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国内最大の映像機器展「Inter BEE 2004」が、幕張メッセで17日から19日まで開催されている。Inter BEEは放送業界向けの展示会となっており、デジタル放送用の送出システムや、放送局用のスイッチャなどが多数出展されている。 放送用機器については小寺氏のElectric Zooma!でもレポートしているが、今回はコンシューマ寄りのトピックなどを中心にレポートする。 ■ ソニーは、4K SXRDプロジェクタを初お披露目
ソニーは専用のホールを設け、独自の「4K SXRD」を採用したプロジェクタ「SRX-R110」を利用した4K映像のデモを開催。SRX-R110は、解像度4,096×2,160ドットの「4K SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)」を採用したデジタルシネマ向けプロジェクタ。2005年3月より1,300万円前後で発売される見込み。 今回は、SRX-R110を計測技術研究所のディスクレコーディングシステムとHD SDI接続し、300インチのスクリーンへ投射するデモが行なわれている。65mmフィルムをソースとしたサンプル映像や、デジタルソースから4K化した「スパイダーマン2」のダイジェスト、静止画映像などを出力し、解像力の高さや自然な発色などをアピールした。
□関連記事 ■ 電車を模したブースを用意し、1セグ放送をアピール
TBSと博報堂DYメディアパートナーズは、ホール内に駅のホームや電車を模したブースを設け、地上デジタル放送の携帯端末向け1セグ放送のデモを行なっている。 三洋電機が端末を提供し、車内の据付型テレビや携帯電話で地上デジタル視聴を体験できる。実際に試験用の免許を取得し、TBSの番組の放送を行なっている。 映像はH.264/MPEG-4 AVCでビットレートは映像が約180kbps、データが26kbps程度。実際の放送のビットレートはまだ決まっていないが、「最高220kbps程度まで考えている」という。なお、携帯電話のバッテリ持続時間は約2時間程度とのこと。 本放送ではオーディオにAAC-SBRを採用する予定だが、今回はエンコーダなどの問題からAAC-SBRは採用できなかったという。その他はほぼ本放送に近い形とのことで、実際の利用シーンに近い形を意識して、今回の電車内デモを企画したという。
NECも地上デジタル放送対応の携帯電話を展示。フジテレビと協力し、実際に放送波を使ったデモが行なわれた。デモ端末では映像はMPEG-4でビットレートは映像が190kbps、データは画像を多く利用する関係で128kbpsとのこと。バッテリ駆動時間は約2時間。 また、地上デジタル放送での利用が予定されるオーディオ形式AAC-SBRに対応したエンコーダ/デコーダも参考出展。今回はパソコンのソフトウェア上でのエンコード/デコード性能のデモが行なわれていたが、今後同社の放送局向けエンコーダ/デコーダに順次導入していくという。
松下電器のブースでは、1セグ放送対応端末のデモを実施。SDカード型のチューナーユニットをノートPCやD-Snapと接続して映像再生するコンセプトを紹介していた。 実動モデルではなかったが、2005年度開始予定の本放送にあわせた製品化を目指しているという。なお、SDカードチューナーにはH.264/MPEG-4 AVCのデコーダを組み込むことは難しいため、製品化の際にはデコードはD-SnapやPC側で行なうことになる。PCでは320×240ドット/15fpsまでの映像は問題なく再生できるとのこと。
■ 10万円台でDSD録音に対応したDVDレコーダ ティアック タスカムBUのブースでは、DSD録音対応のDVDレコーダ「DV-RA1000」を展示。2005年2月発売予定で、価格は18万円。
24bit/192kHzまでのPCM録音に加え、SACDなどで利用されるDSD(Direct Stream Digital)も録音可能な2Uラックマウント対応ステレオレコーダ。今までDSDレコーダは、同社で販売しているHi-8テープを利用したレコーダ「DS-D98」が126万円と高価だった。DV-RA1000ではDS-D98のノウハウを生かして低価格化した。 記録メディアはDVD+RWとCD-R/RW。DSDのほか最高24bit/192kHzのPCM録音にも対応。DVD+RWへの記録は音声ファイルフォーマットとしてBWF(PCM)、DSIDIFF(DSD)をサポートする。CD-R/RWへの書き出しにも対応しているため、CD用マスターとしても利用できるという。 そのままSACD化することはできないが、DSIDIFFのファイルをパソコンに書き出すなどで編集も可能。もっとも、現在パソコン上でDSDを扱えるソフトウェアは民生向けには存在しない。 録音した音源はプロジェクトとして管理され、99個までのプロジェクト作成が可能。トラックやA-B間のカット/ペースト/インサート/イレースなどの編集機能を装備。プログラム再生も行なえる。アナログバランス入出力(XLR/RCA)や、AES/EBUや同軸デジタル入出力、SDIF-3 DSD入出力、WORD SYNC、USB端子などを装備する。
ローランドのブースでは、40GB HDDを搭載し、4chの24bit/96kHz録音が可能なレコーダ「R-4」を参考展示。近日の発売を予定しており価格は「コンシューマでも手の届く価格を目指す」とのことで、10万円台前半になる見込み。 XLRとフォン入力兼用のコンボジャックを4端子装備し、4系統の24bit/96kHz音声の録音が可能。同軸デジタル入出力やヘッドフォン出力も備えている。民生向けでもハイクオリティな録音が行ないたいというユーザーの声に応えたいという。 HDD上でトリムや分割、結合などの編集が行なえるほか、USB 2.0端子を搭載。USBストレージクラスに対応。録音したファイルをパソコンから取り込めるほか、R-4上のファイルを直接パソコンで編集することも可能となっている。CFスロットを装備し、ファイルの読み込みなども行なえる。ステレオマイクを内蔵するほか、ステレオスピーカーも装備する。 電源はACアダプタのほか、単3電池×8本でのバッテリ駆動も可能。電池駆動時の連続再生時間は約2時間。外形寸法は240×217.4×77.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.7kg。
■ その他
松下電器のブースでは独自のメモリーカード「P2カード」を利用した放送/業務用のカメラ「DVCPRO P2 シリーズ」を大々的にアピール。 NABでも出展された、P2記録D5 HDカムコーダや同じくDVCPRO HDフォーマットVaricamなども展示しているがいずれもモックアップ。また、HD MPEGタイプという小型のP2記録カメラもモックアップながら参考展示している。
カノープスは、HDV対応のメモリーカード/ネットワークプレーヤー「HDMA2000」を出展。博物館や美術館などの展示フロア向けのビデオプレーヤーで、サーバーやメモリーカード上のビデオ/オーディオファイルを再生できる。 本体前面にCFやSD/MMC、メモリースティック/メモリースティックPRO、スマートメディアスロットを装備する。HDVフォーマットに対応し、HDVで撮影した1080i/720pの映像再生も可能。ただし、メモリーカードからの動画再生は転送速度の問題からCFのみとなっている。価格は30万円程度の見込み。 BHAは、独自の動画圧縮フォーマットXVDを利用し、テレビ会議などが可能なXVD CAMCASTを出展。DVカメラなどの映像を720×480ドット/30fpsで約2Mbps程度のXVDにリアルタイム変換、IP網を介して映像/音声が伝送できるリアルタイムビデオ中継システムで、廉価版のXVD CamCast SXが25~30万程度、コンポーネント出力対応のXVD CamCast CXが60万円。 定点観測向けなどで大手キー局などからも受注があるという。また、5~8MbpsでフルHD解像度をサポートするという「XVD CAMCAST HD」も参考出展。2005年中のリリースを予定している。
□InterBee2004のホームページ (2004年11月18日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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