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2014年9月29日

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DSiにも転送できるWii動画配信「シアターの間」を試す

−渋めのラインナップ。転送コンテンツの拡充に期待


11月21日サービス開始


 任天堂が21日より開始した有料動画配信「シアターの間」。入手した動画はテレビでの視聴だけでなく、一部コンテンツはニンテンドーDSiやDSi LLでも視聴できることなどを特徴としている。

 Wii向け有料動画配信では、富士ソフトが「みんなのシアターWii」を1月より提供しているが、「シアターの間」はこれと別のサービスで、アバターを利用するインターネットサービス「Wiiの間」内で利用できる。

 DSiなどを動画プレーヤーとしても利用できるようになるため、気になるサービスではあったが、発表時の情報では動画の本数や画質、DSi/DSi LLへの転送方法など、不明な点も多かった。そこで、実際にコンテンツを購入し、その使い勝手などを試した。



■ 見やすさと探しやすさを優先した画面

Wiiの間から「移動」を選ぶ

 「シアターの間」は、映画やアニメ、なつかし映像、お役立ち映像などを有料でダウンロード配信するサービス。視聴料金や視聴可能期間はコンテンツごとに個別に設定されており、Wiiポイントを使って決済する。また、一部のコンテンツはニンテンドーDSiに転送し、視聴可能。

 利用するには、まず「Wiiの間」にログイン。リビングのようなメニュー画面の右下にある、「移動」のアイコンを選択すると、既存の動画配信サービス「Wiiの間テレビ」などに加えて、「シアターの間」の項目が表示。それを選ぶとホームシアターのような画面に移り、メニューが表示された。


「シアターの間」が表示 シアターの間。「ようこそ! プレオープン」と表示されている 配信コンテンツの選択画面(新着順表示)

カーソルをサムネイルに重ねると、購入に必要なポイント数などが表示

 利用できる内容は、「映像を探して買う」ことと「買った映像を観る」の2つ。メニュー画面中央のスクリーンではおすすめコンテンツなどが表示され、そこからコンテンツにアクセスすることも可能。

 「映像をさがす」を選ぶと、サムネイルで配信コンテンツが一覧表示。1ページに8つのサムネイルが表示されるほか、前後のページの一部コンテンツもグラデーションでうっすらと見えるので、次にどんな作品があるのかが分かる。

 コンテンツの検索はジャンルごとやキーワード検索のほか、転送できるコンテンツだけを絞り込んだ「DSiで持ち運び! 」や、「Wiiの間オリジナル」といった項目も用意され、各項目内で「新着順」、「50音順」などでソートできる。今後作品数が増えていくと、こうしたソートは便利に感じられるだろう。また、利用者の意見を元にした「まんぞく度で探す」も11月28日より開始予定と表示されていた。


検索方法は様々 ジャンルの一覧 「まんぞく度で探す」も11月28日より開始予定とのこと
配信コンテンツの一例。ジャンルは映画やドラマ、スポーツ、アニメ、お笑いなど幅広いだけでなく、ハウツーものでは“ムーンウォークのコツ”などクセのある動画も

コンテンツの詳細情報なども見られる

 現時点では、視聴できる映画は「時をかける少女」('83年公開の原田知世主演版)のみ、ドラマも「あぶない刑事」1〜3話のみといったように、幅広いジャンルを用意しながらも作品数は少ない。アニメは「ポケモン」、「サイボーグ009」、「星のカービイ」など。

 一方、アントニオ猪木の名場面集、サッカーの名ゴール集といったダイジェスト作品や、「はじめてのビデオ撮影」といったハウツーものなど、ちょっとした時間に観られそうな動画が豊富。動画ラインナップについては今後の強化を待ちたいが、Wiiで利用するだけに、多くの本数を用意するというよりは、NHK「みんなのうた」など家族で楽しんで観るということを主に想定しているようだ。

 無料コンテンツも用意しており、アニメの第1話や、ショートムービーといった一部作品は無料でダウンロードできる。無料作品のみを絞り込んで表示することも可能。

 なお、発表時に案内された映像提供会社は下記の通り。

・アース・スター エンターテインメント
・アスミック・エース エンタテインメント
・ウォルト・ディズニー・ジャパン
・NHKエンタープライズ
・Jリーグメディアプロモーション
・Sesame Workshop
・テレビ朝日
・東映
・日本テレビ放送網
・Howcast Media Inc.
・ボーナス
・ポケモン
・吉本興業
・ワーナー エンターテインメント ジャパン
・ワープスター



■ 「家族で楽しめるコンテンツ」がメイン

 有料コンテンツの購入にはWiiポイント(1ポイント=1円)が必要。有料作品は、1作品30ポイントの短編もあれば、30分100ポイントのアニメや、300ポイントの映画「時をかける少女」などがラインナップされていた。プロレスの「猪木 VS アンドレ・ザ・ジャイアント」('76年)が400ポイントなど、料金の幅は広い。購入前に一部を「試し観」することもできる。

 Wiiでの購入は、所有するWiiポイントから差し引く形で行なう。無期限の視聴権を買う「購入」と、有効期限のある「レンタル」を用意しており、コンテンツによってどちらかがあらかじめ決められている。一度購入したレンタル作品の有効期限が切れた後にまた観たい場合は、改めて購入する必要がある。視聴は「シアターの間」上でしか行なえないため、有料/無料に関わらずWiiをインターネットに接続している必要がある。なお、後述するDSiでの再生は、無線LANに接続しなくても可能だった。

購入画面 ダウンロードすると、Wiiで再生可能に。視聴期限も表示される
DSiに転送できるコンテンツには、専用のアイコンが表示(画面中央下)

 配信される映像は、コンポジットで映像出力するWiiのハードウェア仕様もあり、大画面で観るには画質がつらい。しかし、配信されているテレビ番組やアニメは古い作品が多いため、「当時の気分で観る」と考えれば耐えられなくは無いだろう。

 購入した動画のDSiへの転送も試してみた。転送可能な作品については、購入画面に「DSi転送OK」というアイコンが表示される。その作品を一旦Wiiにダウンロードすることで、DSiに無線LAN経由で転送できるようになる。

 転送先のDSiには、あらかじめDSiウェアの「どこでも Wiiの間」(無料)をインストールしておくことが必要。Wii側で「DSiに送る」を選んだ後、「どこでも Wiiの間」を起動するとWiiから認識され、転送が可能となる。転送先はDSi本体またはSDカードのどちらかを選べる。ダウンロードが終了すると、DSiで映像が再生できるようになった。転送後、同じコンテンツを別のDSiに転送するかを尋ねられ、Wiiから続けて転送することも可能。また、DSi本体からSD、またはSDから本体へのムーブも行なえる。

 試しに、ダウンロードしたコンテンツの入ったSDカードを他のDSiにも挿入してみたが、「映像が1本もありませんでした」と表示され、再生はできなかった。また、SDカードをパソコンで見ると、フォルダ内に「mov000.bin」というファイルが表示。複数ダウンロードすると001、002というように連番が付けられていた。なお、拡張子を変えて見ても、PC上では再生できなかった。

転送する際には、無線LAN接続したニンテンドーDSiで「どこでもWiiの間」を起動する必要がある 転送中の画面 続けて、他のDSiに転送することもできる
ニンテンドーDSiの「どこでもWiiの間」 再生コンテンツ選択画面。SDカードと本体間のムーブも可能 再生画面。下のシークバーをタッチペンでなぞると早送り/巻き戻しが可能


■ 転送できるコンテンツの拡充を

 転送方法はシンプルで迷うことはなかったが、問題は転送できる作品の数と種類。配信数に対して圧倒的に少ないほか、ドラマや映画などはどれも転送できず、転送できるのは、わざわざ持ち運ぶまでもない短い作品がほとんどだ。NHK「みんなのうた」の名曲「コンピューターおばあちゃん」が配信作品にあったのは個人的に魅かれたが、これも転送不可だった。また、レンタル作品は、視聴期間が3日など、短いものが多いことも残念。

 そのほかにも、DSi転送に転送する際に無線LANだけでなくSDカードでやりとりする方法も用意した方がユーザーには親切では、とも思えた。こうしたDRMに関連する使い勝手の制限は、コンテンツ提供者との取り決めによるものだろうが、現状では「転送できる」というサービスの魅力が半減していると言わざるを得ない。

 ゲーム機向けの動画配信サービスといえば、PlayStation 3とPSPのPlayStation Network(PSN)が先行している。作品数も少しずつ増えてきたほか、PSPのみで動画を直接ダウンロードできるようになるなど、使い勝手も徐々に向上している。また、Xbox 360向けのサービスも海外ではスタートしている。そのほか、携帯電話でも、BDレコーダからの転送機能を持つ機種が拡充されるなど、家からの「動画の持ち出し」ができる方法は増えつつある。

 「シアターの間」は、サービスとしてはシンプルでわかりやすいが、他のサービスと比較して優位な点といえば、今の段階では「操作が難しくない」というところぐらいだろうか。お笑い作品や楽曲など、好きな作品を持ち歩いていつでも観られるとなれば、DSiの価値も高まり、持ち歩く機会も増えると思うのだが、今後作品数を充実させていくのか、あるいはUIなど別の方向で差別化していくのか、気になるところだ。ユーザー層に合わせるなら、あえて最新作品ではなく、懐かしい映像をとことん充実させるという方法も期待したい。



(2009年 11月 24日)

[ AV Watch編集部 中林暁]


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