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2003 International CESレポート【松下電器編】
-DVDレコーダの新製品「DMR-E50」を発表


DVDレコーダの新製品を展示したPanasonicブース
開催期間:1月9日~12日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center(LVCC)
    Las Vegas Hilton Hotel
    Alexis Park Hotel


 国内未公開の製品が並んだ松下電器産業ブースは、日本のマスコミ関係者からも高い関心を集めていた。今回は、その中でも注目される製品をピックアップして紹介する。

 なお、米国の来場者に一番受けていたのは、北米初公開の「新D-Snap(SV-AV30)」だった。


■ 低価格普及モデルのDVDレコーダの「DMR-E50」を発表

会場に実際に展示されていたDMR-E50。デザインはE30によく似ている
 普及が進むDVDレコーダだが、今回発表された「DMR-E50」は、599.95ドルという戦略的価格を設定した普及モデルだ。

 「DMR-E30」の後継機に相当するもので、北米市場においてDMR-E30の設定価格が699.95ドルだったことを考えると、E30の価格を継承しつつDMR-E50に世代交代していくことが予想される。先日開催されたプレスカンファレンスでも「VHSキラーの本命」というコメントを飛び出すほどで、米Panasonicがこの製品にかける期待は大きい。

 録画メディアはDVD-RAM、DVD-Rに対応。映像出力はプログレッシブ出力が可能と、スペック自体はDMR-E30をそのまま継承しており、スペックダウンされたエントリーモデルというわけではない。

 なお、新機能として「MP3ディスクの再生」、「クイックビュー機能」が追加されている。クイックビュー機能とは、音声再生を正しく行ないながらコンテンツを1.3倍速で再生する機能で、ニュース番組などを手早く視聴したい場合に役に立ちそうだ。


■ MPEG-4を再生できるポータブルDVDプレーヤー「DVD-LX9」

DVD-RAM/Rに記録したMP3やMPEG-4を再生できるDVD-LX9
 ポータブルDVDプレーヤー「DVD-LX9」は、「DVD-LA95」の後継機にあたる製品だが、大幅に機能アップがなされている。

 まず、液晶パネルの縦解像度がDVD-LA95の約2倍の480ドットとなった。これにより、DVDビデオ映像のポテンシャルを過不足なく表示できるようになったことはもちろん、画質的にも競合機に対抗できる力を獲得した。なお、画面サイズは16:9の9型ワイドでDVD-LA95から変わっていない。

 また、スピーカーやAVレシーバを接続できるドッキングステーションが用意されており、リビングルームでは据え置き型プレーヤー同様に活用できるという。なお、映像出力はプログレッシブスキャンに対応する。

 技術的なトピックは、マイクロソフトと共同で策定した、PCとAV機器とのデータフォーマット互換規格技術「HighMAT」に対応したことだろう。PCとの親和性が売りのHighMATに準拠するだけに、本機はDVD-RAM、DVD-R、CD-R/RWなどのメディアに記録されたMP3、JPEG、MPEG-4ビデオファイルなどを再生できる。

 さらに、SDメモリーカードスロットを実装しており、上記の再生対応ファイルをSDメモリーカード経由で再生できる。カテゴリはポータブルDVDプレーヤーだが、「ポータブルSDメモリーカード・メディアプレーヤーとしての活用」も、大きな訴求ポイントといえる。

ドッキングステーションに小型スピーカーを接続すればデスクトップシアターにもなる 液晶パネルを仰向けに閉じることも可能。ディスプレイ部のコンセプトは小型モデルの「DVD-LV65」を思わせる


■ DVDデジカムがSDカードスロット搭載でリニューアル

8cm DVデジカムの新製品「VDR-M30」。ディスク装着部の上にSDカードスロットが見える
 8cm DVDメディアに直接記録可能なDVDビデオカメラの最新製品が「VDR-M30」だ。型番から想像が付くように「VDR-M20」の後継となる。

 ボディデザインが変更され、DVDドライブ部の角がとれ洗練されたデザインになっている。外形寸法も小さくなっているが、持った感じではそれほど変化はないという印象。

 レンズは手ぶれ補正機能付き光学10倍ズームを採用。VDR-M20は光学12倍ズームだったので、新しい光学系が採用されていると想像される。そのほか、DVD-RAM使用時の編集機能の強化、そしてSDメモリーカードスロットの採用が機能強化点として挙げられる。

 なお、SDメモリーカードは、静止画記録先として利用できるだけで同社製DVカメラのようなMPEG-4動画記録には対応していない。こちらは少々残念なところだ。


■ そのほかPanasonicブースで見かけた新製品

日本ではNV-GX7Kに代表されるコンパクトDVカメラ。北米での製品名は「PV-DV203」。Webカメラとしても使え、さらにはSDメモリーカードへのMPEG-4動画記録にも対応する。北米での発売時期は2003年春。価格は599.95ドルを予定。発売時には数色のボディカラーバリエーションが展開される

3CCD-DVカメラ「PV-DV953」。日本でいうところのNV-MX5000系の製品に相当する。ただし、デジタル700倍ズームに対応するなど、NV-MX5000と異なる仕様もいくつか見受けられる。発売時期は2003年3月を予定 リアプロタイプのHDTV。PCカードスロットがあり、PCカードタイプのPODによりデジタルケーブルテレビを表示できる。映像はチューナ部分からHDMIでデジタル接続されており、非常に高画質だ

□2003 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□松下電器のホームページ
http://www.matsushita.co.jp
□米Panasonicのホームページ(英文)
http://panasonic.com/
□Panasonic at CES(英文)
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/ces/
□関連記事
【2002年10月18日】Microsoftと松下、PC-AV機器間の共通規格「High.M.A.T」を共同開発
~WMP9に搭載、対応プレーヤーは2003年発売
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/ces/

(2003年1月10日)


= 西川善司 =  ビクターの反射型液晶プロジェクタDLA-G10(1,000ANSIルーメン、1,365×1,024リアル)を中核にした10スピーカー、100インチシステムを4年前に構築。迫力の映像とサウンドに本人はご満悦のようだが、残された借金もサラウンド級(!?)らしい。
 本誌では1月の2002 Internationaol CESをレポート。山のような米国盤DVDとともに帰国した。僚誌「GAME Watch」でもPCゲームや海外イベントを中心にレポートしている。

[Reported by トライゼット西川善司]


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