“マニアの思想”で生まれたBlu-ray版「七人の侍」

-東宝・黒澤映画BD化を支える「FORS system」


七人の侍

10月23日発売

標準価格:
 「BD-BOX」29,800円
 「単品BD」各4,935円

 9月18日に初代「ゴジラ」などの、特撮名画のBlu-ray化を開始した東宝。10月23日には、いよいよ黒澤明監督作品のBD化を開始する。製品の詳細は既にお伝えした通りだが、第1弾は、「七人の侍」や「影武者」など7作品で、単品版に加え、BD-BOXもラインナップされる。

 

黒澤明THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection I
 注目したいのはそのクオリティ。特に、黒澤監督の代表作と言える「七人の侍」は'54年公開であり、実に50年以上の時を経てのBlu-ray化となる。特撮BD発売前に、初代「ゴジラ」のレストアやエンコードなどのBD制作の舞台裏を紹介したが、今回は「七人の侍」を中心に、黒澤作品のBD制作現場をレポートしたい。

 伺ったのは東京・赤坂にあるキュー・テック。テレビ番組やパッケージ向け作品の企画制作、DVD/BDのエンコード/オーサリング、フィルム作品のデジタルリマスタリングや劇場上映用作品の製作、ネット配信用データ変換など、様々な事業を行なっているポストプロダクションだ。アニメ作品を手掛ける事も多いのでアニメファンにはお馴染みだろう。

 そんなキュー・テックでは、7月から高画質/高音質なBlu-rayソフト制作を可能にする新マスタリングシステム「Super Hi-Quality Blu-ray Disc Master Process FORS system」(FORS system/フォルスシステム)を開発/導入している。コンセプトは、“ピュアオーディオマニアの視点で生まれたマスタリングシステム”。BD版「七人の侍」などは、この「FORS system」が使われているという。FORSがどのようなシステムなのかも注目だ。


 

■ BD用にテレシネからやりなおす

 旧作BD化の作業工程は、基本的にマスターフィルムからビデオへと変換する「テレシネ作業」を行ない、そのビデオ素材に対して傷やゴミなどを修復する「レストア作業」を実施。完成したマスターを、MPEG-4 AVCなどのBD用映像フォーマットにエンコードし、メニューや特典を加えるオーサリング作業を経て、BD製造工場でカッティング。晴れてディスク完成という流れになる。キュー・テックではテレシネからオーサリングまでトータルでカバーしており、最後のカッティングは関連会社であるメモリーテックの工場で行なわれる。

 しかし、東宝から順次BD化される黒澤映画21作品は、以前のDVD化の際、将来の利用を見越してHDテレシネをしたマスターが作成されている。しかし、当時の技術的な事情から、キズ消しなどのレストアはDVDマスターで行なわれた。そのため、BD化にあたってはHD解像度で再度レストア作業を行なう必要があったという。さらに、テレシネそのものについても、その後の技術的進歩もあるため、クオリティの改善が見込める作品については、改めてテレシネ作業から行なったという。今回紹介する「七人の侍」もその1つだ。

 

テレシネグループの今塚誠マネージャー
 テレシネグループの今塚誠マネージャーによれば、テレシネ作業の解像度はBD用にフルHDで行なわれたという。「マスターフィルムは35mmのポジで暗部が出にくく、粒子も粗いものでした。BDの映像の方向性として、デジタルチックに粒子を無くして綺麗にするのと、フィルムの質感を大事にしてオリジナルの良さを活かす方向がありますが、私とプロデューサーの方で話し合い、後者の方で行こうと判断しました。DVD製作時はダウンコンバートの際に輪郭補正をかける事もありますが、今回はそうしたこともせず、できるだけナチュラルに仕上げています。でも何も手を加えないのではなく、“フィルムの質感は残っているけれども、これまでと違う画質”を目指しました」。

 「難しいのはやはり暗部です。暗部のディテールが出にくかったり、情報が失われている場面もあります。そこを単に電気的に持ち上げると、コントラストの強い薄型テレビでは画面が眩しくなってしまう。基本は強いコントラストを付けず、シーンごとに話し合いを重ね、微調整しながら進めていきました」と今塚氏。


 

テレシネを行なう装置。リールにフィルムを装着。中央の黒い部分でスキャニングするカラーコレクションなどを行なう部屋。Pandora社のPogleやpiCCASOなどが導入されている

 また、フィルム映画では粒子(グレイン)の処理も重要になるが、七人の侍ではその処理もレストアではなく、テレシネの段階で作業したという。「キューテックにはグレインを調整する機械が3種類あるのですが、大きく分けてハードウェアタイプのものと、ソフトウェアタイプのものがあり、ハードウェアはリアルタイムに処理できるのが特徴です。ソフトウェアはそれに対し、実時間の約15倍の時間がかかります。しかし、今回はテストの結果、ソフトの方を選択しました」。

 「グレインの低減量はソフトのパラメータで変更できますが、取り過ぎると質感や空気感が損なわれた、ノッペリとした映像になり、弱すぎると何も変わりません。そのパラメータを決めるために、作品の一部だけを処理して、エンコードまで行ない、エンコード後の映像がどのように見えるかを検証しました。そこで最良だった結果から戻ってパラメータを決めるという試行錯誤を何度も繰り返しました。また、古い作品なのでフィルムの焼きムラなどもあり、フリッカー(明暗差のあるコマが連続してチカチカする現象)の低減やカラーコレクションもテレシネの段階で処理しています」。


■ 雨の合戦シーンのレストアは全て手作業

 

リマスターグループの坂本篤マネージャー
 完成したビデオ素材は、修復のレストア作業に回される。DVD版もかなりの労力を割いてレストア作業が行なわれたと聞くが、BD版ではそれ以上の映像が期待される。リマスターグループの坂本篤マネージャーによれば、レストアスタッフ全員が作業開始前にDVD版を観賞して気合いを入れたという。

 作業の流れはレストア用ソフトのオート機能で一旦ノイズやゴミを自動的に除去。それでは取りきれないものや、取りすぎてしまって不自然になった部分などを手作業で細かく修復していく。

 やはり一番の難所は、野武士が襲来する雨の中の合戦シーン。「オートでは雨をノイズと判断してしまい、全部消してしまうんです。結局あのシーンは2ロール、全部手作業です」と笑う坂本氏。また、フリッカーの影響で同じシーンでも明暗差があるため、単に別のコマから一部をコピーしてきても、明るさが合わず、違和感が出てしまう。そうしたものを違和感無く修復していくのも、坂本氏らプロのテクニックだ。

 

 

レストア作業中の写真。オート修正前と後を細かくチェックしながら、人の手でしか直せない部分を修復していく作業中の坂本マネージャー。作業用の液晶モニタだけでなく、右に置いてあるPDPでどのように表示されるかも常にチェックしている

 また、ゴミキズ以外に、完全にコマが無い(ロスト)している部分もある。具体的には村を守ってくれる侍探しのシーン(チャプタ2冒頭、肩に槍を担いだ武士が左から右へ歩く場面)。「そのまま再生すると一瞬画面が黒くなるのですが、それを防ごうと例えば前後どちらかのコマを入れると、黒表示は無くなりますが、一瞬絵が“止まって”しまいます。そこで、前のコマと後のコマを半透明化し、重ね合わせた中間コマを作り、挿入する工夫で不自然さを低減しました」

 「ほかにもダメージが多いのは、光学処理でワイプをしている、シーン切り換えのシーンですね。やはり光学処理なのでフィルムにキズが沢山ついてしまい、修復にも時間がかかります。1日作業で3分くらいしか進まない時もありました」(坂本氏)。207分という長時間の作品という事もあり、レストア作業は3人体制の24時間作業で、約1カ月が費やされたという。


■ 映像のエンコードと音声処理

 

第1デジタルメディア制作部の稲見成彦氏
 こうしてビデオ上で完成したマスターは、HDCAM-SRで映像エンコード部門へと渡る。「七人の侍」ではMPEG-4 AVCを採用。担当するのは第1デジタルメディア制作部の稲見成彦氏。「七人の侍はもの凄く尺が長い(207分)作品ですが、入れ物(片面2層BD)が50GBと決まっているので、いかに効率良く圧縮して入れるかが問題になります。ですので、地道なところでレート計算からはじめ、音声仕様が決まる前から“リニアPCMで入れるなら絵はこのレート”など、様々なパターンを想定しました」。

 「最終的には平均21Mbps程度になっています。通常の映画だと、プラス10Mbpsくらい高くしたいところですが、モノクロの作品であり、フィルムとは言え、解像度的にもの凄く細かい映像というわけでもないので、フィルムの粒子感を上手く見せつつ、そのぐらいのレートでも元の絵に近い映像になっています。もちろん可変レートですので、難しいシーンでは大幅にレートを上げています」。

 稲見氏によれば、前述の“グレイン量”はエンコードにも深く影響しているという。「フィルムの粒子感を残すのは、雰囲気や空気感を出す以外に、“エンコード時に絵が破綻しにくい”という利点もあります。中途半端に粒子を消した状態でエンコードすると、絵がブロック状に破綻しやすくなり、いかにもデジタル的に処理したというペタッとした絵になってしまうんです。難しかったのは夜の焚き火のシーン。エンコードで暗いシーンのレベル差を細かく出すのは難しいのですが、いかに元の映像に近く見えるかを念頭に作業しました」。

 こうしてエンコードされた映像のデータは、後述するFORS仕様のHDDに保存される。その前に、オーディオデータの話も紹介しよう。

 

編集部音響グループの中林圭一マネージャー
 担当するのは編集部音響グループの中林圭一マネージャー。中林氏はまず、オリジナルのフィルムの光学トラックから音声をキャプチャするため、程度の良いフィルムの再生装置を吟味する事からスタート。デジタルデータ化した上で、光学トラック音声特有の“ブツ、ブツ”といったノイズを映像のレストアと同じように、Pro Toolsを使って手作業で消していくという。

 また、「七人の侍」BDにはオリジナル音声(リニアPCM)に加え、'91年版のドルビーサラウンド(リニアPCM)、リミックスの5.1ch(ドルビーTrueHD 5.1ch)も収録されている。中林氏は、DVD時代に作成された、それらリマスター、リミックスの音声素材を東宝から受け取る。それらの音声は既にノイズ除去などが施されているが、「その際に取り切れていなかったベースノイズや、電源系のハムノイズを除去していきます。また、当然ですが新しく作られた映像マスターと、元の音声素材はタイミングが異なるので、新たな映像に合うようにタイミング調整をかけた音声ファイルを作成していきます」(中林氏)。



■ FORS system

 

FORS systemの概要図
 キュー・テック独自の「FORS system」は、これらの段階で活躍してくる。中林氏によれば、普通の作業では完成した音声データを、他の作業部署からもアクセスできるサーバーにLAN経由でデジタルコピーして終了だが、FORSでは完成した音声をPro Toolsのマシンでリアルタイムに再生しながら、FORS仕様のHDD「FORS Hi-Definition Storage for Audio」に録音(ファイル保存)していく。その際、「FORS Sound Processor」と呼ばれる専用プロセッサで、伝送時の信号減衰を補正しながらHDDへとデータを渡すという。

 保存先のHDDは、3cm厚の御影石で作られた30kgはあるという超重量の特製ケースにマウントされており、振動の影響を排除。接続はeSATAで、ケーブルも厳選されたものが使われている。こうして音声データを保存したHDDは、以降デジタルコピーされる事は無く、御影石ケースから取り出したHDDがオーサリングにまわされ、オーサリングマシンに接続された御影石ケースにマウント。プレス工場へもHDDで運搬し、FORS仕様のBDカッティングマシンに繋がれる。


 

中林氏が音声の修復などを行なう部屋上下に重ねてあるFORS仕様のHDD「FORS Hi-Definition Storage for Audio」記録したHDDはケースから抜き出し、次の作業部屋へと渡される。渡された先でもマウントされるのはFORS仕様のケースだ

 さらに、音声処理を行なうPro Tools用ワークステーションは、ルビジウムを使ったFORS仕様のマスタークロックジェネレータで動作タイミングを制御。このクロックは前述のカッティングマシンでも同じものが使われており、製作からディスク化まで、機器の動作タイミングが揃えられている。もちろん映像処理用マシンにも気を配っており、エンコードマシンは大理石のボードなどを使って制振。完成した映像データは、音声と同じように、御影石ケース収納のHDDに書き出し、そのHDDがオーサリングやカッティングマシンへと渡され、処理されていく。

 

下にあるのが減衰した信号を補正するFORS Sound Processorルビジウムを使ったマスタークロックジェネレータも接続されているPro Toolsが走っているマシン。よく見ると天面に御影石が置かれ、制振処理がされていることがわかる
FORS Hi-Definition Storage for Audioの裏側。極太の電源ケーブルが使われている音声処理用ルームの機器は、クリーン電源で動作している2ch用のFORS Sound Processor
稲見氏が作業しているエンコードルームエンコードマシンも御影石でしっかり振動対策机の下にはFORS仕様のHDD。エンコード後の映像データはここに保存される

 FORSのこだわりはこれだけでなく、例えばHDCAM-SRのVTRから、オーサリングマシンに至まで、様々な機器の電源にクリーン電源を使ったり、極太の電源ケーブルを使うなど、細かな部分にまで及んでいる。つまりFORSは、専用機器や特定の工程を指すものではなく、「データ転送の高品位化と、それを念頭にしたシステム全体の見直し」をコンセプトに、「作業工程でのデジタルデータの減衰にも考慮したクオリティ重視の製作」という思想やプラットフォームの総称と言えるだろう。

 

HDCAM-SRのVTR黒い筐体がクリーン電源背面に回ったところ。緑色の通常より太いケーブルで接続されているのがわかる

オーサリングマシンもFORS仕様。左に置かれたHDDケースに映像や音声データを保存したHDDを挿入。オーサリング処理を行なう机の下を覗くと、ここにもクリーン電源

 

企画営業部の伊藤幸一氏
 FORSのプロデュースを担当している、企画営業部の伊藤幸一氏は、システム開発のキッカケについて「DVDなどデジタルのパッケージになってから、“音にこだわっていないのではないか?”という指摘をマニアや一部のエンジニアから受け、調査しました。デジタル to デジタルでコピーできるようになって、“データが変わらなきゃいい”という話がある一方で、各機器をデータが通過する中で、信号が減衰し、それが結果的に音質に影響しているんじゃないかと考えた」という。

 そこで減衰を補正する専用プロセッサや、安易にデジタルコピーをせず、最初に記録したHDDを物理運搬して作業を進めるプロセスを導入。「評論家の方々や社員で比較した結果、“音の定位や高域がハッキリする”、“楽器の個々の音が聴きやすくなる”などの効果がありました。今回は黒澤作品がBD化されるタイミングと重なり、フィルムの光学音声に対しても効果的だと評価していただき、採用に至りました」と伊藤氏。今後については「キュー・テックはアニメ作品のイメージが強いですが、FORS導入を機に、音楽関係のソフトも手掛けていきたいと考えている」という。


□関連記事
【7月24日】キュー・テック、BD用の新マスタリングシステム導入
-「FORS」。9月発売の「機動戦士ガンダムZZ」などに採用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090724_304663.html


■ FORSの違いを体験

 FORSで作られたディスクと通常工程で作られたBDで、キュー・テックの試聴室で比較再生が行なわれた。古い作品ではあるが、音質面で確かに違いはあり、FORS仕様では雨の包囲感や高域の伸びが若干向上し、全体の音場も広くなったように感じられる。セリフが聞き取りにくい部分がある作品だけに、背後の音とセリフの分離がアップし、聴き取りやすくなるという変化もあった。「例えばノートPCのスピーカーで再生しても、セリフの聴き取りやすさがアップしていることはわかると思います」(伊藤氏)。音質だけでなく、映像面でもグレインの出方や階調などに、良い変化があるという。

 こうして完成したBDのサンプル版をお借りし、自宅で再生してみた。クオリティの高さは冒頭からわかる。テロップ表示からスタートするが、若干の揺れはあるものの、チラつくゴミやノイズはほとんど無く、非常にクリア。野武士が馬で駆ける最初のシーンでは、木の枝や葉っぱなど、細かいディテールがしっかりと描かれており、オリジナルフィルムの情報量の多さに驚かされると同時に、Blu-rayの解像度でそれが確認できる事が嬉しい。菊千代が鎧兜を勘兵衛達のもとに運んでくる名シーンも、鎧の鈍い光りや細部の装飾が細かく描写され、重量感や冷たさが伝わってくる。

 武士や百姓の顔のアップが多い作品だが、光の当たった額の周囲や、首筋にかけてのなだらかな陰影の階調は豊かで、立体感がある。ボサボサの髪の毛も1本1本解像されている。こうしたアップや、夜の焚き火のシーンなど、動きの少ない場面では'54年の作品とは思えない、クリアかつ情報量の多い映像が展開する。終盤の合戦シーンでは、大雨の中に立つ人物の表情が、雨にレートをとられて曖昧になることもない。家の中から村人達が、外にいる七郎次の様子を伺う輝度差があるシーンも、闇の中にいる村人の輪郭が暗部にしっかり描写されており、外が白飛びしたり、暗部が沈み過ぎる事も無い。

 過去の映像との比較として、BDに特典として収録されている予告や特報映像と比べると、冒頭の野武士のシルエットから、解像度やクリアさがまるで違うことがわかる。予告編は全体が砂粒のような荒いノイズに覆われ、ザラザラとした質感。木の葉や枝も描写が甘く、互いにくっついてボワッとした黒いカタマリになっている。BD版のクリアな映像と比べると、もはや“別物”だ。また、「七人の侍」に限って言えば、本編が複数枚で構成されたDVDやLD時代のように、ディスクの入れ替えや反転をせずに最後まで視聴できるのも、大容量のBDならではの嬉しいポイントと言えるだろう。

 誰もが一度は見た事のある作品だと思われるが、情報量の多いBlu-rayで鑑賞すると、俳優達の微妙な表情の演技などが従来より明確に伝わり、奥行きのある背景描写により没入感も向上。新鮮な気持ちで楽しめる。侍達の性格の違いや、“間”の使い方が上手い緊張感溢れる会話シーン、泥と血潮が洗われる大雨の中での生々しいる合戦シーンのスピード感などは、今観なおしても新鮮で、エンターテイメント性に溢れており、「有名だけど観たことが無い」という人にもお勧めだ。地道に生きる百姓達の“強さ”、力と名誉を求めながら老いていく侍の“悲哀”といったメッセージもキッチリと描かれており、脚本や構成の完成度の高さも、この作品が名作たる所以だ。

 このクオリティを支えたFORSは、その効果の有無を気軽に比較できないため、BDを購入するユーザーにとっては、今後も存在を強く意識する機会は少ないかもしれない。ただ、ユーザーがAV機器の電源やケーブルにまでこだわり、再生品質を追及しても、源流であるソフト制作の段階でクオリティを重視してくれなければ寂しいもの。FORSはそうしたマニアの“こだわり”や“熱意“が、ソフト制作のスタート段階にまで遡って適用されたシステムと言える。その効果はハイクオリティなBDソフトとして我々の手に渡り、AV体験のクオリティ向上に寄与してくれるだろう。



(2009年 10月 22日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]