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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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エニーミュージック株式会社は18日、5月20日よりスタートするブロードバンドネットワークを利用した音楽配信サービス「Any Music」のラウンチパーティーを開催した。 エニーミュージックは、インターネットにブロードバンド接続したホームオーディオ機器に、直接音楽を配信したり、関連サービスを提供するためのネットワークサービス/共通プラットホーム。著作権管理技術には、ソニーが開発したOpenMGを、配信コーデックにはATRAC3を採用する。 音楽配信サービスは、株式会社レーベルゲートの「Mora」を利用する。Moraと連携し、サービス開始当初は国内主要レーベルの約38,000曲が用意される。月額利用料は315円で、サービスの利用には必ず利用登録が必要となる。初期登録費用は315円。
パーティでは、同社野口不二夫代表取締役社長が、エニーミュージックのサービス概要を簡単に紹介したほか、関係各社の協力により5月20日にサービス開始することをアナウンス。その後エニーミュージック関連各社の代表による座談会が行なわれた。 座談会は、オリコン・エンタテインメント オリジナルコンフィデンス副編集長の早川高志氏を司会に、エニーミュージック 野口社長、株式会社レーベルゲート高堂学社長、エフエム東京 林屋章 執行役員兼デジタルコンテンツ局局長、HMVジャパンの青木洋平 E-Commerce プロダクト&マーケティングマネージャが参加した。 野口社長は、「いつでもどこでもいろいろな音楽に触れたい」というエニーミュージックのコンセプトを解説。多くのパートナーと協力して、今回のサービス開始に至ったことを説明し、音楽配信サービス「Mora」を提供するレーベルゲートや、FMオンエア中の楽曲確認サービスなどを提供するFM東京、CDのオンライン購入サービスを提供するHMVジャパンなどのパートナーを紹介した。その後、各社の代表がエニーミュージックへの取り組みなどについて説明した。
レーベルゲートの高堂学社長は、Moraで各レーベルから提供されている約3万8,000曲を用意していることや、主要価格帯が210円であることを説明。また、今夏までに10万曲までの拡充を目指すという。 また、音楽配信をめぐり、「利便性より著作権保護を優先したために日本の音楽配信が遅れているとの報道があるが、必ずしもそうではないと思っている」と切り出し、日本と米国との環境の違いなどを解説した。 高堂社長は「著作権は重要で、著作権を法律に従い守ることは“当然”のこと。”利便性”という名の元にフリーなコピーなどが許されるということではない。米国ではAppleのiTunes Music Storeのサービスが始まっており、大成功したといわれている。7,000万曲を売ったとのことで、Moraから比べるともちろん圧倒的に多いが、7,000万曲といっても、(売上は)米国の音楽業界の1%程度、“音楽業界から見て大成功”というわけでもない」。 「なぜ、これだけ売れたかというと、“ゆるい”著作権管理というのもあるが、日本ではCDのレンタルや借りたCDからのMDへのダビングなどが多い。逆に言うとパッケージにこだわらないので、音楽配信の芽はあると思う。米国ではレンタルはもちろん無いし、シングルの文化というのも薄い。そのため、一曲づつ買って好みのプレイリストを作れるというiTunesは非常に新鮮で魅力的となっている。だから単に日本の音楽産業が権利者のほうばかり向いて、ユーザーの利便性を無視しているという論調は、ちょっと違うんじゃないか」と語った。 また、「Moraは、権利の保護ができる日本のマーケットにあったやり方でやっていく。iTunesなどに惑わされずに、地に足つけてパッケージの皆さんなどと連携をとって音楽産業を盛り上げていこうと考えている。Appleの取り組みは要するに“iPodが売れればいい”というもの。米国は音楽産業が自分達で音楽配信を立ち上げるのに失敗したので丸投げしてしまったが、日本のレコード産業は自らしっかり盛り上げていこうとしている」とアピールした。 エニーミュージックでは、全国のFM曲のオンエア情報の確認なども行なえる。野口社長がFMチューナのオンエア情報の確認や、楽曲情報からのCD購入などをデモ。また、エフエム東京の林屋章 デジタルコンテンツ局局長は、これらのFM連携機能により「リスナーとの距離を縮めていきたい」と語り、FMのランキングやMoraと連携した曲検索機能などについて解説した。 オンライン販売サービスを提供する株式会社HMVジャパンの青木洋平 E-Commerce プロダクト&マーケティングマネージャは、HMVでは売上の17%がオンライン販売になるなど、オンライン販売の比重が年々高まっていると解説。また、CDを買いたい時ににPCを立ち上げずに、端末から直接注文できるなどの特徴を説明した。
各社の代表ともエニーミュージックのサービスのインターフェイスの操作性やオーディオ機器の性能を評価し、デジタル家電分野での音楽配信の立ち上がりに期待をかけた。また、レーベルゲートの高堂社長は、「ブロードバンドが早いスピードで立ち上がったが、音楽配信はまだ鈍く、2週遅れぐらい。パソコンの壁は高いと感じているが、家電ということで非常に使いやすいので期待している。また、新たに経済産業省の新産業創造戦略では7分野のうち、情報家電やコンテンツが指定されている。国を挙げて推進していくものなので期待している。こういう立派なハードもいいが、早く普及期の発売もお願いしたい」とコメントした。 エニーミュージックの野口社長は、「インフラも含めやっと環境が整った。日本発の新しいネットワークの使い方、PCでないネットワーク使い方を提案したい。新しいサービス、産業の創造を実現したい」と語り、座談会を締めくくった。 また、会場では各社のエニーミュージック対応端末が展示された。
□エニーミュージックのホームページ (2004年5月18日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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