様向けに抽選でLINEのポイントをプレゼントするキャンペーンを行ないました。これはまだ抽選ですが、今後は購入者全員にデジタルコンテンツを差し上げるなどのレベルにしてきたいですね。

 なお、現在はムビチケ会員50万人突破を記念した「サマーキャンペーン」を実施しています。ムビチケ会員とメルマガ購読をしている方に向けて、ムビチケGIFT総額50万円を、総勢550名様にプレゼントするというものです。

関根:もちろん今までも、クレジットカードでムビチケを買えば、クレジットカード会社のポイントが貯まったり、また興行会社ごとに「○○回見れば1回無料」などの施策をやっています。

 ムビチケは「映画館で映画を見る人を増やす」のが目標です。そのために何ができるのか、今後も考えていきます。

森田秀一