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東芝、42V型プラズマテレビと37/32/26V型液晶テレビ
-「魔方陣アルゴリズム」採用。RD-XS31との連携も


32L4000(上段)、42P4000(下段左)、37L4000(下段中央)、26L4000(下段右)
10月8日より順次発売

標準価格:オープンプライス

連絡先:CTV事業部 CTV国内営業部
     Tel.03-3257-6028


 株式会社東芝は、地上デジタルチューナやハイブリッドレコーダとの連携機能を搭載したプラズマテレビ1機種、液晶テレビ3機種を発表した。

 ラインナップは、42V型プラズマテレビ「42P4000」、37V型液晶テレビ「37L4000」、32V型液晶テレビ「32L4000」、26V型液晶テレビ「26L4000」。愛称はプラズマテレビが「プラズマbeautiful“face”」、液晶テレビが「液晶beautiful“face”」。

 37L4000以外を10月8日、37L4000を10月22日に発売。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、42P4000と37L4000がともに75万円前後、32L4000が55万円前後、26L4000が45万円前後になる見込み。

品名 型名 画面サイズ 店頭予想価格 発売日
地上/BS/110度CSデジタル放送対応プラズマテレビ 42P4000 42V型 750,000円前後 10月8日
地上/BS/110度CSデジタル放送対応液晶テレビ 37L4000 37V型 10月22日
32L4000 32V型 550,000円前後 10月8日
26L4000 26V型 450,000円前後

42P4000 37L4000、32L4000、26L4000


■ 自社開発の地上デジタルチューナを搭載

 新シリーズ「beautiful“face”」4機種の特徴は、「地上/BS/110度CSデジタルチューナ」の搭載、デジタル処理システム「“face”デジタルプラットフォーム」の改良、Ethernetを使った「ネットワーク対応システム」、オンキヨー製スピーカー採用の「ビルトインセンタースピーカー」など。

 パネル解像度は、42P4000が1,024×768ドット、37L4000が1,366×768ドット、32L4000と26VL4000が1,280×768ドット。

 地上デジタルのチューナモジュールには、高ダイナミックレンジの「AGC-RFアンプ」を採用。また、2段SAWフィルターを搭載し、「隣接妨害信号を抑圧し、安定受信を可能にした」としている。

 OFDM復調LSIは自社開発によるもの。データ取り込みウインドウのタイミングを最適化する「Dynamic Adaptive Window」を採用し、安定した受信を実現したという。

 なお、9月発売の地上デジタル対応CRTテレビ「D4000」シリーズと異なり、今回の新製品はスマートメディアによるソフトウェアアップグレードを必要としない。


■ 業界初の高画質化技術「魔方陣アルゴリズム」などを採用

チューナ、ADコンバータなどのフロントエンド(左)とバックエンド(右)
 D4000シリーズで採用したデジタル処理システム「“face”デジタルプラットフォーム」をベースに、プラズマディスプレイパネルと液晶パネルの特性に応じた高画質化処理回路を追加した。

 主要LSIはすべて自社開発で、中でも特徴的なのは「魔方陣アルゴリズム」、「リアルスピード・プログレッシブ」、「622万画素オーバーサンプリング・スケーラー」、「リアルデジタルピクチャー」の4つ。

●魔方陣アルゴリズム

魔方陣アルゴリズム
 異なった数字を行列状に並べ、縦・横・斜めの和がすべて等しくなるように配列した「魔方陣」にちなんだアルゴリズム。複数のフレーム画像で中間階調を表現する技術で、各画素の配列を魔方陣にみたて、ランダムに配置された画素をフレームごとに発光させる。4×4の行列の場合、4回に1回点灯させることで4分の1階調を表現する(詳細は右図を参照)。

 階調変化が滑らかになり、固定画素パネルで見られる擬似輪郭などが減少するため、「パネルの性能を超える自然な階調を実現する」という。

●リアルスピード・プログレッシブ

リアルスピード・プログレッシブ

 新開発のプログレッシブ変換技術で、フィールド間、フレーム間の動きを検出するタイプのロジック。ただし、動きが等速でない映像に対応したのが特徴で、ベクトル処理で映像を再現する。

 また、斜め線に対しては、画像から求めた動きベクトルを利用し、複数の保管画像候補を作成。周辺画素の状態から最適な候補を適用する。

●622万画素オーバーサンプリング・スケーラー

オーバーサンプリング・スケーリング処理
 入力映像をオーバーサンプリングしてからパネルに適合させるスケーリング処理。オーバーサンプリングはフラットテレビ初としている。折り返し歪みを低減し、細かい縦線などに現れるモワレ状のノイズに効果があるという。

 37L4000の場合、1,920×1,080ドット(1080i)を2,880×2,160(2160p)にオーバーサンプリング、その後、パネル画素数の2倍にあたる2,560×1,536ドット(1536p)に変換し、1,366×768ドットのパネルに送る。

 そのほか、ゴーストリダクション、3次元YC分離機能を装備。また、画面の明るさの変化に応じて輪郭を変化させる「デジタル・スーパー・リアル・トランジェント&スモール・シグナル・シャープネス」、輪郭の色にじみを抑える「デジタル・カラー・トランジェント・インプルーバー」、彩度の高い色信号が重なるシーンで輝度信号に色信号の変化レベルを加算する「デジタル・カラー・ディテイル・エンハンサー」といった高画質技術を採用している。


■ RD-XS31とLAN接続し、iEPGでBSデジタルの録画予約が可能

「BSデジタル ネットdeナビ」概念図
 全機種にEthernet端子を装備し、ルーターやハイブリッドレコーダ「RD-XS31」と接続できる。RD-XS31との組みあわせでは、「BSデジタル ネットdeナビ」を利用可能。そのほか、「ネットワークソフトウェアダウンロードサービス」、「インターネットブラウザ」機能が加わる。

 BSデジタル ネットdeナビは、テレビのBSデジタルチューナを利用した機能で、PCのiEPG画面からBSデジタル番組を録画予約したり、外出先から携帯予約メールを使った録画予約が可能になる。

 あくまでテレビのBSデジタルチューナをRD-XS31からコントロールするだけの機能なので、MPEG-2 TSなどをXS31で録画する機能ではない。テレビとXS31は別途、S映像端子やコンポジット端子で結線する必要がある。また、現時点での対応機種はRD-XS31のみ。将来機種、従来機での対応は「未定」としている。

 ネットワークソフトウェア ダウンロードサービス機能は、従来の衛星ダウンロードを置き換えるもので、東芝の専用サーバーからアップデータをダウンロードする。衛星ダウンロードより早期の更新が可能なため、採用したという。

 元来、Ethernet端子は地上デジタル放送のTCP/IP双方向番組に使用されるため、発表された地上デジタル対応テレビすべてに搭載されているが、ソフトウェアダウンロードサービスに活用する例は東芝が初めて。ただし、ブローバンドユーザーだけが対象のため、衛星ダウンロード機能は引き続き搭載する。

 なお、インターネットブラウザは、2004年2月頃のアップグレードで追加される機能。家電向けに新開発するブラウザを採用、テレビからインターネットにアクセスできる。松下電器の「Tナビ」には準拠していない。


■ オンキヨー製センタースピーカーをスタンドに内蔵

 26L4000以外の専用卓上スタンドおよび専用フロアスタンドには、8cm径のセンタースピーカーを内蔵している。本体の2chとあわせ、フロント3chでの再生が可能。「中央の定位が大幅に向上する」という。

 センターユニットを内蔵することで、「画面の邪魔にならず、最適な場所に設置できる」という。また、スピーカーユニットはオンキヨー製のA-OMF(ONKYO Micro Fiber)振動板を採用。

スタンド内蔵のセンタースピーカー 振動板にはA-OMFを採用する リモコンは2フィールドにチャンネルを登録可能

 また、オンキヨー製アンプなどに搭載されている「RI EXシステム」に対応。対応機器なら、テレビのリモコンからオーディオシステムの電源ON/OFFや音量調節が行なえる。

前面の扉内にメモリースティク/SDメモリーカード共用スロットを搭載
 リモコンは、ボタン配置をメインフィールドとサブフィールドに分けた「デュアルポジションシステム」を採用。どちらのフィールドにも12ポジションのボタンを搭載し、地上アナログがメインの現在なら、メインフィールドに地上アナログをアサイン、地上デジタルが本格化してからはメインフィールドに地上デジタルをアサインするといった使い方を想定している。

 そのほか、前面にはスマートメディアスロットに加え、メモリースティック/SDメモリースティック/MMC対応のスロットを装備する。カードアダプタを必要としないメモリースティック/SDメモリーカードの共用スロットは、同社のテレビとして初めての採用。カード内の静止画を表示できる。

【主な仕様】
  42P4000 37L4000 32L4000 26L4000
画面サイズ 42V型 37V型 32V型 26V型
パネル解像度 1,024×768ドット 1,366×768ドット 1,280×768ドット
搭載チューナ 地上アナログ
地上/BS/110度CSデジタル
スピーカー 7×13cm×4(メイン)
3.2cm×2(ツイータ)
5×9cm×4
入出力 i.LINK×2
D4入力×2
S2映像入力×4
コンポジット入力×5
デジタル放送録画出力×1
光デジタル音声出力×1
アナログ音声出力×1
ヘッドフォン×1
副画面イヤフォン×1
Ethernet×1
モジュラ×1
ビデオコントロール×1
RI×1
消費電力 403W 202W 199W 154W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ、本体のみ)
1,318×124×698mm 1,180×146×627mm 1,064×151×606mm 820×137×472mm
重量
(本体のみ)
47.4kg 37.2kg 33kg 21.7kg

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_09/pr_j0301.htm/
□関連記事
【2002年9月19日】東芝、新パネル採用の50V/42V/35V型プラズマテレビ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020919/toshiba2.htm

(2003年9月3日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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