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単品コンポの技術とこだわりをポケットに、デノン初のDAC内蔵ポタアン「DA-10」

 イヤフォン/ヘッドフォンブームに付随する形で、多くの製品が登場しているポータブルヘッドフォンアンプやDAC。ハイレゾ楽曲配信の本格化というトレンドも取り込みながら、屋外でより良い音で音楽を楽しむというスタイルは、オーディオ1つの楽しみ方として強く存在感を発揮するようになった。

 このような流れを受けて、ソニーやTEAC、オンキヨー、 JVCといった国内メーカーもポータブルアンプ兼DACを投入。これまでは一部のマニアが使うという印象だったポータブルアンプ市場に、長年蓄積したピュアオーディオのノウハウを強みとする国内メーカーが参入する形となり、人気を集めている。そして、ついにデノンが同社初のUSB DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「DA-10」を10月に投入する。

デノン初のUSB DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「DA-10」

 どちらかと言うと“黒くて四角い箱”という無骨なデザインが多いポータブルアンプ/DAC市場において、ピュアオーディオライクなヘアライン仕上げのアルミ筐体が印象的だ。だが外観だけでなく、ハイレゾ音源をさらに原音に近づけるという「Advanced AL32 Processing」を搭載するなど、中身にも気になるポイントが多数ある注目モデルだ。

 いったいどのような製品なのか? ディーアンドエムホールディングス CSBUデザインセンター デノンサウンドマネージャーの米田晋氏にお話を伺った。

 AVアンプの際にも登場していただいたのでご存知の方も多いと思うが、米田氏はデノン製品のサウンドをチェックしながら、設計者らと意見を交わし、音質をより良いものに高めるサウンドマネージャー。つまり、米田氏のOKが出ないと、デノン製品として世に出られない、“デノンの音の門番”のような存在。今回の「DA-10」も、当然米田氏のOKを得て発売される事になる。

単品コンポで培われた「Advanced AL32」をポタアンへ

 デノンと言うと、MUSIC MANIACなどのヘッドフォン/イヤフォンも手がけているが、単品コンポでは、アンプやCDプレーヤーなどのピュアオーディオ機器、AVアンプなどを連想する人が多いだろう。それゆえ、ポータブルアンプへの参入は意外な印象もある。米田氏は単にポータブルアンプが流行っているから製品を投入するのではないと言う。

米田氏(以下敬称略):ここ最近、デノンはカジュアルと言いますか、オーディオの間口を広げようというコンセプトの製品を手がけています。例えば、2月に発売したDA-300USBは、一般的にUSB DAC兼ヘッドフォンアンプとカテゴライズされていますが、我々としては身近にあふれているデジタルオーディオ音源を、最新のDACで、皆さんに気軽に楽しんでいただきたいという想いで企画したものです。

ディーアンドエムホールディングス CSBUデザインセンター デノンサウンドマネージャーの米田晋氏

 USB DACとしてパソコンに保存されているハイレゾ音源ももちろん再生できますが、それだけではありません。テレビにもオーディオ出力はありますが、それと接続し、オーディオのスピーカーから再生しても良い音がします。テレビの音もばかにできないですよ。デジタル音源は身近であるがゆえに、軽く流してしまわれる事も多いですが、本来はもっともっと楽しめるはずなのです。そうした様々な音源を気軽に楽しんでもらう製品として「DA-10」が生まれました。

 我々はハイファイ機器を作っていますが、ハイファイへの接し方が、これまでと同じスタイルだけであれば、今後はそれ自体が限られたものになってしまうでしょう。ですから間口を広げる事が重要です。しかし、広げると同時に、本当に音楽を楽しみたい方に対して、もっともっとディープになって欲しいという想いで作っています。ただ手軽さだけを求めるのではなく、音楽を楽しみたい人に、もっともっと奥があるんだよ、もっと楽しめるんだよと、新しい世界へ導くような製品になって欲しいと考えています。

右がDA-300USB

 DA-300USBと同様に、オーディオ機器に今まであまり興味が無かった人にもアピールする製品でありつつ、ポータブル機器だからといって単に安かったり、小さかったりというものではなく、ピュアオーディオ機器と同じようなマニアックさ、音へのこだわりを盛り込み、“オーディオって面白いな”と思ってもらえるような製品として開発されたのが「DA-10」というわけだ。

 ではDA-10の概要をおさらいしておこう。入力端子としてUSB DAC用のUSB(マイクロB)、iPhone/iPod接続用のUSB(USB A)、アナログ音声(ステレオミニ)の3系統を装備している。DACは、DSDが最高5.6MHz、PCMは192kHz/32bitまで対応する「PCM1795」を搭載。USB DAC利用時にはDSD 5.6MHz(ASIO/DoP)で、PCM 192kHz/24bitまでサポートする。PCはWASAPI、MacはCore Audioに対応。iPhone/iPod接続時は48kHz/24bitまでとなる。DACとしてのハイレゾ対応は、現時点で必要十分と言えるだろう。

 ただ、米田氏は「ハイレゾに対応していれば大丈夫」という風潮に警鐘を鳴らす。

入力端子はUSB DAC用のUSB(マイクロB)、iPhone/iPod接続用のUSB(USB A)を搭載。ライン出力も備えている
側面の設定スライドスイッチ

米田:ハイレゾという言葉だけがひとり歩きしてしまっている感がありますね。解像度が高くなれば、良くなるのは当たり前ですが、“何のために解像度を高くする必要があるのか”が大切です。CDの音はダメなのかと言うと、そんなことはありません。良いものはCDでもずっと聴き続けたいですよね? 44.1kHz/16bitも、まだまだ使いきってはいないと思っています。フォーマットだけがひとり歩きして、96kHz/24bitなどの“器”だけがあればそれでいいのかと言えば、決してそんな事はありません。本当に聴きたいのは音楽なのですから。

 オーディオメーカーが作る製品である以上、変なものは作りたくありません。ハイファイで培ってきたものを、しっかりと投入していく。ハイレゾであれ、そうでない音源であれ、音楽の魅力を再生する能力を持っていなければ、デノンのバッチを付ける資格はありません。

 こうした米田氏の考えが具現化されているのが、DA-10の大きな特徴である「Advanced AL32 Processing」の搭載だ。オーディオファンであれば、デノンのプレーヤーと言えば「ALPHAプロセッサー」がすぐに思い浮かぶと思うが、その最新版が小さな「DA-10」にも搭載されている。

フラッグシップディスクプレーヤー「DCD-SX1」

 この「Advanced AL32 Processing」は、デノンが世界初のCDプレーヤー「DCD2000」を発売してから約30年が経過した2013年に、培ってきた技術の集大成として発売したフラッグシップディスクプレーヤー「DCD-SX1」にも搭載されている。

 特徴は、ビット拡張と時間軸での拡張を両方行なう事。16bit、24bitなどのデータが入力されると、それを32bitまで拡張し、ダイナミックレンジを拡大。時間軸は44.1kHzでは16倍、96kHzでは8倍、192kHzでは4倍まで拡張して処理する。その際に、独自のデータ補完アルゴリズムも用いて、よりアナログに近い音を実現するという。

Advanced AL32 Processingの概要

 また、「Advanced AL32 Processing」は、フィルタ効果も担当。「DA-10」にはDACとして「PCM1795」が採用されているが、このDACにデフォルトで搭載されているフィルタをあえて使わず、Advanced AL32 Processingがローパスフィルタの役割も担っている。なお、Advanced AL32 Processingの処理は、FPGA(ファームウェアを読み込ませることで回路構成を自由に変えることができる汎用性の高いLSI)が行なっている。

DA-10の内部基板

米田:ALPHAプロセッサーが初めて登場したのは'94年ですが、その頃から考え方は変わっていません。'93年に日本コロムビアで初めて20bit録音を行なったのですが、CDになる時は44.1kHz/16bitですよね? 16bitになる事で無くなってしまった音を、再現できないかという考えからALPHAプロセッサーが生まれました。ハードウェアの方から出来たものではなく、録音の現場で、16bitの音を20bitや原音のイメージに近づけるためのモニタリングツールとして必要だったから作られたのです。日本コロムビアはハードとソフト、両方の世界を持っていたから作り上げられたのがALPHAプロセッサーだと思っています。

 そのALPHAプロセッサーが、扱えるデジタルオーディオの信号が拡大する事で進化し、現在は「Advanced AL32 Processing」になりました。DA-10の企画段階からALPHAを入れようとは考えていましたが、どこまでのALPHAを入れられるのか? というのは企画の時点で実はネックになっていました。

 どうしてかと言うと、Advanced AL32を入れるとなると、回路の規模が物凄く大きくなってしまうのです。本当にそこまでやって効果が出せるような製品にできるのかという葛藤がありました。最終的には、やる以上、キチッと作り込もうと、Advanced AL32を搭載する事になりました。製品としてどのようにまとめるかという、設計は大変でしたね。

中央の大きな黒いチップが「Advanced AL32 Processing」のFPGA(ファームウェアを読み込ませることで回路構成を自由に変えることができる汎用性の高いLSI)

米田:処理の中身は、「DCD-SX1」のAdvanced AL32と同じです。しかし、大量のデータを高速に処理しますから、Advanced AL32のFPGAの近くに、アナログ信号があると、悪い影響も出ます。筐体が大きければ離して設置できますが、ポータブルではそうもいきません。逆に、コンパクトで伝送距離が短いという意味では良いところもあります。そのあたり、最適なレイアウトを求めて、様々な計算やカットアンドトライを繰り返しました。

DA-10に搭載されているバッテリ

 また、ポータブル機器はバッテリで動作しますので、消費電力が大きいAdvanced AL32を搭載し、どこまでの連続使用時間が確保できるかも重要でした。7時間を目標としていましたが、ポータブル機器でよく使われる2,400mAのバッテリではとても足りない。計算すると3,000mA以上が必要でしたが、そうなるとこの筐体サイズに入るバッテリがなかなか見つからず……苦労しました。ようやく3,200mAでコンパクトなものを見つけて、開発の目処が経ちました。

 連続使用時間を延ばすために、USB AとUSB Bで、使っていない方のチップはOFFにしたり、アナログ入力利用時はデジタル系を全部OFFにするなど、細かな工夫も行なっています。アナログ入力であれば、24時間くらい持ちますよ。

 米田氏が語る「デノンのサウンド」にAdvanced AL32 Processingは不可欠なものとなっている。それゆえ、ポータブル製品でも“ALPHAプロセッサの内蔵”はどうしても実現する必要があったようだ。

米田:Advanced AL32 Processing機能は常にONになっています。PCMに対して機能するものですので、DSDデータの時はバイパスする形になります。常にONになっているのは、自分たちが“これが良い”と思った仕様に関しては、やはりその状態で聴いて欲しいという想いがあるからです。デノンのCDプレーヤーで、ALPHAプロセッサがOFFにできるモデルは一切ありません。DA-10でも、考え方は同じです。

ディスクリート回路で行なう、オーディオメーカーの音作り

 DA-10に搭載されているDACは、バーブラウン「PCM1795」だ。電流出力型のDACだが、その出力を差動出力で使っている。DACから電流出力した信号をI/V変換し、ローパスフィルタを経て、ポストフィルタで差動合成している。

米田:PCM1795を選んだ理由は、やはり使い慣れている事と、電流出力型である事ですね。DACだけで音が決まると思ってはいませんが、多少のキャラクターは持っています。我々はCDプレーヤーの当初から、ずっとバーブラウンを使い続けてきた歴史があります。どうしてもバーブラウンでなければらないというわけではありませんが、以前からマルチビットのDACにこだわって使い続けてきました。

 デノンのCDプレーヤーで培った技術の中に、ラムダプロセッサという考え方があります。差動構成にして、歪をキャンセルし、最終的には無歪でD/A変換をするというもので、デジタルの段階で歪を取り除く事に取り組んだのは我々が一番早かったと思います。そういった思想にも、今回のDACはマッチしていますね。

 他にも、PCと接続する製品ですので、PCのノイズが影響を与えないように、アイソレーションについても対策を行なっています。また、我々がずっとこだわっている「DACマスター・クロック・デザイン」も重要です。皆さんデジタルと言うと正確なものだというイメージをお持ちかもしれませんが、そんな事はありません。デジタルの大原則は、正確なクロックで、DACを正確に動作させる事ですが、クロックがいくら正確でも、DACが正確に動かなければ意味がありません。

ブロックダイヤグラム

 DACマスター・クロック・デザインは、DACをマスターとしてクロック供給を行なうことで、デジタル回路の正確な同期を行なうもので、入力信号のサンプリングレートに合わせて44.1kHz系と48kHz系、2系統のクロック発振器を使い分けています。どうやってDACを正確に動かすかを、ずっと詰めて、モデルを開発する度に見直しを重ねて来ました。

 電圧増幅段には、ハイスピードかつローノイズなオペアンプである「OPA1662」を使っています。最終段のヘッドフォンアンプの手前が「NJM8801E」です。いろいろなオペアンプを比較試聴して決定しました。最終段はディスクリートバッファにしています。

 ディスクリート回路はオペアンプと異なり、素子を自由に選択して構成する回路だ。それゆえ、自由度が高く、音作りの幅も広がるという。

米田:ヘッドフォン専用オペアンプを使うと種類は限られてしまいます。オペアンプと組み合わせる場合でも、種類が限られてしまいますのでディスクリートの方が有利です。確かにオペアンプはスペックだけを見ると凄いのですが、本当にコッテリとした、揺るがない安定感のある信号、“余裕”のような部分を求めると難しいところもあります。ディスクリートであれば、自分達の音作りが自由にできます。メーカーの音作りにおいて、「このオペアンプを使いました」というのは、安易だと思います。

 同じようなこだわりとして、基板を見ていただくとわかりますが、ファインゴールドのコンデンサなどゴロゴロしたパーツも取り付けています。こうした部分も、今では表面実装でそこそこの容量をとれるパーツがあるのですが、あえて使っていません。今の部品は“余裕度”があまり無いのです。“この周波数でこの値をクリアする”というパーツはありますが、オーディオの音質に重要なのはそういうものではなく、全体でどのくらい余裕があるかどうかも大きなポイントになってきます。

ゴールドの大きなコンデンサが、ファインゴールド製のコンデンサだ

 こうしたこだわりを投入した結果、基板における部品占有率は約90%にもなったという。まさにスペースを限界まで使い切った製品だ。

米田:筐体サイズもコストも制約が厳しいので設計は悲鳴を上げていました(笑)。最初は4層基板を考えていましたが、結果的には6層ビルド基板という特殊な基板を使っています。これによるメリットもあり、クロック系のパターンをグランドと電源で挟み込むような構造にでき、不要なノイズを外に出さないようになっています。おかげでコストはかなり上がりましたが、ユーザーさんにとっては、お買い得な製品になっていると思います(笑)。

6層ビルド基板という特殊な基板が使われている

 DA-10の価格はオープンプライスで、店頭予想価格は42,000円前後だ。デノンのようなピュアオーディオメーカーであれば、もっと高価なモデルを作るという選択肢もありそうなものだが、そこにも、前述の「オーディオの間口を広げる」狙いがあるという。

米田:DA-300USB(実売49,660円前後)もそうですが、10万円を超えるような価格帯に投入するのではなく、普及価格帯で勝負するというのがまずありました。この価格帯であれば、ピュアオーディオをやったことがない人にもアピールできると考えました。確かにハイファイ機器では、まずフラッグシップを出して、下位モデルを展開する形がありますが、DA-10に関してはしっかりとしたハイファイの音が出せる製品を、広く皆さんに楽しんでいただきたいというのが私達の願いですので。

 なお、個人的に気になっていたのは、最近ポータブルアンプで流行っているバランス出力に対応していない点だ。

米田:我々のハイファイ機器ではトップモデルなどで最後までバランス伝送を行なっています。歪をできるだけ無くすためですね。逆に、DA-10のようなサイズの機器で、バランスが必要なのかという疑問があります。サイズや価格なども含め、最適な仕様としてDA-10を作りました。

 先ほどハイレゾという言葉がひとり歩きしていると言いましたが、“バランス”もそれと似ていると思います。デノンではハイファイコンポでも、例えばフルバランスの時と比べ、アンバランスで接続すると何かがおかしくなるとか、何らかの差が出るというのは認められません。

 DA-10はデザイン面でも特徴がある。黒くて四角い箱が多いポータブルヘッドフォンアンプの中で、ヘアライン仕上げのアルミを天板や底板に使うなど、ピュアオーディオ機器ライクな外観になっている事だ。

米田:DA-300USBのデザインと同じ流れにありますが、“見た目からも音の良さを予感させる”事を第一に考えています。もちろん質感にもこだわっていますよ。

ヘアライン仕上げのアルミが天板や底板に使われている

音楽を大事にするキッカケとしてのポタアン

 開発中のDA-10を短時間ではあるが、試聴させてもらった。iPhoneのHF Playerと組み合わせ、ヘッドフォンはe☆イヤホンオリジナルの「SW-HP11」を使用した。

 192kHz/24bitの「イーグルス/ホテル・カリフォルニア」を聴くと、音場の広さと、そこに定位する音像の精密さとが印象的だ。特筆すべきは高域の描写の丁寧さで、ピュアオーディオライクな艶やかさも感じられる。ドラムやベースの中低域には安定感があり、小さなアンプながら、音楽をしっかりと下支えしてくれる頼もしさがある。

 一方で、デノンのアンプにしては、低域の馬力が控えめで、スッキリとしたPCオーディオライクというか“今風の音”にも感じられる。米田氏にそう伝えると、「最終的な追い込みをしているところですので、まだまだ良くなります。コッテリとした、余裕のあるサウンドになっていくところです」とニヤリ。

米田:確かにポータブルアンプであり、ヘッドフォンをドライブするための製品ですが、背面にライン出力も備えており、単体DACとして使うために、出力電圧を固定するモードもあります。

 ですので、ヘッドフォンだけでなく、プリメインアンプにも接続して、「スピーカーで音楽を聴くのも、やっぱり良いものだな」とできるだけ多くの人に感じて欲しいです。機能も豊富ですので、ハイファイの入り口として、いろいろ遊んでもらいたいです。

 また、こうしたハードウェアがあっても、音楽が無ければ何の役にも立ちません。音楽にも流行り廃りはありますが、良いものはいつ聴いても、どんな環境で聴いても良いと思えるものです。やはり、オーディオ機器というのは、“コンテンツそのものを大事にするための機械”なのだなと、そのためのツールなんだなという事を知っていただく……そのためのキッカケになって欲しいモデルです。

 (協力:デノン)

(山崎健太郎)