孫策伯符率いる南陽学院と、頭主・劉備玄徳の成都学園が同盟を組み、魔王・曹操孟徳の許昌学院に戦いを挑んだ“赤壁の戦い”。孫策達が戦いに勝利し平和な日々が訪れると思われた……。しかし、闘いの跡地に不穏な影が現れる。
　その頃、許昌学院へ向かうもう一つの影。上半身ジャージ姿でリュックサックを背負い、髪をアップに束ねた女子高生。闘士達を倒しながら校内を進み、放送室を占拠した彼女は名乗る「ボクは涼州高校一年 馬超孟起! ボクと勝負しろ曹操孟徳!!」。
　

　塩崎雄二の人気コミックを原作としたテレビアニメ最新作で、第4期にあたる。孫策、呂蒙、関羽など、三国志の英雄達の宿命を受け継いだ高校生たちが、現代の覇権を巡ってバトルを繰り広げるというのが基本設定。
　三国志好きな人ならより楽しめること受けあいだが、英雄達の魂を封じ込めた勾玉を持つのが美少女ばかりなので、揺れたり破れたりはだけたりするサービス要素てんこ盛りのバトルが最大の見所とも言える。AT-Xと他局の規制の違いも見所(?)の1つ。第4期では従来からのキャラに加え、馬超孟起がアニメ初登場(もちろん美少女)。アニメオリジナルキャラクターも登場予定だ。

　時は後漢の末期。乱世の中、仲間達と力を合わせて生き抜く少女たちがいた。関羽(かんう)は、天下太平の世の中を作りたいと夢見て、武者修行のため諸国を旅する黒髪の美女。
　旅の途中、張飛、諸葛亮、趙雲、馬超そして劉備など様々な仲間と出会い、姉妹の契りを交わす。彼女たちは一騎当千の戦闘能力と、持ち前の明るさを武器に平穏を築いていく。しかし、それも束の間、新たな影が忍び寄っていた……。
　

　「一騎当千 XTREME XECUTOR」と同じく、三国志でお馴染みの人物が美少女キャラクターとして登場するアニメ。美少女ゲームを原作としており、今回はテレビアニメ第3期シリーズとなる。
　第1期開始前は正直これほどの長寿シリーズになると思っていなかったが、個々のキャラクターの立ち具合や、丁寧な描写、安定感のあるストーリーなどで人気を獲得。何が魅力かと聞かれると一言で言うのは難しいが、製作陣のキャラクター達への愛情が伝わるような暖かくてほのぼのとした雰囲気が最大の強みだと感じられる。

　両親を早くに亡くし、家計を助けるためアルバイトに励む少年ジョーイ。彼はある日、道端に捨てられた玩具のロボットを拾う。ヒーローマンと名付け、壊れた箇所を修理し、愛情を注ぐジョーイ。ところがある夜、ジョーイの家を稲妻が直撃。玩具が巨大ロボットへと変身する。
　そのロボット・ヒーローマンと共に成長し、絆を深めていくジョーイ。そんな最中、謎の生物“スクラッグ”による地球侵略が開始されようとしていた……。
 

　「スパイダーマン」や「X-MEN」などを手掛ける、アメリカン・コミックス界の巨匠スタン・リーが、「エウレカセブン」や「亡念のザムド」、「DARKER THAN BLACK」などを手掛ける日本のアニメスタジオ・ボンズとタッグを組んだ新作テレビアニメシリーズ。
　「エウレカ」や「ザムド」を観た事がある人なら、プロモーションビデオを見れば一目でわかるであろう、“これぞボンズ”という爽快・ハイクオリティな映像が注目ポイント。また、ヒーローの内面や、“真のヒーローとは何か?”を問いかけてきたスタン・リーの作品ということもあり、アクションだけでなく、内面描写や人間ドラマにも注目したい。

　主人公の山田は、町を歩けば男が振り返るモデル系の美少女。しかし、頭の中は思春期男子を越えるエッチへの興味で満杯。しかし、いつも度を越えた妄想&思い込みで暴走し、高校になっても経験は無し。
　そんなある日、本屋で助けられた(と勘違いした)平凡なクラスメイト・小須田に運命を感じ、処女を捧げる事を決意。しかし、持ち前の破廉恥妄想パワーが暴走し、順調に行くわけもなく、自爆の連続。親友の竹下美春に毎日呆れられつつ、山田による小須田攻略は今日も続く。
 

　すました美少女の頭の中が、男子中学生顔負けの性への興味で充填されているというギャップが面白い学園コメディ。山田のキャラクターが強烈だが、恋愛マスターの小悪魔妹や、山田をライバル視する超ブラコンお嬢様・京香など、脇役にも個性的なキャラクターが多数登場。
　内容的にハイテンションな演技が重要となるが、山田(田村ゆかり)、美香(堀江由衣)、京香(小林ゆう)など期待を裏切らない声優陣で、良い意味でも暴走が期待できそうだ。

　舞台は死後の世界……。なんらかの理由で最後を遂げた少年・音無は、死後の世界の学校で、ゆりと名乗る少女と出会う。彼女は神に反逆する「死んだ世界戦線」のリーダーで、天使と日夜激戦を繰り広げていた。
　そして、彼らの前に立ちはだかる天使。それは、可憐なひとりの少女だった。生前の記憶が無く、この死後の世界で何が起きているのかも分からず戸惑う音無。彼は、ゆりたちと共に戦う道を選ぶことにしたのだが……。
 

　「AIR」、「CLANNAD」など、感動的なストーリーが絶賛された美少女ゲームでシナリオライターとして活躍し、ゲームブランド・key立役者とも言える麻枝准が、原作・脚本でテレビアニメ初挑戦。監督は「瀬戸の花嫁」など、ハイテンションな作品を得意としながらドラマも確実に描く岸誠二。キャラクター原案は「リトルバスターズ!」のNa-Ga、アニメのキャラクターデザインと総作画監督は「ストライクウイッチーズ」の平田雄三、そしてアニメ製作はP.A. Worksという、豪華かつ話題性満点の、今期注目度トップクラス作品。
　作品テーマが“人生”という「CLANNAD」みたいな説明がされているが、神に反逆する者達が織り成す奥深い物語に期待が高まる。問答無用でチェックするアニメファンが多い一方、前述の美少女ゲームと同様に絵柄がちょっと合わないと感じる人もいるようだが、とりあえず鑑賞をオススメ。映像とシンクロする音楽面も聞き逃せない作品になりそうだ。

　舞台は荒川河川敷。世界トップ企業の御曹司であり、勝ち組エリート青年・市ノ宮 行(いちのみや こう/通称リク)は、これまで家訓でもある『誰にも借りを作るべからず』を信条に生きてきた。
　しかしある日、荒川の橋で出逢ったホームレス少女・ニノに命を助けられる。恩返しのために彼女の恋人になると誓った行の、荒川の橋の下での生活が始まるのだった。
 

　 自称金星人のホームレス美少女・ニノと、若きエリート・リクの身分が違い過ぎる、コメディ強めのラブコメ。
　物語や設定うんぬん以前に、アニメ化にあたりニノ(坂本真綾)、リク(神谷浩史)、そして河童の着ぐるみ常着という怪しさ100%の村長(藤原啓治)、トレーラーハウスに住む星のマスクをかぶった、自称・元売れっ子ミュージシャンこと星(杉田智和)、2m超えの大男なのに何故か修道女の衣装を着ている元傭兵のシスター(子安武人)というキャスティングを実現した時点で9割成功。果てしない暴走に期待が高まる。

　 魔都と呼ばれた1930年代の上海。雑多な人種や国籍、階層、さまざまな人々が入り乱れる混沌とした、だがエネルギー溢れるその街には、日清・日露、そして第一次世界大戦を経て中国大陸へ進出した日本陸軍の姿もあった。
　その中に、歴史上葬られた特殊スパイ組織“桜井機関”が存在した。彼らは覇権国家が群雄割拠する上海で、特殊な能力を武器に、表舞台に出る事なく、様々な事件の裏で暗躍していた。そんな最中、ある陸軍の一部隊が忽然と姿を消す。それは世界を揺るがす大事件への序章であった……。
　

　時は昭和30年。罪を犯し、湘南と区別少年院・二舎六房に堕ちた水上真理雄(通称マリオ)ら6人の少年。
　ケンカ、リンチが繰り返される壮絶な毎日の中、彼らは同房にいた年上の桜木六郎太(アンチャン)の教えを胸に、不条理と向き合い、強く生きていく……。
　

　 安部譲二の自叙伝的な作品で、昭和30年、戦後の少年院を舞台に心に傷を抱えた少年達が、不条理な現実や暴力、大人の汚さなど、過酷な運命を背負わされながらも、“アンチャン”から教えられた“愛と勇気”を忘れずにたくましく生き抜いていく物語。
　重いストーリーだが、少年達の姿を通して生きる気力を観ている人に与えてくれる名作。アニメ化にあたっては、主人公・マリオの声を小栗旬が担当しているのが話題。小山力也 、朴王路美(“王路”は王へんに“路”/ぱくろみ)、藤原啓治など、実力派声優が脇を固めている。

　高校1年生の春に、軽音部に入部した楽器初心者の平沢唯。元気がとりえの部長・田井中律、しっかり者だけど恥ずかしがり屋の秋山澪、おっとり天然お嬢様の琴吹紬の3人と共に、部室での楽器練習や合宿、学園祭でのステージ、クリスマスと楽しい日々を過ごしていた。
　高校2年生になると、真面目な進入部員の中野梓を向かえ、バンド「放課後ティータイム」のメンバーは5人へ。2度目の学園祭で大成功を収める。そして、唯たちは高校3年の春を迎える……。
　

　 もはや説明不要の第2期シリーズ。第1期の大人気を反映し、第2期は放送局数が大変な事に。頭を空っぽにして楽しめる、ほんわか学園物語をベースに、音楽の楽しさを詰め込んだ幅広い層が楽しめる作品。私は正座で鑑賞します。

　気弱ではずかしがり屋な性格が災いして浪人となり、田舎から江戸に出てきた秋津政之助は、偶然出会った遊び人風の男・弥一に用心棒になるよう頼まれる。だが、弥一は拐かし(誘拐)を生業とする賊「五葉」の一味だった。
　剣の腕を見込まれ、一味に加えられてしまう政之助。出迎えたのは個性的な面々。盗賊団から足を洗い、娘と料理屋を営む梅造。飾り職人で、かつては一匹狼の盗賊だった松吉。素性の知れない妖艶な美女・おたけ。そして政之助を五葉に引き入れた謎の男、弥一……。
　仕方なく五葉を手伝う政之助だったが、五葉の仕事や仲間と親しくなるに連れ、五葉の面々が抱える事情に関わってゆく事となり、人として成長を遂げていく。
　

　普段アニメを観ない人でもすんなり楽しめる「ノイタミナ」枠の新作(ちなみにノイタミナ枠は4月から1時間枠に拡大される)。小学館「月刊IKKI」連載、オノ・ナツメによるコミックを原作としている。主人公は浪人だが、切った張ったのアクションではなく、それぞれに過去を抱えた大人達が繰り広げる人間ドラマであり、個々の関係や人生観、そして江戸の風情などを会話や渋い映像で描く、“行間を読む”ような作品になる予感。
　重要になる映像面はサムライチャンプルーやミチコとハッチンなど、独特のセンスと鬼のハイクオリティ作画で知られるマングローブ。声優陣も浪川大輔、櫻井孝宏と人気・実力共に高い面々で固められており、腰をすえてじっくり楽しみたいドラマになりそうだ。