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【レコーダ編 その1】パイオニア、松下、シャープ
DVD-R 16倍速対応ハイブリッドレコーダなど


北米におけるシャープのレコーダは、300ドルから600ドルの価格帯で展開している

会期:1月6~9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Las Vegas Hilton Hotel
    Alexis Park Hotel


 北米では日本ほどハイブリッドレコーダの市場がヒートアップしていないということもあり、各社ともラインアップを絞って製品を発表している。

 それだけに総じて日本モデルに比べて機能は控えめだ。東芝の「W録」や松下電器産業の「どっちも録り」のような2番組同時録画機能、ソニーの「おまかせ・まる録」、パイオニアの「気がきく! 録画辞典」などの自動録画機能を搭載する機種はない。

 しかし製品のいくつかは日本での次期製品へ通じる機能や、新デザインを採用している。2005年のデジタルレコーダを予測する好材料と言って良いだろう。

 2005 International CESで発表されたハイブリッドレコーダを2回にわけてレポートする。


■ パイオニアから、16倍速DVD-R対応モデルが登場

 パイオニアからは、ハイブリッドレコーダとしてはじめてDVD-Rの16倍速書き込みに対応した「DVR-533H-S」(499ドル)と、「DVR-633H-S」(599ドル)が発表された。これまで、ハイブリッドレコーダは8倍速のDVD-Rまでしか対応していなかった。16倍速対応だからといって、書き込み時間が完全に1/16になるわけではないが、8倍速モデルよりは、より速くHDDに保存した番組をDVD-Rにダビングできることは確か。

80GBのHDDを搭載した「DVR-533H-S」。従来機ではドライブがセンターに配置されていたが、新モデルでは正面左側になっている 本体の録画ボタンが赤くなっているのが上位モデルの「DVR-633H-S」。どちらもi.LINK端子を備えておりDVカメラとの接続に重宝しそうだ

DVDレコーダーの単体機は「DVR-233-S」のみ。EPG機能などはつかないベーシックな機種だ。店頭には200ドル後半で並ぶという

 いずれのモデルも、現在日本で発売されているCPRM対応のDVD-Rメディアの記録をサポートしてるため、日本での発売も近いと予測される。また、録画モードの長時間記録モードのビットレートが変更され、DVDメディアへの片面記録時間が従来機の8時間から、10時間へ延びた。

 どちらの機種も本体の中央に操作ボタンをあしらった共通のデザインを採用。HDDD容量は異なっており、DVR-533H-Sが80GB、DVR-633H-Sが160GBになっている。

 EPGは「テレビガイド」方式を採用。「気がきく! 録画辞典」機能は省かれているのでキーワード入力による自動録画機能は備えていないが、録画、再生などの基本操作で初心者が迷わないようにWindowsのヘルプ機能のようなアシスタント機能を備えている。


■ 松下は全機種がDVD+Rに対応

 北米向けのDIGAシリーズが3機種発表になった。すべての機種でDVD-RAM、DVD-Rに加えDVD+Rに対応した。DVD+Rに対応した経緯についてはこちらを参照していただきたい。

 北米ではDVD+Rに対応したパソコンドライブが日本よりも早くに普及した。店頭ではDVD-RとDVD+Rほぼ同じように売れているということもあり、DIGAが北米市場でDVD+Rに対応した意味は大きい。しかし、それ以上に普及している書き換え型のDVD+RWへの対応を行なわないのは、DVD-RAM陣営の主管メーカーとしての複雑な立場が見え隠れする。同社製品担当によれば「日本国内への投入は未定」とのことで、否定のコメントは無かったが、玉虫色という印象だ。

 ハイブリッドレコーダ新製品は「DMR-EH50S」。100GBのHDDとDVD±Rへの8倍速書き込みに対応したドライブを搭載する。DVD-RAMへの記録速度は公表されていないが、おそらく5倍速書き込みに対応するものと考えられる。本体の中央部にはSDカードスロットを搭載。全体のデザインはDIGAシリーズの最高峰であるブルーレイレコーダ「DMR-E700BD」の流れを汲んでおり、今後の日本向けDIGAシリーズで同様のデザインを採用することもありそうだ。

日本では豊富なラインアップを用意するDIGAシリーズだが、北米では「DMR-EH50S」の1機種のみ。EPGは「テレビガイド」の情報を使用している。なお、電源投入から1秒でEPGが表示できるという

 「DMR-ES10」はDVDドライブのみの単体レコーダー。SDカードスロットやEPG機能は廃したシンプルな録画機だ。

 「DMR-EH30V」はVHSビデオとDVDレコーダの一体型モデル。VHSテープをセットしてダビングボタンを押すだけで、VHSの内容をDVDに保存できる。日本国内では、さらにHDDも搭載する3in1レコーダが人気だが、機能よりも操作性を重視したスペックでまとめている。

 3機種ともに電源投入から約1秒でHDDもしくはDVDメディアに録画できる「クイックスタート」に対応した。日本で発売されている「DMR-E87H」では、電源投入からHDDへの録画時間を計測すると約33秒かかってしまう。それから比べるとかなり高速化されている。

「DMR-ES10」はDVD-RAM、DVD±Rに対応。北米の激安店ではマイナーメーカー品が139ドルの値をつけることもあるという単体のDVDレコーダーだが、単純にVHSビデオからの買い替え用としての需要が多いという 「DMR-EH30V」。電源投入から約1秒で録画をスタートできる。VHSからDVDへのワンタッチダビングが行なえる

□関連記事
【1月6日】【EZ CES特別編】松下とソニー、同日にプレスカンファレンスを開催
~ DVD+R対応「DIGA」や3CMOS採用DVカメラなど ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041012/bda.htm


■ シャープはHDD搭載ブルーレイレコーダーなどを参考出品

 シャープのブースでは、液晶テレビのアクオスシリーズの裏側にレコーダ類が展示されていた。華々しいブースの中でも地味な位置の展示だったが、日本で既に発売されているHDD搭載ブルーレイレコーダ「BD-HD100」には多くの人が足を止めていた。

 その両サイドにはHDDとDVDのハイブリッドレコーダも展示されているが、こちらもすべて日本で発売済みのモデル。参考出品という形だったが、目新しさは無かった。

 日本でシャープ製のレコーダの特徴といえば、デジタル放送録画へのいち早い対応が挙げられるが、放送方式の違う北米ではチューナ部のメリットを発揮できないという結果かもしれない。

日本で発売済みのHDD付ブルーレイレコーダー「BD-HD100」を参考出品していた。北米での発売は未定とのこと 160GBのHDDを搭載するHDD&DVDレコーダーのDV-HR450も参考出品だった

□2005 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【2005 International CES レポートリンク集】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/ces2005.htm
【11月11日】シャープ、初のHDD搭載ブルーレイレコーダ「BD-HD100」
-DVDも搭載の3スピンドル。AQUOSブランドで展開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041111/sharp.htm

(2005年1月7日)

[Reported by 鈴木桂水]


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