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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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KDDI株式会社と株式会社KDDI研究所は12日、開発中の地上デジタル放送対応携帯電話を報道関係者に公開した。端末はNHK放送技術研究所との共同開発で、27日から30日まで開催されるNHK放送技術研究所の一般公開でデモが実施される。
2005年度に開始予定の携帯端末向けの1セグ地上デジタル放送に対応可能な携帯電話。同社では2003年5月に地上デジタル放送向けの携帯端末を発表しているが、同端末は地上デジタル受信用のOFDM復調機、およびテレビチューナを内蔵していなかった。 今回の端末は、日立製の「W11H」をベースにOFDMアンテナやチューナなどフル機能を実装し、大幅に小型化。KDDI研究所の村上仁己 技術開発本部長は、「技術的にはヤマを超えた」と開発の進捗をアピールした。今回公開されたのは、OFDMアンテナ/チューナを実装したOFDM版と、放送コンテンツをminiSDに収納し、コンテンツ開発向けに応用可能なminiSD版。
ともに、携帯端末向けデータ規格のBML(Broadcast Markup Language)に完全準拠し、放送コンテンツと通信コンテンツの相互連携を実現。さらに、KDDIのプロファイル追加により、位置情報履歴などの情報を電話機やサーバー間で共有する拡張機能を実装し、GPSと各コンテンツを連携させたサービスも実現可能という。 OFDM版のデモンストレーションでは、MPEG-4形式の動画データをOFDM変調器で変調し、端末で受信した。放送免許の関係で受信可能範囲は10cm程度に限定されていた。通信データはauのネットワークを利用。さらに、SMSと呼ばれる緊急放送用の端末制御なども紹介され、放送と連動した通信サービスの具体例などが解説された。 なお、地上デジタル放送の携帯端末向けビデオフォーマットは、MPEG-4 AVC(H.264)に決定しているが、今回公開の端末はMPEG-4となっている。これは「開発のスタート段階では、まだH.264に確定していなかったため」のことだが、「H.264対応のLSIも製品化の目処が立っており、すぐに対応できる」という。
会場で行なわれたデモは以下の通り。
auのCMのデモは、CM中により詳細な情報を見たい場合に、画面下部の詳細情報へのリンクをクリックすると通信ネットワークに接続し、サービス詳細が確認できるというもの。音楽番組でも、データ放送や通信と連動し、番組中に「もう一度聞きたい」などのリクエストやランキング確認などを行なうことができる。
また、ドラマのデモでは、女優が使っている衣装などの情報が掲載され、情報を確認したり、オンラインから直接購入できるほか、auのGPSサービスと連動し、商品を販売している店の情報なども取得できる。
緊急放送のデモでは、auのネットワークと連動したSMSセンターから、地震情報など緊急性の高い情報を視聴中の番組に割り込んで表示した。SMSでは端末の制御なども行なえるため、待ち受け状態になっているだけでも、緊急放送を受信できるという。さらに、GPSサービスと連動した安否情報の確認や、避難場所の確認などの応用も可能となっている。
スポーツ番組でのマルチビューカメラは、放送中に任意のカメラを指定して、視聴するといった応用ができる。マルチビューカメラはauの通信網を利用したストリーミング放送で、地上デジタル放送との同時利用はできない。
□KDDIのホームページ (2004年5月12日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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